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アウト×デラックスでの衝撃

7月15日夜、遅めのバンドでのZOOMミーティングの後作業を終えて何気なくTVをつけると『アウト×デラックス』(フジテレビ系、毎週木曜23:00~)が放送されていた。。

『アウト×デラックス』は、独特の世界観を持って生きているこだわりの人たちを招き、矢部浩之さん(ナインティナイン)、マツコ・デラックスさん、山里亮太さん(南海キャンディーズ)とアウトなトークを展開するトークバラエティであり、見るたびに世の中には色々な人がいるものだと感心したり衝撃を受けたりする10回中8回くらいは引く人が出現する番組だ(褒めてる)。

その日はお笑いコンビの『駆け抜けて軽トラ』の餅田コシヒカリさんが出演されていた。アナウンサーのカトパンさんの物まねなどで有名な方。

彼女には色々な問題がある、というテーマで話が進んでいたのだが、釘付けになってしまった瞬間があった。それは

お金に対しての考え方で問題がある。

番組風にいうとお金に関するアウトな一面が明らかになった。それは借金があるといったことなのだが、理由が

リボ払いが理解できない。

ここからスタジオにいる一般的な常識を持っている人から彼女への説明が続くのだが、これが全く理解できないのだ。凄かった。

リボ払いを理解できない人はそんなにいないとは思うが一応説明すると、リボルビング払いの略で、欧米で利用されているクレジットカードの支払方法で最近は日本のCMでもよく聞く。
リボ払いの仕組みは、毎月の支払額を一定にして金利と共に支払っていく。一括払いや分割払いは、その金額に対して回数で割るけれど、リボ払いは借入金額に関わらず一定で(スライド方式といって、ある金額を超えると毎月の支払額が増える方法もある)、高いもの買ったり、お金を多く使ったりした感覚が薄まる短期的には助かり、長期的には非常に損をするうまくできたシステムだ。

ここでの説明が本当に困難を極めていて、皆がチャレンジしても全く伝わらない。そこで最後に回ってきたのが、ボディビルダーの横川さんだ。横川さんはここ2年くらいでTVにグッと出演されている気がする方だが、天然でありそしてアウトな人だ。詳しくはいろいろ調べてみてほしい。彼が放った言葉は

「カード払いはタダだから」

これでスタジオが騒然。とりあえず先を促されると

「それでポイントがもらえる」

夢のようなシステムである。当然みんなから否定される。しかし怯まない横川さん。

「だってお金払わないでいいんですよ」

そして今まで一番納得しているコシヒカリさん。たまらず相方に説明を求めると、

「お金を借りたらお礼をしなければならないでしょ?それを続ければ続けるほどお礼の額が上がるでしょ?それが借金になるんだよ」

文面はちょっと違うかもしれないけどこのような説明をされていた。当然理解できないコシヒカリさん。

「なんでお礼をしなければならないの?」

めちゃくちゃ盛り上がっていました。マツコさんが「多重債務なくなんないわけだわ」と言ってたのが印象的でした。

ここで話を聞きながら考えていたのが、やはりこういう時考えていることを正確に言葉にできると強いな、という事です。そして俺は説明好きだから、すげえこの人たちに説明したい!と思っていました。

まず横川さんが言っていて、コシヒカリさんが同調していた、

「カード払いはタダだから」「だってお金払わないでいいんですよ」

という発言は番組内でも触れていたのですが、多分彼らが本当に言いたかったのはレジでお金、通貨を支払ないで済むからお金を使った気にならない→お金を財布から出してないから実質タダという意味なのです。(漫才とかコントのボケのような気もしますが)それに対しマツコさんが

「実際にあるお金(紙幣、硬貨)だけがお金じゃないのよ」

と突っ込んだのですが、当然理解されず笑って終わってました。今は電子マネーなどがあるからわかりやすいと思います。

さらにそこを一歩踏み込んで、彼らにもわかりやすいように頑張って言葉をかみ砕いて説明してみよう。目の前に彼らがいると思って。

お金ってそれだけだと食べられないし住めないし着れないし、価値ないよね?紙だし、ただの金属だよね。でも、色んなものと交換できるよね?例えば1ドル札もって駄菓子屋さん行っても多分モノ買えないよね。

遠い感じがするけれど多分ここから説明しないといけない気がするんですよね。要は銀行券(紙幣・通貨)はあくまで決済手段として価値がある、それを国(制度、法律、我々国民、経済活動において需要と供給など)が認めている。生まれながらにそれがあるから、当たり前のような気がする。

わかってほしいのはそのお金の価値とか、そのお金で何ができるかっていうのを決めているのが自分以外のところにある(値段はお店が決めたりしてるでしょ?という言い方かな)ことをわかってもらう。この牛丼今日は100円払います!ってできないよね?といった感じで。

つまり思惑、考えというものが自分だけではなく、色んなところにあるんだよーって話。

実はここがキモなんですが、コシヒカリさんも横川さんも基本的に全部1人称なんです。自分がこう感じる。自分がこう見える。といった事がそのまま真実に繋がる(と考えるし感じてしまう)。

リボ払い云々ではなくて、視点や感じ方が違っている。ここを説明しないと多分絶対に伝わらない。

30万円のものを50万円で買っているんですよ?得してますか?

と聞くときっと比べるものが30万と50万だけだから損していることがわかる。でもそれを「タダだ」と言い切ってしまう。なんでそんなことになるのか。これこそリボ払いを進めている人たちの思い通りなんでしょうけど。

コシヒカリさんたちは損しているけど得している人がいるんですよ、誰だと思います?

そう、貸している人たち、利息を受け取っている人たちですよね。

これに近い話が出た時にコシヒカリさんは「なんでそんなことを…」に近いコメント、横川さんは「友達に借りればいいのに」という全くこの話の流れには関係のない事を言っていました。

コシヒカリさんは利息分のもうけを見込んで貸している相手方の思惑まで思考が回らず、横川さんは「なぜ借りると利息が生まれるか」という問いの中で「じゃあ利息が生まれない方法はどうすればいいか」という今聞かれていない新しい問いを自分の中で生み出したのです。

天然の人が良く行うのですが、

①問われていること→②自分が答えやすい新しい問い→③後者の答え

②はその人の中だけで生まれているので外部の人からは
①→③に見えるのです。本人は論理的なつもりなので回りが笑ったり驚いたりすることが理解できないというとんでも構図なのですが。

世の中には色々な思惑の人がいて、リボ払いも貸している人たちが一番得をするんだよ。結局時間をかけて多くお金を払っているシステムなんだよ。30万のもの代わりに買ってあげるね。毎月1万円ずつちょうだい。内訳は6000円が返済で4000円が利息ね!(すごい暴利w)4年と2ヶ月で払い終わるよ!ちょっと長いけど毎月1万円だから安いよね!(※実際は利息制限法などでもっと低いけど、とりあえずわかりやすく大袈裟な金額にしてみました。)といって結局20万円くらい多く払わされてるのどう思う?

なんて感じでめっちゃ説明してみたかった。果たしてどんな風に反応してもらえるのかな。

そして書いてて思ったけれどリボ払いは闇が多いよね。数字が苦手な人とか、感覚で決めちゃう人からすると多重債務に陥りやすいシステム。何にどれだけお金払っているかわからなくなるから借金している感覚が薄れる。怖いなー。だから、ご利用は計画的に。




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