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マイクロプラスチックとは?悪影響と使用されている日用品まとめ

近年、世界各国でレジ袋の有料化やプラスチックストローの制限が進み、対策が急がれている海洋プラスチック問題。

このままでは、2050年までに海洋ゴミの量が魚より多くなるとする予測もあります。

今回は、プラスチックゴミの中でも回収が困難で、特に問題視されている「マイクロプラスチック」について解説していきます。

マイクロプラスチックとは?

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マイクロプラスチックとは大きさが5mm以下のプラスチックのことで、一次マイクロプラスチックと二次マイクロプラスチックがあります。

一次マイクロプラスチックは、プラスチック製品を製造するための原料として使われるレジンペットや、歯磨き粉・化粧品・ボディーソープなどに使用されているマイクロビーズなど、元からマイクロサイズで製造されたプラスチックです。

二次マイクロプラスチックは、大きいプラスチックが自然環境中で長い時間をかけて劣化し、細かく分解されたものです。雨風によって排水溝や河川に運ばれて海へと流出し、太陽の紫外線や波の作用によってもろく小さくなっていきます。

マイクロプラスチックがもたらす悪影響

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マイクロプラスチックは、その小ささゆえにプランクトンまでもが餌と間違えて食べてしまうため、食物連鎖の過程で体内に蓄積されていきます。プラスチックを誤飲してしまうと、海鳥は消化管が詰まって呼吸できなくなり、カメは体内でガスが発生してうまく泳げなくなってしまうのです。

最近は、こうした物理的な被害だけでなく、科学的な被害が発生していることも明らかになってきました。

プラスチックに使用されている添加物には有害とされるものがあり、マイクロプラスチックは汚染物質を吸収しやすい性質があります。海を漂う間に有害物質をまとい、生物の体内に運び込んでしまいます。

マイクロプラスチックが使用されている日用品

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先述したとおり、マイクロプラスチックは歯磨き粉・化粧品・ボディーソープといった日用品に使用されています。肌の古い角質を取り除く目的で「スクラブ剤」というプラスチックが配合されているのです。

あまりに小さいため、下水処理を通り抜けて海へ流れ出てしまうものもあります。

今後はスクラブ剤の使用を減らし、発展途上国のインフラを整えていく必要があるでしょう。

マイクロプラスチック問題に対する企業の対応

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マイクロプラスチックが含まれる日用品を扱っている企業は、独自で対策を進めているところも多いです。その中でも有名な5社を紹介します。

マンダム

マンダムグループでは、過去にマイクロプラスチックを使用していましたが、2017年末までに洗顔料に配合しているマイクロプラスチックビーズを代替する方針を定め、2017年度に代替原料化を完了しています。

資生堂

資生堂では、2018年以来、洗い流すタイプの製品でマイクロプラスチックビーズを使用していません。

花王

花王では、2016年末に過去に使用していたマイクロプラスチックビーズの代替素材への切り替えを完了しており、現在、生産及び出荷しているすべての洗顔料、ボディーソープ、歯磨き粉には使用していません。

カネボウ

カネボウ化粧品では、ごく一部の洗い流すタイプへの化粧品に、マイクロプラスチックビーズを使用していましたが、2016年末までにすべて代替素材に置き換えました。

コーセー

コーセーグループでは、2014年度に開発の新しい洗浄料からマイクロプラスチックビーズの配合を中止し、環境負荷の低い植物性原料などに置き換えるなどの対応を行いました。2018年1月以降は、マイクロプラスチックビーズを含む洗浄料の国内外への出荷を一切行っておりません。

マイクロプラスチックまとめ

今回はマイクロプラスチックについてまとめました。

人体へ及ぼす影響に関しては未知数ですが、今のうちから対策を進めておかなければ手遅れになる可能性が高いです。

消費者から少しづつ意識を変えていきましょう!


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