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理不尽なこと

今年も全社研修会が執り行われた。
AKB48「恋するフォーチュンクッキー」から
始まって、社長のプレゼンテーションと続き、
新任部長たちの発表と盛りだくさんだった。

まさに、転換期というべきだろう。
社長の打ち出した新規事業への挑戦とそれを
支える組織という構図は、市場で独自性を発
揮してきた当社だからこそできることだと思
う。

今年の展示会を見れば明白ではあるが、それ
でも決断するのは難しい。変化を恐れず、ま
っすぐに前を見据える姿勢を心強く思った社
員も多かったことだろう。

しかし、事はそう簡単にはいかない。
変化は、さまざまなストレスを与える。


上手く行かないことの方が多く、先行きの見
えない事態に心が折れそうになるだろう。私
もそういう場面を何度も見てきたし、そうい
うときに心が離れて行く人の姿も数多く見て
きた。

人の心はとても弱くて、脆いものだ。

そういう人の多くは、正論を掲げてそれを理
由にする。「やり方が無謀だ」とか「説明が
足りない」など先頭に立って走り続ける人の
見えている部分だけを批判し、自分は蚊帳の
外にいることが多い。

リーダーとは、この世の理不尽さを受け容れ
ることができる人のことを言うのだと思う。

どんなに自分の価値観と合わないことであっ
ても、それもすべて飲み込んでしまえるだけ
の覚悟がなければならない。なぜならこの世
の中は、ほとんどが理不尽なことで埋め尽く
されているからだ。

もともと、自分と同じ人間はいない。
親子や兄弟であっても、それは違う。分かっ
てくれているとか、すべてを受け容れてくれ
ているとか勘違いすることが多いのだが、立
場が違えば意見や価値観が違うのは当たり前
のことだ。それに過度な期待をするから、ど
うしても軋轢が生まれる。もともと違うのだ
と割り切れればいいが、人間はそういうもの
ではない。

では、どうすれば少しでもストレスを減らす
ことができるのかといえば、世の中の矛盾や
理不尽さを前提に「前に」進むしかない。


立ち止まらず、圧倒的な勢いで進むしかない。
そして、その先にある結果にたどり着き、
みんなを納得させるしかない。

ただし、必ずしも思い描いていた結果にたど
り着けるかは不明だから、そうならなかった
ときは責任が伴うことになる。

どうせ進まなくても、進んでも批判を受ける
のならば、前に進むしか方法がないのだとい
う結論ではある
が、私が知る限り人間と関わ
りながら生きるには、これしか方法がないよ
うに思える。

新任の部長達のプレゼンテーションは、とて
もレベルが高く、組織としての強さを感じず
にはいられなかった。反面、部課員とともに
実行してく難しさを憂いてしまった。結果が
出ないことを嘆くのではなく、結果に向かっ
て懸命に突き進んでほしい。多少の失敗には
目をつぶって、迷わず、ブレずにいてほしい、
と思った。

そのためには、部課員たちもしっかりと部長
たちを支えてほしい。時には厳しく叱咤し、
ときにはやさしく手を差し伸べる。それだけ
でリーダーたちはまた高いハードルを越えよ
うと必死になって前を向いてくれるだろう。
会社の未来は、すべての社員の手の中にある
ことを忘れないようにしてほしい。

* * *

当時
必死に経営者になろうと
背伸びしていたジブンを思い出した。

やはり、
世の中、そんなに上手くいく訳がない。

これから先
もっともっと面倒くさいことが
ジブンに襲いかかることになる。

それでも
この時の想いがあったから
乗り越えられたと言っても過言ではない。

ジブンのことしか考えなかった僕が
こんなに周囲の人に意識を向けている
それだけで涙が出そうだ。


年齢と経験を重ねたことが
自身の価値観に変化をもたらしたことは
否めない。

そういう存在になろうとする想いは
立場がそうさせるのか
それとも
もともと持っているものなのか。

今もって分からない。

何れ自分のことを中心に考えて
生きていかなくてはならない時期が
訪れることになるだろう。

孤独とは別のもので
人生の卒業だと感じている。

それが上手く卒業できないと
居残りをすることになり
人生の終焉までに間に合わないことになる。

だから
今は大義を持って
公に生きることに酔いしれてみよう。

#あの時のジブン  |10

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