対話が成立しない国
宮台真司氏が暴漢に襲われ、首などを切られたとのこと。
犯人はまだ捕まっていません。事件についての無責任な憶測は控えます。早く元気になって欲しいです。
私が、宮台氏を初めて知ったのは、平成8年ごろです。『終わりなき日常を生きろ』という彼の本が、話題になっていました。
彼は、新進気鋭の社会学者という触れ込みで、テレビの討論番組やニュースショーのコメンテータとして、当時よく見かけました。例えば、平成9年に発生した神戸連続児童殺傷事件をめぐって、西部邁氏と口喧嘩になり、西部氏が激怒して退出するというハプニングがありました。私もその様子をテレビで見ていました。プロレスが討論番組に変わっただけだと感じ、しらけた記憶があります。その様子を動画で見つけました。
改めて動画を見ると、宮台氏はオウム真理教の上祐史浩や安倍晋三氏とそっくりの早口で自説を一方的にまくし立てています。とうとう最後には、西部氏の人格を否定する言葉まで浴びせています。堪らず西部氏が退席すると、宮台氏はニンマリと笑顔に。俺は西部を論破したという感じで勝ち誇っています。それにしても、これが討論と呼べる代物なのでしょうか。自説の勝ち負けを決めることが討論の目的であるかのように日本人を洗脳した田原総一朗という御仁の罪深さは重大です。
つくづく思いました。
宮台氏は、他人を尊重して対等に話し合うことができないお人だ。
そして、他人を見下し、馬鹿にすることだけでしか、自分を肯定することができない寂しい人なのかもしれない、と。
なぜ、そう思ったのか?
宮台氏は、ツイッターで一般人相手に、今でも激しい罵倒の言葉を浴びせつけているからです。西部邁氏が一般人に変わっただけだと思いませんか?
私が宮台氏に感じる疑問がひとつあります。
くっくっくとか究極の頓馬といった嘲笑・罵倒語を多用したがる宮台真司という人の深層心理です。
社会学博士で日本有数の論客であるはずの宮台氏が、どうしてここまで他人を見下したがるのでしょうか?
わざと戦略的にやっているという人もいます。
私にはそう思えません。
ところで、他人を見下したり馬鹿にする日本人が、現在とても多いと思いませんか?
日本社会や日本人が完全に分断されている証拠ではないでしょうか。
ここで、自省の意味も含めて、サマセット・ モームの『サミング・アップ』の一節を紹介します。モームの厳しい指摘に、思い当たる日本人は多いのではないでしょうか。私も含めてですが。
次の3つはこころあたりのある方が多いと思いますよ。
モームのこの3つの指摘。宮台氏はどのように思うのでしょうか?是非とも聞いてみたいです。
頓馬・くっくっくと宮台氏が嘲笑するなら、モームの指摘が正論だからでしょう。
サマセット・モームの忠告にみなさんも耳を傾けてみませんか。
余計な話ですが、宮台氏はどうして学者になったのでしょうか?そして、彼にとって社会学の研究をすることは、自分の存在や生存をかけて追及するだけの素晴らしい価値があったのでしょうか?援助交際やテレクラの研究をしていると宮台氏は昔公言していました。どうしてそういう研究をしているのか、私にはさっぱり理解できなかった記憶があります。
2023/2/2 追記
宮台氏を襲ったと見られる容疑者がすでに自殺していたそうです。
ご本人も言っていますが、釈然としませんね。
それから、宮台氏と何回も対談した評論家の鈴木邦男さんが亡くなられたとのこと。討論番組での宮台氏とは対極なフェアな姿勢に大いに感銘を受けたものです。対話のあるべき姿を鈴木さんは私に教えてくれました。ご冥福をお祈り申し上げます。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?