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クリエイティ部 アート鑑賞 青森②

クリエイティ部 アート鑑賞 シリーズ 
 前回までのあらすじはこちら👇

  ★ #1「クリエイティ部 アート鑑賞 青森

弘前れんが倉庫美術館

十和田市現代美術館を後にし、アート旅 2日目は弘前市へ。

弘前市出身のアーティストというと、不機嫌そうな少女の絵で有名な奈良美智氏ですが、「佐野ブルー」「青の画家」と呼ばれる佐野ぬい氏も同市出身ということで、一度は訪れてみたかった場所でもあります。
佐野先生は10数年前に一度お会いしたことがあり、その時の講演会では、
当時、女性が絵を描きながら家事育児にも専念する生き方の大変さをお話して下さりました。
女性の働き方も昭和、平成と時代が移ろい、令和になった現在は、佐野先生が子育てしながらスキマ時間に絵を描かれていた頃と比べて、世間的には男性の育児や家事が声高に叫ばれていますが、女性画家(←女性という名詞を私は職業の前に付けたくない)の数は、男性と比べて少なく、女性で女子美術大学の学長まで勤められた経歴は稀有な存在な方でもあります。

↑ まだまだお元気でいらっしゃる佐野先生

弘前訪問のきっかけをくれた佐野先生ですが、講演会でお話されていて印象だったことが、「生まれ育った場所が芸術や表現を作る。私は青森で育ったので、青森らしい色だったり、タッチだったりする」という言葉がガツーンと頭に突き刺さり、やはり生まれ育ったところで感性は磨かれるのだと痛感したのでした。

佐野先生の「佐野ブルー」という色合いだったり、お孫さんが青ちゃんというお名前だったりするのも、全て青森なのである。

この生まれ育った地域のくだりですが、他にも感じることがあるので、「日本霊性見聞録」へまとめることにします。
長くなりそうなので、コンテンツを細分化します。

今回訪れた弘前れんが倉庫美術館ですが、上記の紹介の通り、1907年に酒造倉庫として建設され、その後、青森の特産品にもなっている「シードル」を生産する工場、吉野町煉瓦倉庫して使われていた歴史ある建物です。
2020年にエストニア国立博物館を設計された田根剛氏が建築の改修も携わっていることで、より新たな産業遺産としての価値が高まっています。

弘前れんが美術館 外観


ちょうど企画展で、『もしもし、奈良さんの展覧会はできませんか?』という展示がされていたので、聖地巡礼をたっぷり堪能したのでした。

10代の頃に好きだった作品やグッズを直接拝見し、グッズを見ることで昔の記憶が蘇って、とても懐かしい気持ちになりました。
ふるさとに尽力され、幅広く活動されていらっしゃるところに感銘を受けます。

A to Z シリーズ



美術館の隣は、カフェ&レストランになっています(同じ建屋にミュージアムショップ有り)
シードル工場の雰囲気をしっかり残した造りなので、ゆったり過ごせました。

ご当地のシードル🍷🍾
シードル工場🍎


ミュージアムショップ


12月に入って雪が積もっている弘前れんが倉庫美術館⛄


弘前こぎん研究所

今回の弘前訪問の目的でもあるのが、「こぎん刺し」です。
こぎん刺しの歴史を知ると大変な中、女性がひと針ひと針刺して作って、大切に着られていたのですが、現代は青森の伝統的な民藝品のひとつになっています。

青森県津軽に伝わる刺し子の技法のひとつであり「刺しこぎん」とも呼ばれる。 津軽地方では、野良着の事をこぎん(小衣、小巾、小布とも)と呼んだためこの名前がついた。 一般に青い麻布に白い木綿糸で刺す。

他の刺し子との違いは、縦の織り目に対して奇数の目を数えて刺すことである。 偶数の目でさすと青森県南部の菱刺しになる。

寒冷な津軽地方では木綿の栽培ができず、移入に頼らざるを得ない綿製品は高価だった。 さらに1724年(享保9年)「農家倹約分限令」により、農民は仕事着、普段着において木綿の使用が禁止され、紺麻布を着衣として用いていた。 しかし荒い仕立ての麻布は通気性が良すぎるため、津軽地方の冬の寒さを防ぐことができなかった。 そのため、明和(1764年頃)になり木綿の糸が手に入るようになると、農家の女性は麻布に刺繍をして布地の目を埋める事で暖かい空気を着衣の中に留めこみ、快適な被服気候を保った。

刺繍を細かくすることで、肩に背負う籠ヒモからの摩耗を防ぎ、装飾性の向上にもつながった。

Wikipedia

10年以上こぎん刺しを愛用していて、弘前こぎん研究所で、ポチポチと通販をし続け、ティッシュケースや名刺入れ、ヘア飾りなど色々と愛用しています。
今回の訪問で分かったことは、青森県内のあちこちにこぎん刺し商品取扱いが多く、どこでも買える状況だった!! ことに驚きを隠せませんでした。
どこでも買えないかと思い、弘前こぎん研究所で、厳選して林檎の染色した名刺入れなど草木染めのこぎん刺しを購入したところ、お土産品として、あちころで販売されていたので、拍子抜けしたくらいです。

こぎん刺しの聖地巡礼🧵
地域によって異なるデザイン

その土地で採れるもので、染色や装飾されたこぎん刺し、人の手で刺すデザインの温もりを感じます。

同じ雰囲気があるのが、バルト三国エストニアのノルディックミトン。

https://www.tabicafe.com/?pid=171281025

寒い土地柄ならではの雑貨も、どこか青森のような雰囲気なのです。
エストニア以外の、リトアニアやラトビアは未訪の国ですが、いつかきっと訪問できる日を心待ちにしているのでした。

津軽藩ねぷた村

同じく弘前市内にある体験型「津軽藩ねぷた村」にも足を運んで、ねぷた囃子や津軽三味線の生演奏を聴きに行きました。
実は青森に恋焦がれていたのは、こぎん刺しだけではなく、ねぷた(ねぶた)も実は好きなので、いつか本物をこの目で見たい!!という思いで、ねぷた村の見学でした(ねぷた見学は有料です)

高さ10mの大型ねぷたと内部の骨組みを見学できる実物大の大型ねぷたを目の前で見ることができ、ねぷたの歴史も知ることが出来て、青森県内でも地域によって全然異なるのを初めて知りました。

ねぷたとねぶた
顔ハメパネル

ねぷたのデザインがどれも素晴らしくて、やっぱり好きだな~と再確認できました。

縄文遺跡群のねぷた
アマビエねぷた
古典ねぶた


津軽三味線の演奏も一部でしたが、鑑賞することが出来て、弘前まで足を運んだ甲斐がありました。
こちらの津軽ねぷた村では、私が大好きなせんべいも手焼き販売されていますので、ピーナッツや小麦アレルギーが無ければ、食べて頂きたい青森フードです♡


弘前で、青森のアートや伝統芸能、工芸品に触れ、
アートの旅はまだまだ、つづくのでした🍎

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