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質問回答集*園長・主任向け講座より

園長・主任向けの講座も回を重ねています。
"働きやすい"をテーマにした今回は、たくさんのご参加と質問をいただきました。

保育の質が、いかに"人材"によって変わるのか?
保育をより深めていくために必要なことは何なのか?
現場が回れば、それで良い。という感覚では、ギャップが生まれ続けることなどなど。盛りだくさんの講座となりました。

具体的に、どうしたらいい?の手がかりは、園の状況による所もありますが…

共通項としては
“共通の認識と知識を持つこと"
"モチベーション頼みにならないこと"
"大人にとっても心地よい環境づくり"は、必須だと考えます。
子ども中心、主体の場所だからといって、大人の生活や学びが後回しになってしまっては、安心感のある職場とは言い難いでしょう。

さてさて。
講座内でお返事できなかったご質問を、回答していきます。(ご質問は、原文のままです)

質問1:入職時の面談のポイント

自身の反省というか、感覚を辿ってみると。
園長の思いと、働く、つまりは"雇われる"という感覚に
違いがあることに納得するまでに時間がかかりました。

当然ですよね。
お給料をもらう側と、支払う側であることはもちろん…
何かあった時の責任の重さも違えば、動かすことのできる現実の大きさも違うのですから。

さらに、求職中のタイミングでは、夢や希望よりも"現実的な思考"が先に来ることは、想像に難くないです。

また、これまで仕事の中で受けてきた教育や待遇によっても、働くことや保育に対する考え方に違いがあることは当然で、"園を作る"というイメージも湧かないことも少なくないはずです。


私も、現場で園長をしていた頃は、暑苦しいほどの情熱をむき出しにしていました。
若さ故、と言えなくもないのですが…

仲間である以前に
"職場"として、安全かつ適切に機能していたか?と
いまだに首を傾げてしまいます。
一定の秩序と、公平性、わかりやすい業務分担など
保育である以前に「職場である」という前提の中で
人が育つ仕組みは必要だったな。と、省察しています。


ご質問の中に、保育が好きだ。保育でやっていきたいと思う人は残ってくれている。と記されていますね。
園・仲間・保育のことを大事に思う人たちが残るような園になっているのであれば
"とりあえず、働けたらいい"と、思って入ってきた人も
また、これまであまり職場に恵まれてこなかった人も

次第に、先生の園の良さを実感していくと思います。
その先に「保育の素晴らしさ」にもたどり着くでしょう。


保育園は、さまざまな人生のタイミングで、縁あって人が集まります。

此方の思いは「いい保育」をしていれば
時間と共に感じていただけると信じて。

まずは、日々の温かい関係性。
次に、信頼関係を土台とした、教育的な関わり。
その先に、専門性の発揮や、組織への貢献へと段階が上がっていきます。

継続的に働いてもらうことに視点を置き過ぎず
日々の保育が「安全」で「安心感」で
成り立つためには
透明性のある組織と、保育の土台を作っておくこと。

そうすれば、多少人の入れ替わりがあったとしても
保育の質は担保することができます。

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