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7月19日

セミクリーンエリア外に出られるようになったので、外来エリアにある検査施設での検査が入ってきた。

午前中、まずはCTスキャンの撮影に行った。

ずっと空気がきれいに保たれている空間にいたせいなのか、久しぶりの外来エリアはびっくりするくらい埃っぽく感じた。


午後に入り、昨日の骨髄穿刺の詳しい結果が出て、主治医の先生が説明に来てくれた。

悪性の血球が5パーセント未満まで落とせたので、第一目標の完解達成は出来たとのこと。

第2クール以降に向けての治療方針説明を、家族を交えて行うことになり、妻から両親に連絡をしてもらい、翌日の14時から行うことになった。

外部に出していた検査の結果なども踏まえて、詳しい資料を用意したうえで今後の方向性を説明してくれるらしく、不安と緊張感が押し寄せてきたのを思い出す。


この日の日記には、ミヒャエル・エンデの「モモ」を読み終えたと書いてあった。

そういえば読み終えた本を記録していたので、この日まで読んだ本を調べてみた。

ヴェニスの商人(シェイクスピア)、空飛ぶタイヤ(池井戸潤)、ある奴隷少女に起こった出来事(ハリエット・アン ジェイコブズ)、サラバ(西加奈子)、キャパへの十字架(沢木耕太郎)、弱さをさらけ出す方法(松岡修造)、大家さんと僕(矢部太郎)。

ジャンルは様々だったけど、短い間に結構読んでいた。

モモの読了後から、一言感想を書いて読書記録をつけ始めていた。

「現代の生活に対して、自分の働き方に対して、この病気になったことと合わせても、少し無理をしていたことを見つめなおすきっかけになった。忙しいって言葉、暇がないって言葉、何も素敵じゃないな。ゆっくりと、もっとていねいに暮らすことは出来ないだろうか?そう感じている。復帰するときはやり方を見つめなおすべきだな。」

児童文学とはいえ、私にはすごく響く作品だった。死がそばにある、白血病という病気になってしまったから余計に感じたのかもしれないけれど、時間に対する考え方をもっと早く見直すべきだったと思わされた。

自分の子供たちにも、なるべく早く読んでほしいけれど、どうやったら興味持ってくれるかな。

続く

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