ガリレオ解説|Winnie-the-Pooh #4
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まえがき/Introduction (3)
(30) I had written … when Piglet looked up and said…
過去完了形 (had + 過去分詞)は「過去の基準点から更に過去を振り返った視点」。
逆に言えば、過去の基準点(本文では looked up and said)が文脈上明らかでない場合や,過去に起きた出来事を時系列に沿って述べる(振り返る視点を持たない)場合には、過去完了形は用いない:
(31) as far as
「距離の限界」を表す。この場合「冒頭からこの箇所まで」を一種の距離として捉えている。
またこの意味から、「あることが成り立つ一定範囲の限界」へと拡張したのが以下のような例:
(32) ‘So it is about Pooh,’ he squeaked.
前文の ‘Piglet […] said in his squeaky voice’を基に、発話時の声の様態を表す in his squeaky voiceの部分が動詞に併合されている (cf. 注(20, 24))。
squeakとは ‘to say something in a very high voice, especially because you are nervous or excited’ (LDOCE)の意。訳では /skwiːk/の発音の感覚を活かして「すぐ言い返す」としてみた。
(33) see
‘UNDERSTANDING IS SEEING’:「わかる=見える」というメタファーに基づいた表現。‘I don’t see your point.’「話が見えない」といった例でも同様。
(34) what it is
間接疑問文なので‘疑問詞 + S + V’の語順。ここでの itは「Pigletの言動」を受けている。
(33) Pooh is having a Grand Introduction all to himself.
状態動詞としての have(所有している)であれば進行形では使われない:
ここでは「『だいじなまえがき』を自分ひとりのために書いてもらっている」という動作が今まさに進行中であることを捉えている。(cf. The store is having a sale.「その店はセール中です。」)
英語原文はこちらから↓
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※本記事掲載の訳は、推敲の上、加筆修正を施す可能性があります。
©翻訳: Hirohito KANAZAWA
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