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「指先」

砕けたコップは音と共に
中身の思い出弾き出し

飛び散る破片は心にも
刺さって深く傷つけた

砕けた破片は凶器の如く
華奢な手指も傷つけて
傷みと同時に血を垂らす

滴り落ちる赤き血は
罪深い思い出の生贄のように
尾を引き床を染めて行く

疼く指先泣く心
とめどなく流れる思いでは
無限の時を刻み

痛む指先眺める目には
いつしか侮蔑の涙が溢れ
霞む景色は陽炎に

非現実と現実の
狭間で揺れる僕の魂

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