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虚飾 ドンルックアットミー ダットヴァニティ

運転席から
助手席で頬杖ついて外を見る私に

当たり前の正しいことを
父は言う

実家から通った方が金使わなくて済むだろ?

お前には合わないと思うよ多分

やめといた方がいい、無駄じゃないか


でもね

それは本当にあなたの言葉なの?


あなたは世間の常識を通して

こうした方が人間の世界で生き残れる
確率が上がるぜって

そんな上から目線でしか
言わないから、いつまでも私に目線を
合わせられないんだよ

痛みを受けるのも
そこから呪いや祝福を選び取るのも

誰かの笑顔やサヨナラを背負っていくのも
ぜんぶあたし自身なの

決して、あたしの前を歩いた気になってる
あなたじゃないです

だって
あなたの道はあたしと違うじゃない

行きたい場所も
空の下に広がる視界も何もかも重ならないでしょう?

あなたは隣にあたしがいる気になってるけど
セミの抜け殻にドヤってるだけだよ

決して
あなたにあたしの心は見せない

触れようともしない
まるで見えないから目を瞑っても同じだなんて
そういう風に想像力の無さを無神経に
あげつらうあなたの空気の中にいると
私の思いはどんどん逃げ場を失って吐き気がする

あなたの世界にあたしはいない

それだけが
あなたとあたしの間を繋いでる
唯一の真実だよ

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