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雲海に浮かぶ竹田城跡を目指す

霧や雲が多過ぎず、少な過ぎず。
恰好の気象条件を期待しての登山


こんにちは、イラストレーターの北村ハルコです。
第八回は兵庫県北部にある、雲海に浮かぶ竹田城跡を目指す旅です。

お盆のころ兵庫県の北部に旅立ちました。雲海に浮かぶ竹田城跡を見たいのと、コウノトリに会いたいのと、高原植物に癒されたいという希望からでした。
そのうち、楽しみにしていた一つの「雲海に浮かぶ竹田城跡を見ること」は土砂降りの雨で断念。

そして…秋の雲海シーズン到来。たまたま予定が合い、雨も上がりそうで霧が出ると予想。前日に宿を予約して出発しました。
途中、丹波篠山の陶芸の郷に立ち寄り。丹波焼の陶器市を見た後、窯元を巡り、マグカップとカレーのお皿を探しました。検討して今回はお預け。陶器は気に入ったものが現れるのを待つことにしました。
道すがらあちこちで丹波の黒豆を売っていました。いままさにそのシーズンの真っ最中なのでした。

その後高速に一時間ほど乗り、翌朝に備え、雲海に浮かぶ竹田城跡が見やすいという立雲峡(りつうんきょう)の下見に行きました。皆さんここから見るのが良いとご存じで、夕方だというのにすでに停車している車が数台ありました。これは早い時間に出発しないと大変だと気が付きました。
今日は下見なので、駐車場からすぐの展望台の確認にヘッドライトを付け暗い山道に進みます。ここで道を間違えてしまったのですが、前方にシカがいました。初めて見たので嬉しくなりました。その後展望台にたどり着き、ライトアップされた竹田城跡をカメラに納めました。
宿に着くと、宿発着のバスツアーがあるとのこと。それならばとすぐに申し込みました。駐車場の心配なく朝まで眠れそうです。
宿は2回目の宿泊。世話好きの女将のあたたかい雰囲気にあふれた宿で、定食をいただきました。お刺身に茶碗蒸し、煮物、おいしくいただきました。

翌朝四時半にロビーに集まり、申し込んだ皆さんといっしょにマイクロバスで出発です。三十分ほどで到着しました。時刻は五時半で薄明るくなっていました。
運転手さんが言うには、すでに四時台に四百人から五百人が山に登っているそうです。日によって雲海が発生したりしなかったり、発生しても多すぎると見えなかったり、展望台の場所によって見えたり見えなかったりするそうで、様子を見ながら登ってくださいとの説明がありました。
展望台に私たちがいられる場所があるかなと思いながら、ヘッドライトの灯りを頼りに山登りです。四十分ほどと聞いていたのですが、軽い山登りでした。
一番高いところにある、第一展望台に到着。展望台は思っていたより広くカメラを構える余裕は十分にありました。まずは良かった。
到着したときはすでに明るく、前日の雨で結構な量の雲海がすでに広がっていました。まだ竹田城跡は見えないものの、遠くの山に近くの山が雲のあいだからひょこっと見えて、なんとなく非現実的な世界がとても面白く、ぱちぱちと写真を撮り続けました。
早朝の山の上は思っていたより寒く、カメラを構えてじっとしていると体の芯まで冷えて来るので、歩いたりして少し体を動かしながら待ちました。バスの集合時刻の七時半過ぎまで粘りましたが、結局雲海は量が多すぎて、肝心の竹田城跡は雲の中。またもや見ることは叶いませんでした。

それならば、直接行くしかないと決め、朝食後に直接竹田城跡に登ることにしました。ここも途中までしか車は使えず、最後は軽い山登り。私たち夫婦と同じ行動を取った人が多かったようで、みなさんお疲れで足が前に進まずノロノロと頂上を目指します。あんなに寒かった朝が嘘のように今度は太陽がジリジリと照り付けます。分厚い上着をリュックに押し込んで頂上へ。

竹田城跡2_2

見事な石垣が残っていました。城郭はないのに、土台部分の石垣が残っていることで想像が次々膨らみます。
石垣を積み、お城を作るのにどれだけの労力がかかったんだろうか、一体どんなお城が立っていたんだろうか。

見渡す限り、三百六十度山が見えます。すばらしいとしかいいようのない景色を目に焼き付けて下山。
車を止めた山城の郷で昼食です。唐揚げ定食で満腹になりました。さらに黒豆もなかも食べました。下山して播但線の竹田駅の周辺を歩いて、上にそびえて見える竹田城跡に別れを告げました。

【北村ハルコ・プロフィール】
○兵庫県西宮市在住。静岡県浜松市出身。
子どもの誕生後、デザインを学び始める。
メーカーでのデザイン職を10年、仕事をつづけながらイラスト塾と絵本塾に通い、雑貨を作り始め関西の雑貨店を中心に活動開始。制作した雑貨が目に留まり、ステーショナリーメーカーのステーショナリーを制作。
その後、イラストを描きたくて2015年よりフリーに。装画塾、デッサン塾などで学びつつ、商談イベント等に出展。現在は、書籍、広告、雑貨イラスト等を描いています。自主制作のZINEを店舗、イベント等で発売中。
〇自然観察とバードウォッチング、旅すること、食べることが好き。
https://kitamuraharuko.jimdofree.com/


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