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真面目病の人々

 いつも部屋をきれいにしていなければならない。

 朝ご飯は必ず食べなければならない。

 困っている人には手を差し延べるべきである。

 努力は必ず報われるべきだ。

 ……


 ~しなければならない
 ~でなければならない
 ~するべき
 ~であるべき

 こういうのにがんじがらめになっている人を、私は真面目病と呼んでいます。

 端から見てたらちゃんちゃらおかしいのですが、本人はいたって真面目です。

 私の妹も、自由人のように見えて、こんなどうでもいい不自由に常にがんじがらめになって生きているようです。

「休みの日だから掃除したいのに、体が動かなくてできな~い」
「今日も夕方まで寝てて、なんにもできなかった~」

 とぶちぶち言っていて、それのなにが問題なのか? と、私は妹に説教しました。

 これはですね、根本的な問題として、彼女が、

 休みの日には掃除をしなくてはいけない、とか、せっかくの持ち家なんだから常にキレイにしていなくてはいけない、とか思いこんでるせいです。
 他にも、休日なのに夕方まで寝てるのはもったいない、という思いこみもあります。

 こんな思いこみさえなければ、堂々と掃除をさぼれるし、堂々と気がすむまで一日中ごろごろ寝ていられるんですよ。

 思いこみなんか捨てて、堂々と自分の価値観で生きればいいんです。

 そうすれば、

「あ~今日もなんもできなかった~」
「掃除もできないなんて、ほんと自分だらしないな~」

 とかいう、無駄なネガティブ思考にならずにすむのに。

 ほんとうに真面目病の人は大変だな~と、はたから見ている私は思います。

 独身時代を自由に生きていた人でも、結婚したり、出産を機に真面目病を発症する人はいますね。

 主婦なんだから、母親なんだから、これからはこうでなければならない、とか言って病んでいくんですよ。

 私ですか?

 私は主婦ですけどご飯つくるのが嫌になったらすぐ外食しますし、別に夕飯だからって手作りの一汁三菜にこだわったりしませんよ。

 掃除だって、やる気があるときにやるようにしてます。

 育児ですか? まだ小学生と幼稚園児なので何とも言えませんが、子供にはなるだけ理想の母親像のようなものは見せず、リアルな一女性の生き様を見てもらえればいいなぁと思っております。
(ずぼらを取り繕うつもりはない、というのをいい感じにオブラートにくるんでみました)

 仕事も、やんなきゃいけないのかなぁ、と思った事もありましたが、今はもう、
「私には普通の会社勤めとかは向かない。だからやらない」
 と、開き直っています。

 といって働く気が一切ないのかというとそういう事でもなく、私の特技を活かして誰かの役に立ててもらってかまわないので、その分私の生活が不自由しないように、夫の収入を上げてくださいね、という風にガイドにものすごーく強くお願いしてありまして、実際現実でもそのようにして私の生活はそれなりに潤っております。

 いやいや、私のずぼら自慢がしたいわけではないんです。

 どこの誰が作ったのかわからない価値観で自分をがんじがらめにしてると、しんどいんじゃない?

 その真面目、もう病の域に達してない?

 という事が伝えたかった…

 自由になれそうでなれない人は、案外こういうとこで病んでいるんじゃないかなと思いました。

 なーんか調子が悪いとか、最近ネガティブになってる気がする…と思う人は、自分がこの真面目病にかかっていないか、ちょっとだけ振り返ってみてくださいね。


 ちなみに、真面目病ではなく、真面目教というのもありまして…

 真面目教の人は、~すべき、~であるべき、という教義を、やたら他者に布教したがるのが特徴です。

 こっちの真面目教の信者の皆さんは、この~するべき、~でなければならない、という教義を心底愛していて、その感性の中にどっぷり浸かって、ものすごく人生を楽しんでいるので、心配はいりません。

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