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コロナ禍での就活~学歴無用論(盛田昭夫氏ソニーファウンダー)を考える~という話。

 AERAの採用される大学特集で、人気102社のアンケートを基にすると、早稲田と慶應がやはり強かったという結果である。コロナ禍で就活イベント等リアルな接触の機会というのはほぼ全滅していたというのが、コロナ禍の就活であった。直接的な接触機会が減ると余計に一律で足切りをするのに便利なのが学歴である。なので、優秀な学生が相対的に多いというのももちろんあるが、早慶が強いというのは頷ける結果である。

 はるか昔に学歴無用論を唱えて、実際に採用活動の際に大学名を参照しない採用をした企業がある。その企業とはソニーで、提唱したのは盛田昭夫氏(ソニーファウンダー)である。言わずと知れたソニーの創業者である。実際、学歴を見ることによる先入観を排除し、人物や能力を評価するということであった。盛田氏が面接する人数は限られるだろうから、その前に膨大な数の学生がふるい落とされているのだろうけど。学歴を見るのは排除するけど、それ以外で光るものが無ければ盛田氏までたどり着けなかったのだろう。それでも、学歴を見ることを排除したのは英断だと言える。

 一時期はソニーの真似をして、学歴無用で先行する企業も増えていたが、今はリアルに会えないだけに学歴を指標にする企業も多いのだろう。

 一方、学生の意識も変化してきていて、今まではBtoCで良く名前を見聞きする企業に関心を示していたが、一般的には知名度が無いBtoB企業で優良企業を探す動きが出てきている。どんな企業であっても、安泰安全は無いのだが、より確実な一般企業でネームバリューにこだわらなければ、中小企業も含めると色々な選択肢があることに気づいてきたのだろう。例えば、大阪の東大阪市は中小零細企業が集まっているが、NASAと直取引している企業があったりする。すごく細かい部品を作る精度においては、日本の職人さんの右に出る者はいないということだろう。他にもiphoneの部品を作っていたり、戦後日本のものづくりで世界2位になったのは伊達ではないと思わせてくれる企業があったり、特色が色々あるBtoB企業がわんさかとある。

 ただ、学生がこのような企業を自力で探し出すのは至難の業で、大学のキャリアセンターには隠れ優良企業がないのか問い合わせがあったりするらしい。そもそも、知る人が知ってしまったら、隠れていないのだが。ところが、大学側にはこのような企業のストックはほぼ無いに等しい。高等学校が有名大学に進学させることが価値なのと同じで、大学は(今現在の)一流企業に就職させることが価値になるのだ。金融危機の時に山一證券や長銀が経営破綻したが、破綻するまでは一流企業だったのである。大学のキャリアセンターに頼っていたら、こういう企業と知りうるチャンスは無い。

 コロナ禍で、航空業界・旅行業界・ホテル業界等は深刻なダメージを受けている。これには、不可抗力とはいえ、小さい頃からこういう業界に進みたいと夢見ていた人には深刻な話であって、上記の話と同一には語れない。だが、その時代に当たってしまったことは不幸であるが変えることはできないので、次の夢を描くのか、初志貫徹するのかは個人の人生の選択になる。

 やはり、ある程度は自分で積極的に情報を集めないと選択できない。幸い昔と違って、今はインターネットで何でも調べることができるので、本当に自分次第でどうにでもなる時代である。

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