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カメラ趣味と防災

今年正月の能登半島沖地震にて、家財の損傷という形で被害を受けました。
家族や家屋が無事であったことは不幸中の幸いでしたが、家財はそれなりに損傷し、片づけに追われました。
そのような中でもカメラ機材は無事であり、心底ほっとしています。

カメラ趣味の人間として、大地震に遭って気づいた防災対策をご参考まで記します。


・普段から機材はケースに入れておく
地震の際、防湿庫のプラスチックケースの上に重さ10Kgを超える液晶モニタが落下しましたが、防湿庫は壊れることもなくカメラ機材を守ってくれました。
私はずぼらなもので、使ったカメラを机や防湿庫の上に置いたままにしていることが良くあるのですが、たまたまこの時は防湿庫にしまってあり、それが奏功した形です。
今回の地震では、机の上に置いてあった液晶モニターやスピーカーなどのかなり重さのある品も床に滑り落ちました。
湿気やほこりだけでなく、落下物からの防護のためにも、きちんとケースにしまう、という当たり前のことの重要さを改めて実感しています。


・ケース内で暴れない工夫をする
我が家の食器棚には、地震の時に勝手に扉が開くのを防止するストッパーがついており、食器が飛び出して床に落ちることはありませんでした。
しかし、扉が開かないことによって食器が棚の中でシェイクされ、食器同士や食器と棚板がぶつかることにより、陶器、ガラスが割れてしまいました。
同様のことは、防湿庫でも起こりえます。
幸い、私の使っている防湿庫は高さが低く、底に衝撃吸収用のシートを敷いてあったこともあってか、防湿庫内でカメラやレンズがぶつかりあうことはなかったようです。
また、カメラとレンズの隙間に紙箱に入った写真フィルムを置いてあったのも役立ったようです。
防湿庫から機材が飛び出さないようストッパーをかけるのはもちろんのこと、その上で、庫内で機材が暴れまわらないよう、滑り止めや衝撃吸収材を敷いておくと効果的と考えます
それと、交換レンズには前面後面ともレンズカバーを付けて置くことも大切です。
フィルターを付けている前玉はまだしも、後玉は本当に傷に弱いので。


・データはクラウドに
最近はデータストレージもSSDが主流になり、揺れや衝撃にかなりの耐久性を持つようになってきています。
しかしながら、地震後の津波や火事に対してはHDDもSSDも等しく無力です。
RAIDを組んであっても、同じ場所に置かれていれば、揃って消失します。
私は幸いにもデータストレージは無事でしたが、輪島の火災被害や珠洲の津波被害を見るにつけ、本当に大事なデータだけでもクラウドに置いておくことの重要さを痛感しました。


どれも目新しい対策ではなく、当たり前と思われる方が多いでしょう。
当たり前のことを飽きることなく反復する、それこそが最も効果的な対策なのだと感じます。

最後に、今回の地震で被害に遭って痛感したのは、カメラは精神安定剤だ、ということです。

カメラ趣味の方ならわかってもらえると勝手に思っているのですが、何を撮るわけでなくとも、カメラをいじっていると心が落ち着きます。
地震後、あれこれ不安と焦燥、無気力が入れ替わりながら押し寄せてくる時期が続きましたが、そんな時でもカメラをいじっているときは、ひと時の息抜きを得られました。
なんとなくファインダーを覗いてピントを合わせる、絞りを変えてみる、ただそれだけのことですが、精密に、あるべき様に動いてくれるカメラに、元の日常へのよすがを見ていたのかもしれません。
もし、地震でカメラが壊れてしまっていれば、本当に精神的にどん底に陥ってしまっていた気がします。

地震に立ち向かう気力を維持するためにもカメラは壊れてはならず、カメラが無事であれば地震に立ち向かう気力をわずかでも得られる。
カメラに限らず、各個人それぞれに大事なものに当てはまることかとは思います。
いつ来るかわからない災害にくじけないためにも、防災対策は日ごろから気をつけておかねばならない、そんな教訓を今回の地震から得ました。

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