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なぜリトアニア? 「風土を体現する音楽」との出会い

「なぜリトアニアが好きなの?」

様々な場面で聞かれます。 

今回は、私がリトアニアに興味を持ったきっかけについて書きます。

リトアニアについてよく目にする情報と言えば、日本と関わりのある史実「杉原千畝の功績」、重要な産業である、琥珀やリネンを使った「手仕事・工芸品」、そして地平線へ広がる森と湖が織りなす美しい自然。ちょっと踏み込むと、チョコレートなどの食品などではないでしょうか?バスケットボールが強いという事も有名かも知れません。

私は「リトアニアの何が好き?」と問われたら、迷わずこう答えます。

「 音楽 」


私はもともとドイツやイタリア、フィンランドなど中央・北欧の音楽、ジャンルで言えば、テクノやユーロ、ロック、時々カントリーや民謡なども文化の勉強として聞いていました。そして5年ほど前から、リトアニアをはじめ、バルトの国々や東欧の音楽へと興味を広げてきました。

様々な国の音楽を聴いていると、「行った事あるし、確かにこの国ならこういう音が出て来そう」「地理的にあの国の隣だから、民謡メロディも親近感あるなあ」と言った良くも悪くもステレオタイプが出来てしまうものです。

そんな中、私にとって、蓄積してきた欧州音楽への感覚を崩したのが、リトアニアのあるシンガーソングライターの曲との出会いでした。


モニカ・リンキーテ (Monika Linkytė) 


決して楽器やスタイルが新しい訳ではない。でも彼女の曲を初めて聴いた瞬間、

私がまだ踏み入れたことすらないリトアニアという地の、凛とした空気、優しさと哀愁が全身を駆け巡ったのです。

この出会いから数年後、実際にリトアニアに行く事が叶い、実際に美しい街や自然を体感した結果、その時の感覚は間違っていなかったと嬉しくなりました。

では早速、曲を紹介します。

Po Dangum  「 空の下で 」

Tiktai Tu  「 あなただけ 」

聞く人によって感じる事は様々でしょう。リトアニアを感じるかどうかも。 私が初めて聴いた時は単純にこんな感想でした。

「何だ、この大人っぽくて優しさに満ちた音楽は。。リトアニア、、行きたい!」

モニカ・リンキーテ のプロフィール

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(写真:2019年、旅行中にカウナスの小さなスーパーに立ち寄った時に買った、モニカが表紙を飾っている雑誌。)

ガルジュダイ(Gargždai)という町が出身の彼女は、10代の頃から音楽オーディション番組に登場し活躍、2015年のユーロビジョンソングコンテスト・ウィーン大会にVaidas Baumilaとデュオでリトアニア代表として出場を果たしています。また、ビルニュス大学に通いながら歌手活動を行い、その後はより専門的に音楽を学ぶためにロンドンへ留学するなどアカデミック面でも精力的に活動しています。

ジャンルとしては、エレクトロポップになるようですが、ライブではアコースティックアレンジも多く、曲調に関わらず、素朴でエレガントなテイストが魅力だと思います。

リトアニアンポップの特徴

この出会いがきっかけで、私はリトアニアの音楽へと、のめり込んでいきました。イメージをいくつか表すのであれば、

・北欧の”静”を高純度で信号に置き換えたようなシンセメロディ。

・ユーロが主軸。でも地平線の彼方でかすかに感じるアジア。

・表には出ないが、静かに燃える情熱は、イタリアにも負けない。

・日本では、秋から春にかけて聴きたくなるしっとり感。

・美術館で聴きたくなるコンテンポラリー音楽も多い。

・何よりリトアニア語が美しい!。

ここからは ”完全に個人指標” になりますが、リトアニアポップ音楽界は、アーティスト層は広く厚く、歌唱力・楽曲ともにヨーロッパ全体でも非常にハイレベル。 リトアニアの友人にこの話をしたら「恐れ多い」と謙遜していましたが、私は本気でそう思っています。

ポップ音楽で代表的な歌手を挙げるとすれば、Jazzu や Moniqué 。 TVタレントオーディションでも審査員として出演しています。  IGLĖ,  Donny Montell そしてコンポーザーの Leon Somov の音楽もプログレッシブで好きです。 もちろん昔から活躍している歌手やクラシック、ジャズやカントリー含めればまだまだ素敵なアーティストやグループが数多とあります。 是非今後も、アーティストに焦点を当てた文を書いていきたいと思っています。 

まとめ

今回は、私がリトアニア音楽を好きになったきっかけ、モニカ・リンキーテの音楽との出会い。そしてリトアニア音楽の特徴をまとめてみました。 

ヨーロッパの様々な要素がベースにありながら、地理・言語的にメロディはユニークで、情熱・哀愁と優しさがモダンに表現されているという、まとめようにも情報量が多い素敵な音楽たち。

今後も素敵な音楽が生み出されていく事に期待しながら、一旦括らせて頂こうと思います。


次回(仮): 90年代リトアニア音楽とカセットテープ


当然ながら現代の音楽を知れば、昔の音楽も興味が出てくるもの。結果から言えば、私は見事にリトアニアの90年代セミクラシック音楽へと引き込まれて行いきました。

1990年代初頭、ソビエト連邦からの独立を果たしたリトアニアで起こった音楽のビッグバン。 現代のリトアニアンポップの礎を作ったエネルギーは今なお、色鮮やかに私たちを楽しませていると思います。 

次回リトアニアについて書くときはこのテーマについて書いていきたいと思います。


付録。

描いてみたモニカのファンアート。(鉛筆_2019) 似てるかな? 

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記事トップ画はヴィルニュスの音楽店 ”Muzikumas”。 店主さん優しかった。

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では今回は失礼します。 

お読みいただきありがとうございました。 

Ačiū labai!!!