ガリレオ解説|Winnie-the-Pooh #3
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まえがき/Introduction (2)
(13) You
この youは「一般の人」を指す用法と考えられる。
(14) can’t be in London without going to the Zoo
not/never do without doing…で「…せずに〜することはない」、すなわち「〜すれば必ず…する」の意:
(15) begin the Zoo
この場合、「動物園めぐりを始める」といった意味合い。beginが名詞句を目的語にとるとき、具体的にどのような行為の開始を表すのかに注意を要する場合がある:begin the book「本を読み始める(または書き始める)」
(16) every cage
everyは「ひとつひとつに注目しながら,最終的に集合全体を見る」という視点。以下の例で each(あくまでも個々に注目)との差異が見て取れる:
(17) WAYIN / WAYOUT
イギリス英語でそれぞれ「入口」と「出口」。(cf. entrance / exit)
(18) the nicest people
この nicestは「ある集団の中で最も niceな人」という意味ではなく、niceであることを強調する最上級の用法。このような使われ方をするのは主観的な意味を表す形容詞・副詞に限られる。
(19) the third keeper from the left
‘序数 from 基準’で「基準から数えて n番目」を表す:
(20) wander
「ぶらぶら歩く・クネクネ進む」。「動詞+様態」の意味のセットを、動詞の持つ意味を前提とし、様態の方に注目して表現するというのが英語の動詞を作る際の大きな特徴。(cf. 注(24))
(21) until
結果を導く用法。「(〜して)ついに・とうとう」の意で、前から順に訳す。
(22) out trots something brown and furry
‘(副詞: out) V: trots [S: something brown and furry]’という形で倒置が起こっている。次の文の ‘Oh, Bear!’まで、何が出て来るのかもったいぶりながら期待感を高めていく筆運び。trotとは、この場合 ‘to run fairly slowly, taking short regular steps’ (cf. LDOCE)の意味合いであろう。
(23) a happy cry of ‘Oh, Bear!’
同格の of。すなわち cry「声を上げること」の具体的な内容が ‘Oh, Bear!’であったことを表す。‘Oh, Bear!’ cried Cristopher Robin, happily. という文に相当する内容が名詞句に凝縮されていることにも注目。
(24) Christopher Robin rushes into its arms
動詞 to rushは、「移動概念 (MOVE) + 様態 (in a rush)」を基に、様態を表す in a rushの rush部分を動詞に併合することによって作られた表現:
これにより,動詞 to rushだけで「移動 (MOVE) + 様態 (MANNER)」をセットにした全体の意味が伝えられる。
(25) Now
「さて・ところで・それで」など、話を切り出す際に使う用法。
(26) , which
「カンマ+関係詞」で補足説明が導かれる。
(27) what a good name for bears it is
感嘆文:‘what a <形容詞> [名詞(句)] S V ~’ の形 (it = Winnie)。
(28) Whether Winnie is called after Pooh, or Pooh after Winnie
「プー」の後に「ウィニー」という名前が加えられたのか、「ウィニー」の後に「プー」なのか。後半は or Pooh (is called) after Winnieの意だが、文脈から共通部分は明らかであるので省略されている。
(29) we did know once,
didは「強調の do」の過去形。
英語原文はこちらから↓
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※本記事掲載の訳は、推敲の上、加筆修正を施す可能性があります。
©翻訳: Hirohito KANAZAWA
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