生産性と格差

俗論ですが『日本企業は全体的に生産性が低い!ケシカラン!』みたいなことが言われます。

しかし従業員200人以上の規模の企業の生産性の高さを比較すると韓国企業と日本企業は世界トップレベルで、アメリカの大企業やドイツの大企業なんかよりもはるかに『生産性は高い』です。


逆にいうと日本と韓国は小規模企業と大企業の生産性『格差』は米国やドイツと比べると大きいので、この『生産性格差』を埋めるためにどのような対策が必要なのかを議論する方が建設的だと個人的には思うのに、何故判で押したみたく『日本は生産性が低い!』と言われてしまうのでしょうか?

これでは根本的な解決はできないと感じます。生産性が『低い』わけではなくて生産性格差が『大きい』のが問題なんですから。

ちなみに『年功序列』が日本特有の悪習みたいに言われますが年功序列じたいは欧米にもあります。問題になっているのは職能資格制度でしょう。

具体的に解決策を挙げるなら、あくまでも数字上生産性格差を縮小させたいなら、
中小企業を大企業に企業合併させれば良いです。
これで格差は確実に少なくなるでしょう。米国の生産性格差が少ないのはこれが最大の要因でしょうから。

その過程で大量のリストラが行われて失業者が増えると思いますけどwww

元々失業率が低いのは日本の特徴であり、これはある意味ワークシェアリングを自然にしていた状況でもあったわけですが、それを犠牲にしてまで生産性格差を少なくする意味があるのか?と個人的には思いますけどね。

また、日本には世界でニッチの生産物があり、それらを生産している小さな企業もたくさんあります。
『そこでしか作れないもの』を製造している中小企業が日本にはたくさんあり、当然そういうニッチな生産物を作るには職人的な技術が必要なので効率性は低くて悪い。でもそういう犠牲が前提でそういう中小企業は存在しています。それらを企業合併で潰してまで生産性格差を縮小させる意味があるの?と思います。

私はむしろ、仕事の職種で休日をフレキシブルに変更させて対応する方が企業合併をやるよりも生産性格差を縮小できると思いますけどね。
具体的に言うと飲食店は金土日は稼ぎ時なので営業しますから平日に休日を入れます。
金融機関は土日休みですが一般企業の人からすると土日に金融機関が使えないのは不便だったりする。

病院は一般人が通いやすい週末土日に休んでいるのが比較的多いです。
こういった事情を鑑みて、休日・曜日はある程度の地域や職種ごとでずらす工夫も検討すべきでしょう。

社会運動家、評論家、学識経験者、そしてマスコミは、自らの存在理由を社会に訴えたいという無意識の動機によって、何事についてもマイナス面、課題面を強調する傾向があります。これが社会の進歩の原動力の1つともなることから、こうした強調を必ずしも否定することはありません。
しかし、現実のプラス面についても正当に評価しておかないと、マイナス面を改善することによってむしろプラス面を損ない、元も子もなくなってしまう可能性が出てくるので十分に気をつけておく必要があるでしょう。

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