英語における「〜の…」の表し方: “A’s B”か “B of A”か?

Polyglotsにて生徒から

「〜の…」と言いたいときに、~’sを使うか所有の ofを使うか会話中に迷います。

という趣旨の質問をいただき回答を行いました。プレミアム購読メンバー向け機能でいただいた質問のため、個々の例に至るまでの解説全文を掲載することは避けますが、日本語ネイティヴにとって迷いやすいポイントであり、ガリレオのとっても今後同様の質問が来た時のためにまとめておきたいので、本記事では骨子の部分を紹介します。

1. A’s B: 所有格 ~’s

☆ A→B:「Aを認識の基準点とし、そこからBを捉える」
例: the bride’s father

聞き手にとっては “the bride”が認識の出発点となり、「花嫁→(その)父」というように矢印を辿って指示対象 (father)を捉えるイメージ。この場合、区別される対象は “the bridegroom’s father”ということになる。

また、矢印(→)を辿るイメージなので、連続して “the bride’s father’s cousin’s house: 花嫁の→父の→いとこの→家”のように用いることも可能。

2. B of A: 所有の of

☆ B—A: 「BとAの間に成り立つ関係性に注目」
例: the father of the bride

上の例と異なり、この場合は「父親」と「花嫁」という関係性に注目した表現となる。したがって対比されるのは、最も典型的には “the mother of the bride”となり、他の家族・親戚・友人関係なども対比の対象と言えるでしょう。

また、Bの要素(ここの例では father)が名詞句の中心をなし、of A部分がその補足説明という文法関係になるので、情報として重きを置いているのはBなのだ、という場合に選択する形ということになる。

まとめ・参考文献

以上の通り、日本語の「〜の…」に対応する英語表現は、(1) A’s B / (2) B of A の少なくとも2通りが考えられ、「どちらが正しい・間違い」というよりも、むしろ「対象をどのように捉え、どう伝えたいのか?」という側面が重要な問題である。特に【何と区別しているのか?】という視点を考慮に入れると、どちらの形を選択すれば良いか判断するための基準として役立つので、ぜひ参考にしていただきたい。

<参考文献>


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