2009年マックイーンコレクション解説〜鳥が千鳥になる発想〜
鳥が「千鳥」になるって,
日本文化をマックイーンが
ドレスにした話。
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この記事では,AlexanderMcqueen(アレキサンダーマックィーン)2009年秋冬コレクションについて解説をしていきます。
鳥が千鳥になるのか,犬の歯形か?
上記のドレス,裾の方に鳥の模様があり,だんだん上に向かって千鳥格子になっているのが見えますでしょうか?
実は,英語で千鳥格子はhoundtooth(犬の噛み跡・犬の歯)と言います。
Dogtoothということもありますし,細かい千鳥格子はpuppytooth(仔犬の噛み跡)と呼ぶことから,英語圏の方にはあの模様が「犬の噛み跡」ないしは「犬の歯」に見えていることが分かります。
でも,英語圏のマックイーンはこのコレクションで,カラスが千鳥格子に変形していくようなグラフィックを出しました。
つまり,マックイーンは日本語の「千鳥」概念を知っていたと考えられます。
左は,ニューヨーク州立ガッション工科大学所蔵の外套。右はリヨン歴史染織美術館所蔵のテキスタイル。いずれも,燕が描かれており,日本の典型的なモティーフの影響を受けています。
マックイーンはこれらの影響により,「鳥が千鳥格子になる」というグラフィックを作成したと考えられます。
ヒッチコックの影響
マックイーンの没後のコレクションでは燕柄も多いのですが,2009年のグラフィックは,燕ではなくてカラスです。
これはおそらく,ヒッチコックの映画「鳥」へのオマージュと思われます。
ブレードランナーの影響
また,2009年秋冬のコレクションは,1982年の映画「ブレードランナー」からの影響も多く見られます。例えば,モデルのメイクや頭の被り物を見ていただくと類似性に気づくことができるでしょう。
リー・バウリーの影響
また,このコレクションには,リー・バウリーの影響も多くみられます。
リー・バウリーって何者?
リー・バウリーはこのビジュアルから「何者?」と思われるでしょうが,元はコンセプチュアルなブティック経営兼デザイナーでした。
(あれ,ウチの社長みたい?)
のちに,自分でデザインした服を着て,ダンスや音楽をはじめ,パフォーマーとなってカルト的人気を博しました。
(うちの社長もラジオの選曲してましたね……っていうか,DJやってましたね……)
以上,マックイーン2009年秋冬のコレクションについて解説しました。
1991/1992 ゴルチェの全身千鳥
ちなみに,全身千鳥格子は1991/1992秋冬のゴルチエにもあります。
こちらは,「ムーラン・ルージュ」と画家ロートレック,映画「フレンチ・カンカン」にインスパイアされたショーで,ムーラン・ルージュに実在した全身タイツ男のオマージュです。
加えて,全身,耳まで覆い尽くす模様とこのコートは,1933年の「透明人間」へのオマージュ。
AlexanderMcqueenのコレクション
4:00-のドレスの色違いも当店にあります。
弊社には上記のようにAlexanderMcqueenのコレクションで実際にモデルが着用した貴重なショーサンプルもございます。→弊社HPはこちら
探していた!という方,ぜひご覧ください。
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