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【短編】海月

退院した姫野 一(ハジメ)はほんわか公園のベンチに座っていた。入院代はトリスに借りたのだ。

ポシッ!とどこかから音が聞こえる。
広場の方を見ると女性が一人で四つん這いになっている。

ポシッ!また聞こえた。
四つん這いになった女性のお尻からブラウンの塊を飛ばしてコーラの瓶を割っている。
土管の上に立てたコーラの瓶を、20メートルくらい離れた位置から見事に当てている。

ハジメは恐る恐るその女性に近づいた。
「あなたはいったいここで何をしているのですか?」

「私かい。私は人をあやめると書いて『あやめ』、腸之内あやめだよ」

「え?!ひらがなじゃん......」

「特殊能力選手権に向けて練習中なのさ」「邪魔だから下がってな!」
そうゆうと、あやめはまた四つん這いになり、人目を憚らずパンツを降ろす。パンティーではない。グンゼのパンツだ。
肛門が丸見えだ。綺麗な菊の花のような肛門だ。

ハジメはたじろぎ後ろに下がった。

ポシッ!
うんこが弾丸ライナーで飛び、コーラの瓶を割る。
ポシッ、ポシッ、タポシッ!連射も可能だ!
瓶が次々と割れる。

ハジメは恐ろしさのあまり、タバコを吸って落ち着こうとラッキーストライクを一本咥える。ライターを取ろうとジーンズのポケットを探るが、どこにもない。

「火なら貸そうか?」
いつの間にか隣に立っていた青木田文具店の店主・青木田紀土がそういうと、口からボアッと小さな炎を吐いた。
え?この人も特殊能力を使うんだ、そう思いながらその炎でハジメはラッキーストライクに火をつける。

「彼女は優勝候補だよ。狙った獲物は百発百中!あのうんこが服についただけで一週間は匂いが取れず8日目には死に至ると云う」

「し、死ぬの?」とハジメが驚く!

青木田紀土は問いには答えずに続ける。
「彼女は夏場は日がな一日、海月(クラゲ)のように海に浮かんでいる。また、冬の間はずっと冬眠するらしい」

「俺、あの人とだけは対戦したくないなあ」ハジメは震えていた。

突然、腸之内あやめがこちらに向かって来た。
「ああ、今日は良い練習が出来たわ!選手権が待ち遠しいわ」少し汗をかいている。

ハジメはある事に気付き、恐る恐る伝えた。
「あ、あやめさん、口紅が少し取れかかっていますよ」

「あら、やだ」そう言うと、あやめはポッと頬を染めた。


(ぱひゅん)


BGM


天才奇才・アヤメンジャーの伝説の作品はこちら!

2コマ目でひっくり返りました。


また今度!



#トリス外伝
#あほあほ祭り


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