見出し画像

‘could have hoped for’のニュアンス

質問

TOEIC公式問題集からなのですが、

Wow, we had a lot more diners here for our restaurant's opening night than we could have hoped for.

この could haveのニュアンスがつかめないでいるのですが、これは仮定法で「私たちが期待し得うることのできた」といった感じで訳せるのでしょうか?

宜しくお願い致します。

ガリレオ流・回答

訳としては、問題集の訳例(「期待していたよりもずっと多くのお客様が…」)の通り「訳出しない」のが日本語として自然にはなると思います。

考え方ですが、もし仮に couldが用いられていなかったとしたら、

we had ~ more diners ~ than we had hoped for.
→【実際に】期待した来店客数<実際の来店客数

…という関係性が成り立ちます。(お客さんを haveした時点よりも hopeしたのが前のことなので、couldを用いなければ過去完了の大過去)

それに対し、couldが用いられると、より「【潜在的に】期待していた来店客数」のような漠然としたイメージとの比較の感じが強まるように思います。店のキャパシティ・開店前の宣伝活動・お店の周辺環境…などなどの要素を勘案して、「まぁだいたいこれくらいの客足は見込めるんじゃないかな?」と思っていたところ以上に賑わった、というニュアンスといったところでしょうか。

用法としては、仮定法と考えて良いのだろうと考えます。ただしいわゆる「過去の事実に反する云々(実際には期待しなかったが〜)」ということではなく、‘S could have hoped for’というのは、現実と期待の差を表す文脈で専ら使われる言い方です:

(1) We're seeing good solid achievements and more than we could have hoped for two years ago. [OSD]
(2) It (far) exceeds anything you could have hoped for. [研英大]
※太字はガリレオによる。

(1)のように比較級が使われていれば、「今の達成状況>2年前に期待し得た状況」とハッキリしますし、(2)でも比較級こそ使われていませんが、exceedという動詞が比較表現を担保し、「全く思いもよらないことだ」の意味となります。

どちらも場合でも、やはり couldがなければ「過去に実際に〜という期待をしたのだけど、それに比べて」という意味が如実に出てくるのに対し、could have hoped forというのは、「実際にどれくらいの期待をしたか、そもそも期待自体をしたのかはともかく、{2年前/これまで}に【漠然と】『期待するとすればこれくらい』のレベルと比べられている」というニュアンスが読み取れます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?