平和への鍵は「不知の知」
ganasサポーターズクラブ
(サポーター:高柳喜代子さん)
友人の投稿に8月ジャーナリズムのことが書かれていた。8月に入ると戦争や平和の報道が集中するメディアの姿勢を揶揄する言葉だ。
毎年この時期になると、紙面にも画面にも、平和という言葉が溢れる。なのに、一体いつになったら世界は平和になるのだろう。終戦記念日っていったいなんなんだろう。
「無知の知」は、言わずとしれたソクラテスの名言で、”知らないことを自覚する"という哲学概念。「知らない自分」に気づいた時、人は初めて、自分自身と向き合い、真の知への探求、いかによく生きるべきかの探求ができる。
5年前の私は、本当に何も知らなかった。
いままさに、大統領選を巡る大混乱で、激しい弾圧や情報規制にさらされているベネズエラの庶民のことも
ジェノサイドから華麗に復活したルワンダで、今もなおPTSDに苦しむ若者たちのことも
死者3万9000人のうち子どもが1万6000人も占めるというパレスチナ、ガザのことも
キリングツリーに頭を叩きつけられて、ボルポト政権に残虐に殺された、たくさんの赤ちゃんのことも
そして、ジャングルに避難して不安に過ごしたり、空爆で親を亡くして孤児院で暮らす、ミャンマーの子どもたちのことも
知らなければ、これほどまでに心が痛むこともなかったかもしれない。
でも、何も知らなかった5年前の自分より、今の私は、よりよく、より豊かに生きていると思う。
「無知」とは、知識がなく愚かなことだ。
ソクラテスが自覚したのは、自分が知らないということ(不知)。「無知」ではなく「不知」が正しいとする説もある。
「無知」こそが、差別、偏見、ヘイトを生み、平和を阻む根源、そしてそれを解決するのが「不知の知」だと、私はずっと思っている。
他の国を知ることで、自分の国についても知ることができる。
「不知の知」は、自分に向き合い、よりよく生きるために、不可欠なものだ。
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