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キャラクターを持ってなかったイラストレーターがオリジナルキャラクターを作って「カプセルトイ」化するまでにやったこと

初めましての方も、フォローしていただいている方もこんにちは。イラストレーターがみ(@gami_sです。フリーランスのイラストレーターとして児童書をメインに活動しています。

このたび、オリジナルキャラクターの「ワーキングマ」がQualiaさんから、カプセルトイ「ワーキングマ 可動式 マスコットフィギュア」として5/17にリリースされました。自身のキャラクターを作って、どうやってカプセルトイ化まで持っていったか。その流れをまとめてみました。

※この記事は途中まで無料で読むことができます。

■がみ略歴

ゲーム会社のコナミでCGデザイナー(背景チーフ)9年 |ゲーム会社のQ?でCGデザイナー4年|児童書イラストレーターフリー13年 |日本工学院でキャラクターデザインの非常勤講師 6年|柔道参段。全日本柔道連盟公認Cライセンス審判員取得。公認指導者C指導員ライセンス取得で週に3日、子供達に柔道を指導しています。
・X(旧Twitter):https://x.com/gami_s
・インスタグラム:https://www.instagram.com/gamitoys/
・公式サイト:https://gamitoys.official.ec/  (ソフビ販売サイト)


🔳ワーキングマ年表

2021年
◆2/12 ソフビ制作スタート
◆8/15 ワーキングマ【 プロトタイプモデル(グレー)】(30体限定)公式サイトにて販売完売
◆9/26 ワーキングマ【 アイテムセットカラーモデル】限定数公式サイト先行販売第一弾分完売
◆10/2 ワーキングマ【 アイテムセットカラーモデル】限定数公式サイト先行販売第二弾分完売
◆11/1 上野ヤマシロヤ二階にてワーキングマ【アイテムセットカラーモデル】販売完売
◆12/6 東京駅構内にある「VINYL TOKYO」 https://vinyl-store.jp/  にてワーキングマ販売
◆12/12 One up.さんとのコラボカラーワーキングマ / modern よもぎ(30体限定)完売
◆12/14 中国北京のショップ「PlasticPeoplecenter」にてワーキングマ取り扱い開始
◆12/18-19 香港で開催の「TOY SOUL」に「ワーキングマ」出展。ブースは「TOYSTATION (Booth A09 )」

2022年
◆1/30 メディコム1/6計画ショップコラボ/勝色 Katsu-iro【アイテムセットモデル】(30体限定)完売
◆3/5 台湾のショップ・BOX DAY GALLERYにてコラボカラー「オーロラ-極光-アイテムセットモデル」販売
◆5/13-15 中国北京のショップ「PlasticPeoplecenter」展示販売会「BPF玩具展」出展
◆5/21-22 「デザインフェスタvol.55」にてワーキングマソフビ40体完売 ◆5/26-29 台湾で開催される「TTF2022」の「BOX DAY GALLERY(B-22)」ブースにて販売
◆6/10-19 中国北京のショップ「PlasticPeoplecenter」展示販売会「BeijingSofubiCarnival」出展
◆7/3 T-BASE銀座ギャラリーにてコラボカラー「クリームソーダ」(30体限定)完売
◆8/15 ワーキングマ1周年
◆11/19「デザインフェスタvol.56」 出展
◆12/10 アートなトイ展 in 新宿マルイメンにて販売

2023年
◆2/12 ワンダーフェスティバル2023【冬】出展
◆3/10 東急ハンズによるCHAREC(@CHAREC2021)に参加。 CHAREC(キャレク)限定のスマホ壁紙3点セット販売中
◆5/20 「デザインフェスタvol.57」にて監修中のカプセルトイのサンプル展示
◆6/4  海洋堂ワンダー・トイ・コンベンション2 出展
◆7/30 ワンダーフェスティバルsummer出展
◆8/15 ワーキングマ2周年
◆10/7-10 台湾で開催される「TTF2023」出展
◆11/11 「デザインフェスタvol.58」出展

