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自転車と電車で楽々めぐる富山の旅

ここ2回ほどの記事で書きましたが、お盆休みに久しぶりに自転車ツーリングをしてきました。

目的地は富山県のらいちょうバレースキー場。
自宅からは片道35Kmほどの距離になります。

自転車が趣味の方ならお分かりかとは思いますが、往復70㎞程度ならさほど大変とは思わない距離です。
ただ、目的地がスキー場ということで標高差が600mほどあり、普段あまり鍛えていない身としては夏の暑い最中の山登りは体力的に不安があります。
でも、山の爽やかな空気の中で自転車に乗りたい!

登りがきつくなるのは、富山平野が終わり立山に足を踏み入れる往路終盤の10㎞ほど。
そこで、電車に頼ることにしました。

今回の経路に沿うように富山地方鉄道が走っており、ゴールのらいちょうバレースキー場は終点の立山駅から一息の距離です。
登りがきつくなる山麓から立山駅までを電車に乗ることで、楽して山登りしようという目論見です。

自転車を電車に載せるとなると、普通は車輪などを取り外して輪行袋に入れ、階段を上り下りしてホームまで行くという、一苦労が予想されます。
しかし、富山地鉄は休日ならば追加料金なしで自転車をそのまま電車に載せることが出来る、サイクルトレインというサービスを実施しています。


とはいえ、いくら鉄道会社がOKしてくれても、あれこれ心配があると思います。
・他の客に迷惑じゃないか
 →ローカル線なので休日の車内はガラガラ
・ホームまで行くのが大変
 →全区間ほぼ単線なので跨線橋などなく、ほとんどの駅は駅舎からホームまで5段ほどしか段差が無い
・自動改札を自転車を押して通るのが大変
 →殆どの駅が無人駅なのでそもそも改札がなく、有人駅でも自動改札ではなく昔ながらの有人改札

まさにローカル線であることを逆手に取った、自転車乗りにとって夢のような素晴らしいサービスです。

朝、8時前に自宅を出発。まずは富山平野を縦断して立山山麓まで快調に平野部を走行します。
1時間半ほどで立山山麓の雄山神社前立社壇に到着、お参りをします。

参拝後、神社からすぐのコンビニ、立山サンダーバードで昼食を調達します。

このコンビニは自家製のおでんのサンドイッチや、うさぎやクマのおにぎりなど、変わり種のお弁当が名物です。

くま、うさぎ、鹿のおにぎり
チャーハンのサンドイッチ
おでんも衝撃だがお餅もなかなか

試してみたくもありましたが、自転車を漕いだ後に食べたいとは思そうになかったので、比較的ノーマルなタンドリーチキンのサンドイッチを購入しました。

そこからすぐの横江駅まで自転車を漕ぎ、ここからいよいよ電車に乗ります。
横江駅は無人駅。富山地鉄では珍しくない木造駅舎を通り抜け、ホームに上がります

看板がなければ廃屋と思いそうな駅舎
駅舎内、古くはあるけどきれいに清掃されている
ホームへの階段

他に乗客はおらず、のどかな田園風景を眺めながら10分ほど待つと電車が到着。

ホームからの眺め
待合室?

先頭ドアから乗車し、運転席すぐ後ろのスペースに自転車を置きます。

車内はお盆休みの時期とあって立山黒部アルペンルートに向かう人たちで座席が概ね埋まっている状態でしたが、運転席後ろの運賃箱周辺のスペースはもともと座席がなく、自転車を置いても他の乗客の方の迷惑になることはありません。

そこからのんびり電車の旅を楽しむこと25分、終点の立山駅に到着です。
他の乗客の方が全員降りるのを待ってから、私も電車を降ります。
立山駅は階段を1段も上り下りすることなく、電車からホーム、改札、駅構内を通り抜けて外へ出られます。

立山駅
立山駅前、キンキンに冷えた美味しい地下水が湧き出ている

駅前で準備を整えて、らいちょうバレースキー場まで標高差100m弱ほどを登ります。
やや厳しい坂道ですが、電車で一休みできたので一気に登り切ってゴールに到着です。

らいちょうバレースキー場ゲレンデにて


ここからは山道を下る爽快な自転車旅です。

山の心地よい風と素晴らしい風景を眺めながら、ほぼ重力任せで下ります。

途中で見かけた水力発電所
神通川を挟んで対岸を望む
峡谷を流れる神通川

途中、雄山神社の中宮祈願殿に参拝。
ここと、朝に参拝した前立社壇、標高3千mの立山山頂の本宮と3社合わせて立山信仰の核となる雄山神社を形成しています。

また、通りかかった山間の集落にある小さな神社にも参拝。

山麓までほとんどペダルをこぐこともなく下山し、そこから富山平野を縦断して自宅まで戻りました。


山の中の爽快なサイクリングを楽しみたいけど、延々と続くきつい登り坂は体力的に不安。
自転車で遠くまで行ってみたいけど、そこから帰ってこれるか不安。

このような不安がある方でも、ゴールを富山地鉄の駅周辺に設定すれば、自転車を電車に載せて楽々戻ってくることが可能です。
富山地鉄は立山や宇奈月温泉など、観光地へのアクセスが良いので、着いた先での観光も楽しめます。


富山県内の方のみでなく、県外からの観光客の方も自転車を富山まで持ってくれば、楽々と県内を自転車で回ることが出来ます。

富山県は富山地鉄の他にもJRと3セク鉄道が走っており、新幹線から普通電車に路面電車やライトレール、トロッコ電車に観光列車まである、地方としては非常に鉄道網が充実した県です。
電車好きの方にも自転車好きの方にも、富山県の旅はおススメです。


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