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国際連合と平和への取り組み

 現在、世界には子どもでも戦争に行かなくてはならない状況が続いている国と地域が多く存在する。世界の各地において24時間体制で平和のために、持続可能な開発のために、そして人権擁護のために国際連合は働いている。(『国際連合の基礎知識 第42版』)

 さて、その国際連合の目的の一つとして、世界の平和と安全を維持することがある。国連はその創設以来、幾度となく紛争が戦争へと拡大するのを防ぎ、紛争を解決するために武力の行使に代えて交渉のテーブルにつくよう対立する当事者を説得し、紛争が始まると、その平和の回復に努めてきた。この数十年、国連は数多くの紛争を防止もしくは終結させ、和解を進めてきた。カンボジア、コロンビア、エルサルバドル、グアテマラ、ギニア、リベリア、モザンビーク、ナミビア、ネパール、シエラレオネ、タジキスタン、東ティモールへの関与がその一例である。


 国連の誕生以来、多国間軍縮と軍備規制の達成が国際平和と安全を維持する活動の中心となってきた
 また、日本人では、2017年に日本人女性として初の国連事務次長に就任した中満泉氏がいる。中満氏は、国連平和維持活動局の政策部長であった2008年に、コンゴやシリア、アフガニスタンなどの激戦地を主管し、現在も、国連事務次長として軍縮担当上級代表を務めている。

 国連は、核兵器の削減とその究極的な廃絶、化学兵器の廃棄、生物兵器禁止の強化に最大の優先度を与えてきた。しかし、政治的現実や国際情勢の変化を反映して審議や交渉の規模は変わった。国際社会は現在、過剰に供給され、かつ世界の安定を損なう小型武器の拡散の問題に、より真剣に取り組んでいる。これらの武器は社会の経済的、社会的構造を脅かし、かつ女子や子供を中心に、一般市民を殺害したり障害者にしたりする。

 アメリカにおける2001年9月11日の悲劇とそれに続く多くの国で見られたテロ攻撃は、大量破壊兵器が非国家主体の手に落ちた場合の危険がいかに大きいかをはっきりと示した。こうした懸念を反映して、2002年の国連総会は、テロリストが大量破壊兵器とその運搬手段を取得することを防止する措置について初めて決議(57/83)を採択した。
 2004年、安全保障理事会は、大量破壊兵器がとくに非国家主体へ拡散することの危険に関して初めて公式の決定を行った。国連憲章の強制措置に関する規定の下に、理事会は決議1540(2004)を採択した。それに続き、総会は「核によるテロリズムの行為の防止に関する国際条約」を採択した。
 こうして、私たちの生活している世界では軍縮が進んでいる。つまり、国際連合が平和を維持しようとしているということである。(『国際連合の基礎知識 第42版』)

 私は、日本という過去に戦争を起こした国で生活しているが、現在の日本はとても暮らしやすく、平和で、物資が豊富な「先進国」となっている。現在、紛争があって、難民が多発している国や地域も、平和で豊かな場所へと変貌する可能性そのものを奪われているわけではない。
 紛争と難民を取り巻く現実を知り、国際連合の取り組みへの理解を深めることが、そのような未来へと続く道であると信じてやまない。

〈参考資料〉

『国際連合の基礎知識 第42版』
http://www.kgup.jp/book/b377555.html

UNODA – United Nations Office for Disarmament Affairs
https://www.un.org/disarmament/

「中満泉(なかみつ・いずみ)国連軍縮担当上級代表インタビュー」(国連広報センター ブログ)
http://blog.unic.or.jp/entry/2017/09/29/172214

T.Y.(生徒編集委員・中学2年)

Photo by Mat Reding on Unsplash


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