2024年
◆2/11 ワンダーフェスティバル2024 Winter出展
◆5/17 カプセルトイ「ワーキングマ 可動式 マスコットフィギュア」販売
◆5/18 「デザインフェスタvol.59」出展 カプセルトイ300個完売

🔳カプセルトイ完成までの道のり

なんとカプセルトイ化が決定したのがおよそ2年前!そこからQualiaさんに原型作っていただいて、サンプル3回出してもらって修正指示出してリリースタイミングを見て販売となりました。

🔳初打ち合わせに行ったら商品化が決まっていた

株式会社Qualiaさんの公式サイトのお問い合わせにメールからカプセルトイ化の話は進みました。普段はデザフェスなどのイベントや、X(旧Twitter)などのSNSなどでカプセルトイにするキャラを探されてるようです。
なんと初打ち合わせにQualiaさんに行ったら、商品化が決まってました(汗
ワーキングマの頭や腕をソフビと同じく動かしたいのとアイテムを着脱できるようにしたいのとカラーバリエーションを出したいなどを話し合いました。スケジュールは後半の有料記事部分「カプセルトイ完成までのスケジュール」で公開。

チャラ社長も2年前のことだし、クオリアさんは、いろんな作家さんのカプセルトイ作られてるから忘れてらっしゃるみたいだけど、持ち込み企画で制作してもらいました(笑

🔳児童書イラストレーターとしての活動

普段、児童書のイラストレーターとして活動してる僕は、児童書のカットイラストや1枚絵、企業のキャラクターなどをデザインしています。児童書イラストは、ほぼベタ塗りで制作。たまにテクスチャーを乗せて手描き風にしたり。

🔳絵柄のバリエーションの模索

12年前、新宿のFEWMANYさんで個展をやりたいと思い、オーナーさんと話し合い、その際に生まれたタッチ。それまではベタ塗りだけだったイラストに初めて水彩の塗りのタッチをデジタルで重ねて、イラストに取り入れて一般の方にも馴染めるような一枚絵を作りました。

個展「めがねを探して」

その後もそのタッチは1枚絵の宝くじのイラストなどに活かされてます。

「幸運のクーちゃんくじ」(第2433回西日本宝くじ)2023年6月5日(土)~6月20日(火)
「春一番くじ」(第2561回 関東・中部・東北自治宝くじ) 3月10日(水)~3月31日(水)
「実りの秋くじ」(第2573回 東京都宝くじ)2023年10月21日(土)~11月14日(火)
「お月見くじ」(第2543回 関東・中部・東北自治宝くじ)2020年9月9日(水)~9月22日(火)

🔳オリジナルキャラクター制作の模索とリサーチ

絵描きにとって自分のオリジナルキャラクターを何か作って売れたいと思った方は多いと思います。そこで、児童書の絵柄だとグッズ販売にはむかないので、10年くらい前からオリジナルキャラクターを作ってはデザインフェスタでグッズを作り、様子を伺ってリサーチしてました。

2014年11月8日-9日デザフェスにて、pyongami(デザイナーのpyongくんとのユニット)レトロをテーマにしたイラストグッズ。右縦2列ががみ作イラスト。3年くらい制作しました。
「ノスタルジーアニマル」シロクマ、クロクマが人気でした
2018年のデザフェスで、1人で出展することになり急遽作ったキャラクター「白黒道場」(楽器を持った白黒のクマとペンギンの物語)
ステッカーを中心に、白黒道場は海外の方や音楽をやってる方にも人気でした

白黒道場似顔絵(クマ顔はめ似顔絵を50人ほど制作)

■他のキャラクター

ロールケーキから生まれた「ロールパンダ」
4コマのアプリにもなったり、きゃらコンにてクリエイター賞受賞したキャラです

🔳オリジナルグッズを販売して気づいたこと

色々な動物キャラのグッズを作って販売してるうちに、「クマ」グッズは売れる!ということに気づきました。

「母の日は紅茶で感謝を伝えよう」紅茶パッケージング展

🔳企業のキャラクターデザインも手掛けてます

企業のキャラクターデザインも手がけさせてもらっているのですが、その中の一つ【株式会社ミラクルソリューション】ではキャラクターやアニメーションの素材なども手掛けております。キャラのサイトもあり、キャラのみらくる犬はぬいぐるみも制作していただきました。

