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サーキュラーエコノミーとは?先進的な日本企業を3社紹介します

深刻化する環境問題の対策として、最近注目を集めている考え方が「サーキュラーエコノミー」です。

日本語にすると「循環型経済」なので、なんとなくイメージはできるかもしれません。

今回は、ゴミという概念をなくし、新たな資源を生み出すサーキュラーエコノミーについて、丁寧に解説していきます。

サーキュラーエコノミーとは?

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サーキュラーエコノミーとは、「原材料→製造→消費→廃棄」という直線的プロセスをたどっていた従来のリニアエコノミーに代わる、廃棄物ゼロを目指す循環型の経済のことです。

リデュース(ゴミの発生を減らす)・リユース(再利用する)・リサイクル(再資源化する)の3R活動が中心のリユースエコノミーと違うのは、廃棄されてからのことを考えるのではなく、製品を作る段階から廃棄物が出ないように設計するという点。

近年はシェアリングやサブスクリプションといったビジネスモデルが流行しており、サーキュラーエコノミーの実現に向けて時代が動いていると言えるでしょう。

サーキュラーエコノミーの5つのビジネスモデル

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世界最大級のコンサルティングファーム「アクセンチュア」が120社以上の企業を分析し、導き出したサーキュラーエコノミーの5つのビジネスモデルを紹介します。

①再生型サプライ
繰り返し再生し続ける100%再生/リサイクルが可能な、あるいは生物分解が可能な原材料を用いる。

②回収とリサイクル
これまで廃棄物と見なされてきたあらゆるものを、他の用途に活用することを前提とした生産/消費システムを構築する。

③製品寿命の延長
製品を回収し保守と改良することで、寿命を延長し新たな価値を付与する。

④シェアリング・プラットフォーム

Airbnb(エアビーアンドビー)やLyft(リフト)のようなビジネス・モデル。使用していない製品の貸し借り、共有、交換によって、より効率的な製品/サービスの利用を可能にする。

⑤サービスとしての製品
製品/サービスを利用した分だけ支払うモデル。 どれだけの量を販売するかよりも、顧客への製品/サービスの提供がもたらす成果を重視する。

注目してほしいのは④シェアリング・プラットフォームです。

サーキュラーエコノミーで扱われるのは"モノ"だけではなく、使われていない"空間"にも価値を持たせるのです。

何気ない日常の風景が宝の山に見えてきて、無限の可能性を感じますね。

サーキュラーエコノミーに取り組む日本企業3社

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環境省が公表している資料をもとに、積極的にサーキュラーエコノミーに取り組んでいる日本企業を3社紹介します。

①花王

花王は2018年10月に「私たちのプラスチック包装容器宣言」を公表し、Reduce(減らす)・Reuse(再利用する)・Recycle(リサイクルする)・Replace(置き換える)の4Rの観点からサーキュラーエコノミーの実現に向けて取り組みを進めています。

家庭用品類における使い切りタイプの製品の8割をつめかえ用に変えることで、プラスチック総使用量の70%削減に成功。

近年は、プラスチック容器の完全リサイクル化を目指し、薄いフィルムを浮き輪のように膨らませて使える新型容器を開発しました。

②トヨタ自動車

トヨタ自動車は2015年10月に「トヨタ環境チャレンジ2050」を公表し、「CO2ゼロ」と「プラスの社会」を目指して取り組みを進めています。

2030年までに電池回収~再資源化までのグローバルな仕組みを構築するとともに、廃車適正処理のモデル施設を30か所に設置することを目標としています。

また2019年にはシェアリングエコノミーの企業であるUberへの出資も行いました。

現在は「EVの森」づくりと称して、電気自動車を気軽に誰もがシェアできる社会を実現しようとしています。

③セブン&アイ・ホールディングス

セブン&アイ・ホールディングスは2019年5月に「GREEN CHALLENGE 2050」を公表し、「CO2 排出量削減」「プラスチック対策」「食品ロス・
食品リサイクル対策」「持続可能な調達」の 4 つのテーマで取り組みを進めています。

環境省が推奨する「CEチャレンジ(サーキュラーエコノミーチャレンジ)」の参加企業にも選定されており、ペットボトル自動回収機を店頭に設置したり、環境にやさしいバイオマスポリエチレンを使用したレジ袋を推奨したりして積極的に活動しています。

サーキュラーエコノミーまとめ

今回はサーキュラーエコノミーという概念について解説しました。

実現するためには業界を超えて協力していく必要があるので、多くの人が共通の意識をもって連携していかなければなりません。

みなさんも一緒に学び、できることから行動していきましょう。


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