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自律神経と腸は密接に関係しており、腸を健康的に保つことで、自律神経を整えることが出来ます。

セロトニンと腸

腸には「セロトニン」と呼ばれる、神経伝達物質が90%も分布しており、セロトニンには自律神経を整える作用があります。

腸を健康に保つことで、「セロトニン」の分泌量を増やし、自律神経を整えることが出来ます。

また、セロトニンは「幸せホルモン」とも言われており、イライラや不安を抑制する効果もあります。

セロトニンの分泌量を増やすには

①ウォーキングなどの軽負荷の運動

②ゆっくりと良く噛む

③ゆっくりとリズミカルな呼吸

④太陽光を浴びる

などが有効です。

また、腸を健康に保つには、

①ストレッチなどの軽負荷の運動

②食物繊維や乳酸菌を摂取する

③水分を積極的に摂取する

などが有効です。

腸と情動(気持ち)の関係

海外の研究によると、骨盤底筋協調運動障害60名を対象に、ミネソタ多面的人格目録(心理検査)を実施した所便秘群では、心気症尺度(自分が重大な病気にかかっているという思い込み)抑うつ尺度、ヒステリー尺度が高かったとの報告がされています。

また、アテネ不眠スケール6点以上の不眠者の31,7%が便秘群、16,7%が非便秘群で優位に便秘群が高かった。との研究もあり、腸の機能低下による便秘と精神の不調や不眠などの関係性が明らかになっています。

また、マウスを用いた研究ではありますが、臆病マウスと積極マウス、社交的マウスと引きこもりマウス、などの行動特性でマウスを分け、腸内細菌を入れ替える研究では、無菌マウスは臆病で他者と意思疎通が少ないが、腸内細菌を与えると行動が正常化したり、積極マウスと臆病マウスの腸内細菌を交換すると積極と臆病の特性も入れ替わったりと、腸内細菌と性格との関係も明らかにされてきています。

慢性的に鼻炎に悩む女性が、抗生物質の服用後にパニック発作を起こし、強い恐怖感、動機、息切れ、破滅感などが20分程度、その後2年間にわたって、数週間ごとにパニック発作を繰り返すケースがあったそうです。

その患者は、複数の病院で診断を受けたが、症状は改善せず、最後にたどり着いたある病院にて、抗生物質の服用を中止し、ヨーグルトやキムチなどの発酵食品を食べ、プロバイオティクスのサプリを摂取するなどの、治療にてパニック発作が改善した例があり、抗生物質の摂取により、腸内細菌の多様性が崩れることで、情動の変化が生じる可能性があるかもしれません。

安定した気持ちには腸を健康的に保つことが大切です。

抗生物質と腸内細菌

風邪などで処方されることが多い抗生物質は特定の細菌だけでなく、複数の細菌を攻撃します。抗生物質にも薬剤耐性菌が増えており、問題となっています。細菌も生き物なので、投与した抗生物質に対し、生き残る菌が一定数います。抗菌薬がいろいろな菌に効果があるほど、耐性菌の活動を押さえる菌も減少してしまいます。その結果、耐性菌を押さえるものがなくなり、耐性菌が増えてしまいます。

抗生物質は20世紀のもっとも偉大な発見の一つと言われており、多くの命を救ってきましたが、ペニシリンを発見した、アレクサンダー・フレミング自身「細菌に耐性を持たせないように、使用量や使用期間には注意が必要だ。」と訴えていたそうです。

特に日本では、鼻水やのどの痛みなどの、軽い症状でも、取りあえず抗生物質を処方することが多く、その使用方法には、疑問が残ります。

※医療先進国であるドイツでは、普通の風邪の患者に対して、抗生物質が処方されることはほとんどないそうです。

抗生物質の副作用として、腸内に500~1000種類いるという常在細菌も攻撃してしまい、常在細菌の多様性や種類の変化、数の大幅な減少を引き起こしてしまいます。それにより、免疫細胞の働きに変化を及ぼし、免疫の働きが強くなることで、自己の細胞までも破壊してしまいます。

近年、1型糖尿病や関節リウマチ、バセドウ病などの自己免疫疾患が増えています。また花粉症や喘息などのアレルギー疾患も免疫機能に異常をきたしていることが原因と考えられています。

これらの疾患と抗生物質の過剰な使用との関係もゼロとは言えないでしょう。

これから、気温も下がり、体調を崩しやすい時期ですので、抗生物質はお医者さんとしっかり相談した上で、服用してみて下さい。

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