![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/110321553/rectangle_large_type_2_cd0e70cd06c0724b8d9d799e1a22f9b7.jpeg?width=1200)
「日本美術史」を因数分解する②
前回は「日本美術史」という学問の枠組みを考えるために、いったん「日本・美術・史」と分解して、まず「日本とは?」というところから話を始めました。
では続いて「美術とは?」です。
■「美術」とは?
「美術っていったら、そりゃアートのことでしょう」と思うかもしれません。
絵画とか、彫刻とか、具体的な作品が頭に浮かぶかもしれません。
それはもちろん間違いではないんですけど、そもそも「美術」という言葉は明治時代以前には存在しませんでした。え?と思いますか。
中国語にも日本語にも「美術」という言葉はなかったのです。
明治時代に入ると、たくさんの外国語が新たに日本に伝わり、それらが翻訳されて色々な造語が生まれました。
いま私たちが普通に使っている「社会」とか「常識」とか「恋愛」とか、そんなあれやこれやも近代に誕生した言葉なんです。へーって感じですよね。
「美術」という言葉もその一つでした。
ここから先は
1,273字
/
2画像