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ガリレオ新訳・英語解説|Winnie-the_Pooh Ch.2 #1

2. ここでは、プーがラビットの家におじゃましに行って、すっかりはまってしまうよ。

CHAPTER TWO
In which Pooh goes visiting and gets into a tight place

https://www.gutenberg.org/cache/epub/67098/images/illus18.jpg
画像引用元:https://www.gutenberg.org/cache/epub/67098/images/illus18.jpg

みんなには、ウィニー・ザ・プー、または、もっと簡単にプーって名前で知られているティディベアくんは、ある日、満足げに歌いながら、森の中を歩いていました。ちょうどその朝に、ちょっとした詩ができあがったんだ。鏡の前でいつもの「ふとり体操」をしていたときにね。できるところまでグ〜ッと背伸びをながら「チャ・ラッ・ラー、チャ・ラッ・ラー」、次に前にかがんで、つま先にタッチしようとして、「チャ・ラッ・ラー、チャ・ラッ…アッ、アイタッ…ター!」って、やっていたんだよ。朝ごはんのあと、プーはひとりでなんどもなんども歌っていたから、もうすっかり覚えられたんだね。だから今、はじめから終わりまで、まちがえずにちゃんと歌っていたのさ。こんなふうにね:

チャ・ラッ・ラー、チャ・ラッ・ラー、
チャ・ラッ・ラー、チャ・ラッ・ラー、
ラム・タム・ティードゥー・ラム・タム。
ティードゥー・リィードゥー、ティードゥー・リィードゥー、
ティードゥー・リィードゥー、ティードゥー・リィードゥー、
ラム・タム・タム・ティードゥー・ラム。

さてと、プーは、この歌をひとりで歌って、「他のみんなは何をしているのかなぁ?」とか、「他のだれかになれたら、どんな気分かなぁ?」なんて考えながら、楽しそうに歩いていたんだけど、とつぜん、砂の土手のところに出くわしたんだ。そして、その土手には大きな穴があったんだよ。

 「あぁ!」とプーは言いました。(ラム・タム・ティードゥー・ラム・タム♪)「もしぼくが、なにかのなにかをわかっているとしたらね、ここに穴があるのは、ラビットがいるってことだ。それで、ラビットは『おともだち』で、」って話し続けて、「おともだちってことは、『食べもの』とか『ぼくの歌をきいてくれる』とか、そういったことだよね。ラム・タム・タム・ティードゥー・ラム♪」

https://www.gutenberg.org/cache/epub/67098/images/illus19.jpg
画像引用元:https://www.gutenberg.org/cache/epub/67098/images/illus19.jpg

Edward Bear, known to his friends as Winnie-the-Pooh, or Pooh for short, was walking through the forest one day, humming proudly to himself. He had made up a little hum that very morning, as he was doing his Stoutness Exercises in front of the glass: Tra-la-la, tra-la-la, as he stretched up as high as he could go, and then Tra-la-la, tra-la—oh, help!—la, as he tried to reach his toes. After breakfast he had said it over and over to himself until he had learnt it off by heart, and now he was humming it right through, properly. It went like this:

Tra-la-la, tra-la-la,
Tra-la-la, tra-la-la,
Rum-tum-tiddle-um-tum.
Tiddle-iddle, tiddle-iddle,
Tiddle-iddle, tiddle-iddle,
Rum-tum-tum-tiddle-um.

Well, he was humming this hum to himself, and walking along gaily, wondering what everybody else was doing, and what it felt like, being somebody else, when suddenly he came to a sandy bank, and in the bank was a large hole.

‘Aha!’ said Pooh. (Rum-tum-tiddle-um-tum.) ‘If I know anything about anything, that hole means Rabbit,’ he said, ‘and Rabbit means Company,’ he said, ‘and Company means Food and Listening-to-Me-Humming and such like. Rum-tum-tum-tiddle-um.’



goes visiting

‘go -ing’という表現において -ingの箇所に用いられる動詞は、「①身体を動かす」かつ「②楽しみ・娯楽と認識される」行為でなくてはならない:

go fishing「魚釣りに行く」
go camping「キャンプに行く」
go swimming「泳ぎに行く」
*go studying
*go working
*go meditating

参考:『英文法総覧 大改訂新版』(安井実&安井泉, 2023:17)

for short

「略して・短く言って」の意味。

humming proudly for himself

分詞構文の形で、Poohが森を通り抜けている際に同時に展開していた行為を表している。

humについては、石井 (1956)阿川 (2014)森 (2017)では「鼻歌」のように訳されているが、‘Tra-la-la, Tra la la, ...’という「歌詞」が存在していることからも、ドミニク・チータム (2003: 124-125)が指摘するように、「詩」と解釈する方が妥当と考えられる。

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