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りんご→ごりら→?

「しりとりをしよう。りんご、ごりら、らっぱ、パンツ、・・・」
と、しりとりは「ん」が着くまで続いていくわけですが、この↑上の流れは誰が定着させたものなんでしょうか?今回はそんなしりとりについての妄言を書いていきます。

 しりとりの起源は古く、源氏物語の巻名を連ねた「源氏物語文字鎖」というものに由来する。「げんじのすぐれてやさしきは」→「はかなくきえし桐壺よ」→「よそにもみえし箒木は(わ)」と巻名が続いている。
これがいつの時代のものかというのは、正確には定まっていない。「源氏物語文字鎖」の書かれた書物が複数あるからだ。国文学研究資料館の記述によれば、室町時代につくられ、江戸時代に大衆に広まったらしい。そんな昔からある言葉遊びが時代とともに移り変わり、大衆化し、言葉も増え、今日の「しりとり」に変化したのだろう。

 ここで疑問が浮かぶ。昔からあるのであれば、”りんご”の次が”ゴリラ”なのは変ではないか?もともと日本にはゴリラはいないし、”ごみ”とか”ごま”とか”御成敗式目”とかのほうが、馴染み深いではないか。それに「ら」で終わるのも度し難い。「ら」から始まる単語で日本原産の言葉は少ないのだから。”羅生門”くらいだ。しかしこれは「ん」で終わるから、しりとり不成立になってしまう。やはり日本語のしりとりで”ごりら”は非常に不可解だ。
 深く考えると非常に興味深いが簡単な答えとすれば、しりとりが幼児でも遊べる言葉遊びであるからだ。幼児が言葉を覚える段階において”ごま”や”御成敗式目”はでてこない。動物、野菜、乗り物などの名前をイラストと文字と音声で覚えていく。もちろん”ごま”は野菜だが、人参やたまねぎの方が特徴があり分かりやすく、より身近な存在であるため覚えやすい。だから”りんご”の次は”ごりら”で、その次が形と音が特徴的な”ラッパ”なのだろう。

 いかがでしょうか?今回は、少しはトリビアになりそうな内容を創ろうの企画で真面目に書いてみました。楽しんでいただけたら光栄です。余談ですが、日本語においては、「る」から始まる単語が少ないらしい(Wikipedia調べ)ので、「る」責めをするのがしりとり必勝法のようです。
私は、”りんご”の次は”ゴスロリ”で返して「り」責めをします。

参考文献
1.伊東直人, 言葉の楽しさを味わいイメージを豊かにする言葉遊び 領域「言葉」の活動と幼小連携. 鈴鹿大学・鈴鹿大学短期大学部 教職研究 2022
2.国文学研究資料館 源氏大和絵鑑, 「国文研 千年の旅」読売新聞多摩版 連載より


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