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スタバのアレはどっち?|‘some more coffee’ vs. ‘another coffee’
問題
以下の (1)-(2)は相手に追加でコーヒーを勧める表現ですが、それぞれどのような状況で用いられるでしょうか?
(1) Would you like some more coffee?
(2) Would you like another coffee?
解説
![コーヒーを注いでいる画像](https://assets.st-note.com/img/1707403511402-KULmIU2N3J.png?width=800)
(1) Would you like some more coffee?
→ 相手のカップにコーヒーを注ぎ足す。
(1)においては不可算名詞である ‘coffee’の「量」に意識が向けられている。
たとえばカフェの店員が (1)を口にするとしたら、相手は eat inで店内にいてカップに残っているコーヒーが少なくなっている客であり、おそらく店員はコーヒーポットを手に持っているという状況が想像できる。
なお、(1)にいわゆる「ぶぶ漬けでもどうどす?」の意味合いが込められ、‘Thanks, but I suppose I must go now.’「ありがとう、でもそろそろおいとましなければ。」のような返答が期待されているか否かは、時と状況による。
![Starbucks Delivers](https://assets.st-note.com/img/1707404246459-2X9BLKQB1u.jpg?width=800)
(2) Would you like another coffee?
→ 別のカップでもう1杯提供する。
(2)は ‘Would you like another cup of coffee?’と同義であり、一定の量をone - anotherの関係で「個別化」して捉えられる状況で用いる。
よって、スタバの「コーヒーの2杯目を割引で購入できるサービス」は ‘another coffee’の方に相当する(ので、客側として頼む場合は ‘Could I have another coffee?’のように言えば良い)。最近は自分のタンブラーを持参する場合もあるだろうが、そのときは ‘Could I have a refill?’と言うのが良い。
旅行英会話的には ‘Another coffee, please. / Refill, please.’でも十分だが、少なくともガリレオのロンドン留学の際の肌感覚としては、周囲でも ‘Could I ~?’くらいの丁寧さで注文をする人が多かった印象を持っている。このあたりは地域性もあると思うので、観察してみると面白いし役立つ。
ただし、この「2杯目割引」は Starbucks Japanが提供しているものらしく、確かにロンドン留学中にスタバで普通のコーヒーを頼んでも、同様のサービスはなかった。この日本のサービスは ‘One More Coffee’という名であり、これに関しては許容できる程度で Engrish in Japanと呼ぶつもりもないが、参考までに Nowコーパスでの ‘one more coffee’と ‘another coffee’の出現頻度を挙げておくと:
one more coffee → 24件
another coffee → 644件
という差があったので、自然さという意味では ‘another coffee’を推しておきたい。
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