周年ロゴ
みらくる犬3面図
会社のノベルティのバレンタイン用のパッケージをデザインしました

🔳15、6年前にできていた?ソフビのキャラクターデザイン

ソフビで何のキャラクターを作ろうか?となったときに、いくつか候補がありました。少し前まで展開していた白黒道場のクマ、15年ほど前に「One up」さんにお声がけいただき制作したコインケース。その際に描いたキャラクター「ongakuma(おんがくま)」現在は販売してません

がみだけが持ってたオリジナルカラー
4色でコラボコインケースを展開
2009年12月に開催された「帰ってきたいってん」で制作した水彩イラスト
17年前にワーキングマの元になるようなデザインはできていました。このときはマトリョーシカのようなこけしのような形のデザインでした。スタンダードの色味はこのイラストから来てます。

🔳飾るだけでは勿体無い。遊べるソフビ。ソフビに付加価値を付けよう

ソフビは観賞用。コレクター用。袋から出さずに飾って楽しむ。それだけだと面白くなく、小さい頃遊んだポピーのマジンガーZのでかいソフビみたいに「動かして遊びたい」ポーズを付けたい。アイテムを持たせたい。ロケットパンチを飛ばせたい(無理)を夢見ながら、ソフビ本体に磁石を入れて、レジン製アイテムにもネオジム磁石を入れて、取り外せるようにしてます。

■素  材:ソフトビニール
■サイズ等:高さ約9.5cm、4パーツ+レジン製アイテム2パーツ(帽子+スパナ)
■可  動:頭、両腕が360°可動可能
■パッケージ:チャック付透明NYLLスタンド袋(開閉自由)
■付属物:ナンバリング入りヘッダー
■キャラクターデザイン:がみ/gami Toys
■対象年齢:15歳以上
■製造国:MADE IN JAPAN

🔳キャラクターの表情を豊かに

コロナ禍もあり、ソフビやカプセルトイの需要が高まり、ソフビやフィギュアと一緒に写真を撮ってSNSへ投稿するのが流行りだしたので、写真を撮る際のキャラクターの目線は重要だと思ったので、普段イラストで描いてる正面の目線ではなくあえて左上を見る「欲しがる目線」を取り入れてデザインしました。口元も口角を上げる感じにデザインし、より表情を増すことができたと思います。

■キャラクターのネーミングはわかりやすく

キャラクターのネーミングは、とにかくわかりやすく、短めに。海外を意識しすぎて、横文字でカッコよく付けがちですが、それだと誰にも馴染まず、結果「クマのソフビの〜」とか「帽子のあれね〜」とか、なりがちなので、とにかく覚えやすく、言葉に出して言いやすいものが僕はベストだと考えます。僕がよく付けるのが、馴染みやすくダジャレみたいなネーミング。「ワーキング」+「クマ」=「ワーキングマ」、クッキングするクマならクッキングマ。「マフラーしてるクマなら、クマフラーとか」

🔳ソフビの展開:流行・話題性を考える(ショップ編)

2021年8月15日に「ワーキングマ【 プロトタイプモデル(グレー)】(30個限定)」を販売した次の月、な・なんと2021年9月1日、BE@RBRICKを販売しているメディコムトイさんの1/6計画(project 1/6)のショップの店長さんからコラボカラーをショップで販売したいとオファーが!2022年の1月にショップで販売するカラーを、こちらから3パターン提出し、C案を選んでいただく。30体制作し販売することに。名前はベアブリックの日本の伝統色シリーズの派生で名付けさせていただきました。

話題性を考え、JR東京駅改札内・グランスタ東京に立地する「VINYL TOKYO」「駅ナカで販売されてるの?しかも東京駅?オシャレなお店?」そんな話題性も考えて店舗にソフビを置いてもらうようショップを運営してる会社「ケンエレファント」さんにアポを取りました。2021年10月、会社にて打ち合わせ。2021年12月6日より販売開始。

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