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【成長路線?】表面上の好調に惑わされない

一見好調に見える業績も、内情を知ると驚かされることが往々にしてある。自社がどこを目指しているかは、まわりには見えないもの、という話

昨夜は業界の経営者、5名での少し遅い新年会。

去年の12月に久しぶりに連絡をいただいた社長から軽い食事の誘いを受けたことによる、私からのレスポンスが昨日の飲み会である。

こうしたお誘いや世間話から派生する食事や飲みの話を、社交辞令で流すこともできるだろうが、私はなるべくすぐにセッティングしてしまうことで、そうした機会ロスを減らすようにしている。

しかも、その誘ってくれた社長は業界ではちょっとした有名人で、早くから業界の流行をつかみ取り、時流に乗って会社を大きくしてきた方。この業界全体が不調に喘いでいる中、TVCMまで出す好調ぶりなのだ。

方向性は違えど、やはり先を行く人の話は興味があるし、気にかけていただけていることが何より嬉しいではないか。

そんなこともあり、その社長との共通の方をお誘いして、とある繁華街で宴会という流れになったのだ。

皆さんと対面でお会いするのは3年以上ぶり、3年前より私がやや太ったこと以外は何も変わらない様子。業界全体は不調そのものだが、皆さんのご商売は問題なしということだそうだ。

ただ、お話の中でTVCMを打ち、支店も増やしている有名社長は何やらさえない様子。ご商売はまずまず、ということらしいが、内情は少し不安な要素もあるというのだ。

有名社長の商売は一般消費者向けのビジネスモデルである。それも家の一部に特化したリフォーム商材であるゆえ、一度工事をするとリピートは発生しにくい。せいぜい、工事済みのお客様から紹介が発生する程度で、小さな商圏ではすぐに対象顧客を食いつぶしてしまう。

その上、商材の認知度が上がり、同業他社や異業種からの参入が始まったことによる競争が激化しているのだという。

この様な理由から、商圏を広げるために支店を出し、広い認知を獲得するために高額な広告費を投下してTVCMを打ったのだという。

内情を知ると、手放しに成長路線を突っ走っているというわけではなく、必要に駆られて然るべき対処をしているということがわかってくる。

どこかのタイミングでリピーターに需要があるサービスを展開し、商圏がいたずらに広がることを防がなくてはならなくなるだろう。そういった意味も理解しているからこそ、社長は今の状況をあまりよく思っていない。

にもかかわらず、支店が増えたり、TVCMなどの露出が増えるとまわりからは好調とみなされ、そのプレッシャーがたまにきつくなるそうなのだ。

危機感を感じている社長のことである、きっとそのうち打開策を講じて本質的な成長路線を走るようになるだろう。

それに比べて大した悩みもなく牧歌的な3年を送ってしまった私は、そんな社長をみて、少しだけ刺激を受けているようなのだが、その刺激もいつまで続くものなのか、今朝はさっそく本業とはまったく関係のない作業を粛々とこなしている。

私の路線はどこなのか、最近ではよくわからなくなっている私なのだ。

自身でどこに進んでいるか理解していれば、まわりの反応に影響されることはない


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