霞が関の官僚【終末京大生日記67】

 ついさっき、NHKのクローズアップ現代で霞が関特集をやっていた。官僚になった友達は周りにはいなかったが、学生時代に勉強ができた同級生たちはどんな大人になっていくのか私には非常に関心があった。そのため、Twitterでこの番組の予告が流れてきた時には私は家に早めに帰り、テレビの前に10分程度待機するほど楽しみにしていた。

 本番組は、官僚は夜遅くまでの残業が常態化しているかについてまとめており、非常にわかりやすかった。今回は番組の内容をさらりとまとめたうえで、今年から社会人として働くことになった私の所感でも書いていこうと思う。

 私は以前から、「官僚は国会答弁のために夜遅くまで残業をしている」という話は聞いていたが、今回この番組を見てより深い理解が得られた。いくつか紹介されていたが、私が気になった3点について簡単に述べていきたい。

 まず、「国会答弁作成」これは想定通りである。国会答弁の日程が与野党の駆け引きによりなかなか決まらず、前日に官僚が想定質問を作る羽目になることもあるそうだ。(かわいそう)これについては、完全に意味のない負担と考えられる。もしも私がこの役回りを任せられたら、「なぜ私は駆け引きのために夜中の2時まで残業しなきゃならんのだ?」と考え、真っ先に退職届を書くだろう。

 続いて、「労働基準法が適用されていないこと」。私は法律に詳しくないので、これには驚かされた。5年前から労働者は労働基準法により守られているとのことだが、なんと官僚は労働基準法の適用外で、代わりに人事院の定める規則が適用されるらしい。そして、驚くべきことに労働基準法は違反すると罰則があるのに対し、人事院の規則は違反しても罰則がないらしい。これでは官僚は働かせ放題ということになる。なんてこった。

 三番目の理由は私は想像していなかったものだった。国家公務員の人数は以前よりも減っているらしい。官僚の人数ではないがこちらのクローズアップ現在の取材ノートによると、平成初期には国家公務員は80万人程度いたらしいが、現在は28万人しかいない。人口1000人当たりの国家公務員の数はフランス23.3人、イギリス6.3人、アメリカ4.4人に対し、日本は2.9人で少なめとのことだ。官僚という点では国家公務員総合職の定員の推移も見れればよかったのだが、しっかり調査しだすと、大学の講義のように単位がくるなどの報酬がないとやってられない。今回はこの辺で勘弁。

 そして、人が減っているのに、仕事量の目安となる財政支出が増えているため、大変と解説されていた。なるほど、人に対して仕事が多いのなら、人を増やすしかないのではないかというのが正直な感想だ。

 いちおう、省庁も資料を電子化して修正しやすくするなどの対応をとっているようだが、仕事量に追いついていないらしい。


 以上が番組の主な内容だった。ここからは私の所感を書こうと思う。バブルが崩壊してから、日本では「働くことへの希望」が見いだせなくなっていると思う。バブルの時なんかはお給料をたくさんもらえて、株価も上がっていて、就活生なんかは説明会に行くだけで内定だけにはとどまらずタクシー代をもらい焼き肉が食べられたとのことだが、今はそんな世の中ではない。この前データで見たのだがこの失われた30年で日本が停滞している間に先進国の実質賃金は1.4倍に上がっていた。今計算すると、本来私は35万円から40万円の給料をもらってよいはずであり、もしも初任給でそれだけの額がもらえたのならばさぞかし仕事は楽しいだろう。しかし、私は毎月、手取り20万円ちょいで生活することを強いられている。そりゃ働くのなんて詰まんないよな。

 1/1.4の給料じゃやる気も1/1.4。京大の大学院を卒業して20万ちょいなんて馬鹿げてるよな。逆に私で20万ちょい、家賃抜けば10万ちょっとで生活しているなら、逆に大手で働いている人は子供なんて育てられるはずがない。(というか私でも今の生活水準ではムリだ)。早くこの東京から脱出しなければ。

 私は就職して以来、労働環境と安月給から「やべ、就職先間違えたか?」などと思っていたが、今日のクロ現を見るかぎりだと、間違えたのは私ではなく日本社会のほうだった。京大理系に進学するようなものは、たいていどこかのタイミングで医学部と迷うものだが、医者でさえブラックブラック言われており、やはり間違っているのは社会のほうだな。

 とにかく、この環境を変える必要がある。最近、私に夢が一つできた。それは平たく言えば「新聞社を作ること」だ。20代の若者が政治をやばいものだと思っていることは以前書いたとおりだが、私はそれを踏まえて、若者をターゲットとした新しい新聞を作りたい。「新聞」と書いたが、必ずしも紙媒体ではない。紙ではないながらも現代のウェブメディアやネットニュースとは違い現在の新聞社のような信用できる情報源を作りたい。

 というのも、新聞社のかく記事はターゲット層に合わせているのか知らないが、ちょっとご年配の方向けの書き方をしているように思える。そして、保守的だったり批判的だったり、新聞によって傾向がある。

 私は新しいメディアを作り20代のライター達や、取材を受けてくれる人が民主的という最低限の条件だけで与えて、政党や思想問わず自分はこんな政策がいいともうという考えを論破なしに表現できる場があればいいと考える。それがこの社会を変えるために私の実現したいものだ。

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