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きちんと怖い清水崇ユニバース?「ミンナのウタ」

プロモーションから怖そうで興味はありましたが、お盆忙しいのでスルーかな、と思っていたところ、ネットの評判も怖い一色でしたので、これは行かねばと同じくホラー好きな長女と鑑賞してきました。

GENERATIONSの10周年記念にもなっているのかな?彼ら全員が本人役で、呪いのカセットテープにまつわる事件に巻き込まれていきます。

カセットテープの送り主である「高谷さな」の造形がまず怖い。ありがちないじめられっ子かと思いきや、明らかに異質の存在感を放つ彼女。彼女の謎に迫ることが本作のあらすじなのですが、少しずつ明らかになるさなの正体と、GENERATIONS全員に迫る怪異が並行して描かれ、最後まで緊迫感が途切れませんでした。

秀逸だったのが、安易なジャンプスケアや人体破壊にほとんど頼っていない恐怖演出。冒頭30年前のカセットが見つかるシーンから、何も起きていないにも関わらず怖い、彼らが口ずさむ「さなの歌」が怖い、そして繰り返すことで異常さを感じさせる演出がとても怖かったです。

私たち親子が満場一致(二人ですが)で一番怖かったのは、中盤さなの家(廃墟)での怪現象です。恐らく過去の出来事が再現されているのでしょうが、あそこで同じ台詞を繰り返す怖さは、本当に抜群でした。

そして、本noteはネタバレ有りなので書きますが、本作でさなの弟として登場した幼児が、「としお」なのですが、雰囲気がほぼ呪怨のとしおなのですが、これは新しいユニバースなのでしょうか?本編の怖さ以外では、そこが気になってしょうがなかったです。

恐怖演出のスマートさに加え、本作、実は現在の時系列では一人も死ななかった点も、驚きかつ感心したポイントでした。GENERATIONSが本人役で登場している以上、殺してしまうわけにはいかなかったかもしれませんが、それでも周りの登場人物すら生還してしまうオチにびっくりしました。
まあ、エンドロール後のアレを見ると、無事なのかどうか?となる辺りまで含めてのお約束ですが。

とにかくも、本作はカセットテープという若い人に馴染みのないメディアを使いつつ、きちんと最新のホラーとして、音や手堅い演出で恐怖を感じさせてくれる良作だったと思います。
最近日本のホラー怖くないんだよねえ、と思ってる人は、ぜひ挑戦してほしいものです。

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