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予備軍を覚醒させるプログラムは可能か?

売上げを構成しているうちの上位数%から下のボリュームゾーンの貢献予備軍を引き上げるには、という話

本業とは別のプロジェクトにて、とある仕入先の方とオンラインで面談をさせていただいた。

急なお願いにもかかわらず、快く対応していただき大変恐縮ではあったが、現状を踏まえた業界の動向に始まり、小一時間と設定していた面談も、気がつくと2時間近く話し込んでしまった。

熱がこもったといえばそうなのだが、その中でも私の予想に反して、今のところコロナ禍による大きな売上げの影響は受けてないらしく、取引先各社においても特段目立ったような落ち込みは見られないそうだ。

業績が安定しているのは結構なことなのだが、その話の中で少し気にかかった点があった。それはその仕入先においては、ここ10年以上、全体の取引先のうち上位5社が全体の7割弱の売上げを占めているそうで、その割合に変化はないが、上位5社は数年単位で入れ替わりがあるのだという。

そして、ここ数年顕著なのが上位5社とその他の取引先に格差が広がっているらしい。おそらくパーセンテージにして、90%以上の予備軍がくすぶっているのか、それとももはや風前の灯火かはわからないが、10%に該当する上位5社ほどの取引先に依存するのはリスクが高すぎると感じた。

5社の影響力を考えたとき、あまりに独占的な数字を握られていては不利な交渉にならざるを得ないし、いつのどのタイミングで鞍替えされてしまうかわからない。

その際のリスク分散という意味でも予備軍の売上げをもう少し引き上げることを念頭に今から育てていく必要があると思うのだ。

その仕入先においても数年前からあれこれと策を講じているらしいが、その差はまったく埋まらないのが現状らしい。どんな意識改革をなせば開眼、覚醒!となるのだろうか。

仕入先の方曰く、その予備軍に多いのが、バブル景気の頃に本業の支えとなるように不動産を所有しているというタイプ。

実際にはアパートや小さなマンション程度のものであり、その不動産所得も経年劣化や少子化などの影響から維持費を払えば残りの利益は雀の涙ほどのものらしい。

本業以外の所得に頼ることで、予備軍の本業での戦闘力は手つかずのまま進化していない。そこをテコ入れするのだからなかなか大変なのだが、おそらく収益化が乏しくなる一方の不動産においては今後足かせになる可能性が高い。

修繕費すら捻出できない利回りでは維持すらおぼつかないだろう。そうなると本業のテコ入れは必須となり、その先の地獄の入り口に気がついた先から尻に火が付く、といった具合だろう。

これは脅しではなく、私ほどの素人でさえ安易に想像がつく遠くない未来なのだ。行動を起こさずとも飯を食っていけるほど日本の将来は豊かではない。であるならば、手持ちの資源を目一杯利用して、なんとか浮上するきっかけをつかむしかない。

その馬力や意識があれば予備軍を抜け出すことも夢じゃない。

まずは10年後の自社の将来を目をそらさずに直視する、ということから意識改革は始まる。現状に震えることが第一歩となる。

どこの会社においても未来永劫に安泰なんてことはありえない。気がついたところから本当の覚醒は始まる



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