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落合陽一さんと話して、やり「たい」で終わる人を思った話

9/1、久しぶりに京都に行きました。
昨日に続き、敬愛する落合陽一さんのライカ写真展レセプション京都版にもお招きいただき…ライカ営業部長の方、お気遣い本当にありがとうございました😊

祇園側から見た鴨川の夜風景

京都ではライカ展が終わった後、落合さんがステージに立たれる予定の、夜スタートのライブにもお邪魔する予定でした。夜までは時間があるのでライカ展でまったりとしていたら閉店時間に。お邪魔しましたー…とお店を出るタイミングで、落合陽一さん御一行も退店。なんと、そのまま落合さんと雑談しながら祇園の街を練り歩くという若干カオスな時間が(笑)

貴重にして豊かなひと時を楽しみました✨
その時、ふと

「やりたいんですよー」とか言う人は、
なぜやり「たい」に留めるのか?

みたいな話になったんですよ。
落合さんはサラッと「やりたいとか言っている前にやるからね、やる人は」と、至極尤もにして、多くの人には難しく感じるであろう見解を述べておられました。

そして次の日の夜。

示唆的なツイートです

僕は教育にずっと興味が尽きない人間なので、教育の視点で少し考えを綴りたくなりました。ので、僕なりに感じたこと・考えをここに。

【諦めの自由と制約】

僕は前職で、中学受験・高校受験の指導を通じて、沢山の「人生の分岐」に少なからず関わってきました。沢山の成功らしきものや、失敗らしきものを目の当たりにしてきました。勿論、沢山の「諦める」に向き合うことも。

振り返って改めて感じること2つ。
1つは「諦める」ことの重要性。
もう1つは「諦める」は、2つの異なる道があるということ。

1つ目について。
僕たちが暮らす社会は、常に「頑張れ」というメッセージで溢れている気がします。ポジティブであること・前向きであることは決して悪いことではありません。だがしかし、諦めることで更なるポジティブ、行動が生まれることもあるのだ、というメッセージはまだまだ少ない。何かを諦める瞬間、それは新たな選択肢を生む機会にもなると考えると、諦めることで、そのエネルギーを他の価値ある場所に投資できることになります。
例えば、不得意な数学を諦めて文学に打ち込む。この諦めという行為が、実は自由と多様性を生む糧になることは、多くの方が「理屈では」理解できている重要なことなのだと思います。
こう考えられる人の「諦める」には、極めて重要なパワーが眠っている訳です✨

2つ目の話。
「諦める」の道は二又に分かれていて、その一方は上記1つ目の道とは異なり「何もしない、やること自体を放棄する」道となっています。こっちが厄介で、多くの人は無意識でこっちを考えちゃう。
この諦めは、可能性を狭め、自己成長を妨げるリスクがあります。言わずもがな、何もしなければ新しい経験や学びが得られないからです。

この2つの諦めが混在する現代社会で、どっちを選ぶかで人生は大分変わる気がします。だからこそ、どっちの諦めを選ぶかは非常に重要です。特にこの選択は、不連続な変化が激しい世界線で、人生に大きな影響を与える気がしています。その理由は、不連続な変化がある世界では、既存ルールも個人の得意不得意も、明日にはガラッと変わる可能性があるから。見渡せばその例は、既に山ほどありますよね?
諦めの二面性を認識し、その選択が生む結果もそれぞれ異なることを理解し、賢い「諦め」をすることで、より豊かな人生を築くことができる時代に入ってきたと言えそうです。

【努力より確率、確率より回数】

「頑張っても確率は味方にならない」というのは現実です。でも、これらは「回数」を掛け合わせることで視界が変わる。これも言われてみれば…となる方は多いのではないかと思います。
個人的には落合さんの「努力が効くことはない」は言い過ぎな気ましますが😅、努力が報われることはない…というのは、ある側面では同意です。この過去記事に頑張ることについての僕なりの見解を、経験と共に綴っています。

一回の努力で成功しなくても、その経験が次に生きる。乱数の法則に基づけば、何度も挑戦すれば成功する確率は高まる。数学的には大数の法則とかでも証明されていますかね?過去記事にも「挑戦と失敗の新しいスタンダード」として書いていました。

回数を味方につけ、確率に対する視点を変えることで、生き方は相当ポジティブになるなーと思います。だからこそ、本当に大切なことは一度や二度や三度四度…の失敗くらいでは、へこたれることが1ミリもない精神状態を作るのことが、実は何より大切なのかもしれません。


