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行動変化が影響「2022年、上半期売れたものランキング」

こんにちは、笠原です。早いもので今年も半分終わり、7月も終わろうとしていますね。
本日の知るギャラリー公式noteは、「2022年、上半期売れたものランキング」の記事についてです。

「インテージと言えばSRI※」というイメージをお持ちの方がいらっしゃるのではないでしょうか?

SRI+®とは、全国約6,000店舗より収集している小売店販売データで正式名称を全国小売店パネル調査といいます。
このSRIを使って、日用消費財の中で、この2022年の半年間何が特に売れたのかを振り返っていきましょう。
 
■上半期好調だった“健康系”カテゴリーは?食品の売れたものトピックス
 
図表1は2022年5月までの日用消費財カテゴリーの、前年比ランキングです。

図表1

1位となったのは、2021年の年間ランキングでも1位だったオートミールでした。昨年同時期比で245%と、今年も大幅に数字を伸ばしていますが、コロナ前の2019年と比べると販売金額は驚きの1,348%にまで達しています。
 
低カロリーで豊富に食物繊維を含むなど健康・美容の需要にこたえました。爆発的な広がりを見せたオートミールですが、日本の朝食の顔でもあったコーンフレークを昨年11月に販売金額で逆転しています(図表2)。いかに急激に日本の食卓で存在感を大きくしていったかが分かります。
 

図表2

■2022年上半期ランキングにも多く見られた「コロナの影響とその反動」
2位・検査薬は、市販のコロナの抗原検査キットなどが買われた影響で172%と大幅な伸びを見せました。7位・解熱鎮痛剤(119%)はコロナワクチンの副作用対策のほか、コロナにかかって自宅療養する時の準備としても広く買われて3年前より25%市場が拡大しています。
8位・口腔用薬(119%)と15位・鎮咳去痰剤(111%)は、感染予防のための手洗い・うがいの徹底により風邪・インフルエンザの発症が減少し、売り上げが落ち込んでいましたが、コロナ前には届かないものの復調し始めています。
 
昨年の上半期ランキングの順位を見ると(図表3)、麦芽飲料、プロテイン粉末と健康系が1位、2位で、3位に漫画・アニメのヒット関連商品が好調だった玩具メーカー菓子が入っていました。4位以降も血圧計やヘアートリートメント、テーピングなどのセルフケア需要のものが入るなど、どちらかといえば家の中での生活を充実させるものが多かった印象です。


図表3


しかし、今年はそのトレンドが一変、“人が外に出ることで売れるもの”が上位に顔を出してきました。その代表格が4位・口紅で前年比139%まで回復しています。(意外ですよね・・!)コロナ禍で口紅は、外出をしないので化粧をしない、外出してもマスクがあるのでさらにしない、という二重苦に苦しんでいました。14位・ほほべに(112%)も同様ですが、コロナへの国や生活者の対応・意識が変化して、外出が増えていくと数字を大幅に伸ばしました。

今回ご紹介したランキングで目立ったのは、外出増や巣ごもり消費の反動減といった、日常に戻りつつある生活者の動きでした。
第7波の影響も心配されますが、このような社会情勢と生活者の購買行動は密接に関係していることがわかり、、興味深いですね。
知るギャラリーでは、この後もどのような動きを見せるのか、引き続き注目していきます。
 
【SRI+®(全国小売店パネル調査)】
国内小売店パネルNo1※1 のサンプル設計数とチェーンカバレッジを誇る、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホームセンター・ディスカウントストア、ドラッグストア、専門店など全国約6,000店舗より継続的に、日々の販売情報を収集している小売店販売データです。
※SRI+では、統計的な処理を行っており、調査モニター店舗を特定できる情報は一切公開しておりません
※1 2022年6月現在