別人のあなた！

皆さん「人は食べた物で出来ている」という
言葉をご存じですか？

あなたも私も　毎日　特に意識することなく
何か食べたり　飲んだりして生活しています

口にした物は　内蔵で消化されて　体内に吸収
され　体を形作っている古い細胞と入れ替わる
新しい細胞になる訳です

そのため人間は　何年か後には　新しい細胞
で作られた　別の人間に生まれ替わっている
とは言えないでしょうか？

　　　　★　　　　★　　　　★

私は小学校時代の同級生と　久しぶりに再会
したのですが　その時のことがとても印象
深かったので　今日はその話をさせてください

友人の名前は トモユキ君 (仮名) といいます
彼は　いつも健康的に日焼けした真っ黒な顔を
していて　面白い話が得意な　頭の良い少年
でした

そのトモユキ君とは　中学校も同じでしたが
しかしクラスや部活が別々になったことから
いつしか付き合いは　無くなっていきました

そのため思い出す彼の顔といえば　小学生の頃
の日焼けした真っ黒な顔だったのです

あれから長い年月が過ぎました

私は社会人となり　仕事で九州の福岡に転勤
していた頃　あのトモユキ君から　いきなり
メールが届いたのです

なんでも　私のメルアドを　友人の 友人から
教えて貰ったので　懐かしくて連絡をしたとの
こと

トモユキ君のメールには　今度　出張で福岡に
行くので　仕事帰りに会わないか？と書かれて
いました

田舎の小学校で机を並べた同級生二人が　遠く
離れた九州の地で　三十年ぶりに再会する！
これはもう奇跡のような話！です

もちろん私は二つ返事で　ぜひ会いたいと回答
し　その約束の７月某日になりました

約束した再会の時刻は１８時！

場所は　トモユキ君が泊まるビジネスホテルの
側にあるＹ電機の前です　有名な大型店なので
間違えることは無いと考えたのです

私はＹ電気の前に １８時少し前に 着きました

繁華街のど真ん中にあるため　お店の前の歩道
は沢山の人が行き交ってます

お店の広い入口には　待ち合わせらしい人達が
何人も立ってますが　トモユキ君と思われる人
は見当たりません！

約束の１８時になりました　まだ現れません
夕方でも暑いので　汗を拭きながら待ちます

３０分経って　１８時３０分です
背広姿のオヤジも待ち合わせらしく　私が到着
した時から  汗を拭きつつ  ずっとキョロキョロ
していますが　未だに相手は現れない様子

しかし 見知らぬオヤジと世間話してる場合でも
ないので　ここは無視して待ちます

ところで　何故スマホを使わないの？  と
思った方がいるかも知れませんね

実は … 前日　スマホの画面が　突然真っ暗に
なり使えなくなったので、スマホショップに
預けてしまいました

こうなったら　自力でトモユキ君を見つける
しかありません！

目を皿のようにしてトモユキ君らしき人物を
探しますが…

４５分経ちました　１８時４５分です
あのキョロキョロしているオヤジと何度か
目が合うのですが　その度に「あら…オタク
も待ちぼうけなんですね！」とでも言いたげな
顔で　こちらを見ている気がします …

… とその時　ちょっと挙動不審な そのオヤジが
僕の方に近づいて来るではありませんか！

そして　そのオヤジが  こう言ったのです！

「あの～　〇〇君(私の名前)じゃない？」

私はびっくりして「えっ？」と言うと …

「な～んだ　やっぱりそうか！」と笑顔で
続けたのでした

考えてみれば …私がトモユキ君と見破れ
なかった様に　彼もまた　私が小学校時代
の同級生だとは　分からなかった訳です！

お互い様と言えばそれまでですが … 彼は頭が
すっかり薄くなり　色白のメタボ体形に変貌
していたのです

とても　小学生だった頃のトモユキ君の容姿
から　このオヤジを連想することなど
できません！

ところが彼曰く …
「いや～すっかり変わっちゃったので
〇〇君とは思わなかったよ～！ 人って
変わるもんだなぁ～　あはははは…」

皆さん「人は食べた物で出来ている」のです

そして人の体は　常に新しい細胞と入れ替わり
少しずつですが　今のあなたに  そっくりな
別のあなたに入れ替わっていくのです

その入れ替わった人は　あなた自身ではあるの
ですが　あなたとは別人であるという見方も
できます

そして何より重要なのは「記憶」です！

小学生の頃の記憶は　脳みそが生まれ替わる
度にコピペされ … コピペされ … コピペされて
今のあなたが持っている記憶になります

果たしてその記憶は　昔のまま  正しく
引き継がれてきているでしょうか？

細胞は入れ替わって　小学生だった あなたは
明らかに別人になっています

その上 記憶のコピペまでが間違っていると
したら … もうあなたは　昔のあなたとは
完璧に別人だ　ということになりますね …

　　　　　…

　　　　　…

そうならないように …

お気をつけください！