【 「うまく行く」って?〜人生の価値観と期待値】

ただ、上に書いたことに関して注意点が1つ。
これも使い古された思想・思考な気がしますが、「うまく行く」この言葉の問題点は、成功が一面的に描かれがちであること。これです。この一面的な部分に縛られすぎちゃうから、失敗らしき何かに足を引っ張られて上手く動けなくなってしまう。
成功には多様な尺度や視点があるにも関わらず、多くの人が社会的に認められた一つの形に固執しています。もっと多様な生き方を!とか、皆んな違って皆んな良い!とか言われている中で、それでも一面的な解釈に縛られている人は、相も変わらず大変多いのです。

一面的な解釈に縛られることがダメというよりは、一面的な解釈の無意識の影響力が大変大きく、そこには作法や法則が働いていることをきちんと認識・理解していないことが危険。その影響力を理解した上で、どのようなスタンスを取るか?ここに意識を向けられることが大切なのだと思います。

何が「うまく行く」なのかは、人それぞれの価値観によるはずなのです。これに気づいた瞬間、人は自分自身の期待値を自由に設定できるようになるはずなのですが…。

【巡り合わせと運で人生の質は変わるのか?】

人生の質とは何か?についても考えてみます。
人生の質は良い巡り合わせや運によって決まる部分も多い。そう言われれば確かに。でも、本当にそれだけかというと、それが全てではないですよね?

客観的に見て運が悪くても、その状況をどう生かすかをしっかり考え実践に変えている人は、やはり一味も二味も違う人生を歩いているように、僕には見えるのです。
運や巡り合わせはコントロール不可能な側面も多いですが、その中でどれだけ「生きている」を感じられるか。それが真に重要なのだろうな、としみじみ感じることが増えました。それこそ落合陽一さんを身近で見ていると、或いは少し話してみると、それを感じることが幾度もあります。

で、落合陽一さんは本当に人に対する巡り合わせに深い思慮がある方だな、と思うのです。人に対する寛容さ、感謝と愛情を感じる訳です。「人に興味が無い」などとも書いておられて、確かにそういう部分もあるのだろうな…と思いつつ、人類に対する愛情は極めて深い、みたいな。

多くの人は「巡り合わせ」や「運」を運命のようなものと考えがちですが、その解釈次第で事態は大きく変わります。良い巡り合わせがあった場合、それを「運がいい」と解釈するか、「巡り合わせが良かった」と解釈するか?

「運がいい」と考えると、運に依存する姿勢が増えがちです。結果、行動はさほどに変わらない。一方で「巡り合わせが良かった」と考えると、次にどう行動するかに対する意識が高まります。巡り合わせは他者にも影響を与え合うので、行動によって相手にはまた違う印象を与えることになる。「運」と「巡り合わせ」の違いは微妙ですが、将来的な成功成長に大きな影響を与える要素となり得ると思うのです。

良い運や巡り合わせを引き寄せるコツとして有名なのは「ポジティブなマインドセット」ですが…これもどこかで見聞きしたこと、ありますよね(笑)。
いわゆる「引き寄せの法則」っていうやつです。

もう一つ多くの人の「わかっちゃいるけどできてない」は、やはり「行動する勇気」なのでしょう。何もしなければ、新しい巡り合わせも生まれません。行動が先行することで、運も後からついてくるものという思考もありますよね?

自分に対する、自分なりの期待値を待つ。
そしたらそこに向けて行動し、取り巻く環境とコミュニティを観察する。そしてまた行動し、自分自身への期待値に問うてみる…この繰り返しによってのみ、不連続に変化する時代において、感動と幸せを感じられるのだと思います。

【喜びと豊かさに生きるには】

さて。
やり「たい」に留めているものがある方。

それはなぜなのでしょうね?
ここまで綴った中で、いくつかヒントがありそうです。

▪️新しい自分、喜びに溢れた自分になるための投資判断ができていない
▪️自分なりの成長期待値が無い
▪️一般論の成功失敗、勝ち負けに意識が向きすぎ
▪️理屈が先行しがち(要は大してやりたくはない)

これでもまだ難しい感じがしますが、要は「言うほどやりたいこと・やるべきことに、驚くほど多くの人は出会っていないし試してもいない」ということなのです。ベタですが、「いつかやりたいねー」と言っているのは、大してやりたいとは思っていないのでしょうね。或いは、やった時の周囲の反応が気になって仕方ない(笑)

おそらくどこかしこで何度も語られてきたテーマなのに、このnoteを書こうと思った理由は、このテーマがほぼ全ての人類にとってリアリティを持った課題として眼前に出てきてしまったから、というのがあります。多くの人はまだ気づいていませんが。

ちなみに。

このnoteのTOP画像は落合さんの作品で、ガンプラの残りカスで作った茶室というコンセプトなのですが、中央には「明鏡止水」と綴られています。

一度情報や思考や感情を脇に置いて、空っぽの状態で自分と向き合って見る。曇りない自分を客観視することで見えてくる「何か」に、喜びと豊かさのキーワードが眠っているかもしれませんね✨

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