「幸せの教育」に欠かせないものを考えた話
最近、学友からイベントの紹介されたんですよ。
で、この初日のプログラムの中で、
「幸せ」に生きるための教育とは?
なるテーマでシンポジウムが開かれるみたいなんですよね。
プログラム詳細はこんな感じ。
なるほどなぁ・・・。
「日本の子供の精神的幸福度の世界ランキングは最下位から2番目です」
とか書かれると、そりゃ心配にもなりますよね😂
ということで、僕自身の経験や教え子との思い出から、「ちびっ子達が幸せをを感じるメカニズムとは?」という問いについて思うことを綴ります。
【ぼくらの七日間戦争と席替えの思い出】
僕が小学生〜中学生の頃かな?「ぼくらの七日間戦争」ていう映画があったんですよ。今でもリメイク版が出ていますがストーリーがだいぶ変わっていますね。僕がここで紹介したいのは1988年版ですね。宮沢りえ初主演のやつだったかな?
今の学校からは考えられないような設定ですが、僕の小学校時代を思い出すと、あながち誇張表現でもないと思います。映画のストーリーをめちゃくちゃ端折ってポイントを書き出すとこんな感じ。
①大人や先生が子供・生徒の言うこと全然聞いてくれない
②だったら言うこと聞いてくれるまで徹底抗戦!
③何やかんやあったけど、子供にはそれなりの言い分があるんやで?
ざっくりし過ぎですが(笑)、だいたいこんな感じ。当時僕はそんなに抑圧された学校生活ではなかったですが、それでもクラスによってはひどいもので、だからこそこの手の映画をワクワクしながら見ていた記憶があります。
で、僕自身も小5とか小6の時、クラスで団結して担任の先生に迫るわけです。
席替え交渉を😂
小中学生時代の席替えって結構重要じゃなかったですか?
いろんな思い出にも関わる重要なイベントなわけですw
で、明らかに通常のタイミングでない時期に皆んなで先生に交渉したんですよ。「今席替えしてくれ」と。「次の5時間目を潰して席替えしましょう!」と。
当時の時代感からしてまあまあ無茶苦茶です。
でも、それを許してくれそうな?先生だったような。怖かったですがw
最後はクラス全員で大席替えコールです😂
先生のYesが出るまでコールが止まない。
無事に可決された時の歓声たるや・・・
【意見することの大切さ。生徒面談の思い出。】
僕がなぜ突然上の思い出話をしたか?それは、この朝日地球会議の元ネタになっているユニセフのレポートを見てふと思い出したことがあったからです。
レポートカード16の27ページに登場するコラム。
簡単に言えば「参加させる」「意見を言わせる」これが大人になる上でも、幸福度を上げるためにも大切ですよね、と。
そういえば、僕は前職の塾講師時代に学年主任をしていた時、生徒面談は学期に1回以上必ず実施していましたし、すごく重要視もしていました。特に僕が直接担当していたクラスは全員月1回は生徒面談を実施していたと思います。中学生はもちろんですが、小学生であっても結構な頻度でしていました。
しかも僕の面談は結構特徴的だったんだろうな・・・と振り返って思うのです。僕からの指示や依頼は基本ありません。
「〇〇くん(さん)はどうしたいの?」
「なんで□□したいと思ったの?」
「今の自分に、自分で点数をつけるならどれくらいかね?」
・・・改めて文字にすると結構ひどいですね。
どっかの会社みたい😂
正直な話、当時は僕も全く手探りで生徒面談を繰り返していたと思います。経験も実績もない僕が、それでも生徒の皆んなと最適解を探そうと必死でもがいた結果。それが「対等に対話を重ねていく」「指導者が答えを出さない」「ライバルはあくまで自分に設定する」「指示ではなく期待と思いを添えるだけ」などなどの考え方に基づく生徒面談だったなぁ・・・と、振り返って思うのです。
最初は生徒の皆さんもうまく答えられません。中には冷や汗をかいて黙ってしまう生徒もいました。ソガ先生に面談してもらうと緊張で吐き気がする・・・とか😂まあ緊張しますよね、わかります。でも決して怒ることなく、押し付けることもなく対話を重ねていくと、不思議と行動や発言が変わる子が多かったのです。
中には面談に来るとひたすら泣くだけの女子もいました。ただただ泣いているので、よほど面談が怖いのかな、面談この子だけやめた方が良いのかな・・・とか思っていたら、この生徒のお母様との面談時に感謝されました。
お母様「先生、うちの子全然喋らずに泣いてばかりかもだけど、学校でも気を張っていて、家でもお姉ちゃんとして振る舞っているから張り詰めているみたいで。先生の前では泣けるんですって。なので、これに懲りず、これからもたまにうちの子を面談に呼んで説法してやってください」
いや、説法って・・・😅
もちろん対等な対話なので、僕自身が生徒に指摘されることも多かったです。それすらも生徒との対話によって改善していく。但し軸はブラさずに。当時は生徒の学力向上であり、ビジョンの達成が大いなる目的ですから、それをずらしては本末転倒ですからね。
【なぜ精神的幸福度は低いのか?構造的課題?】
ここまで書いて、ふと気になったのはこの本です。
今の日本って、構造的に若者が意見したところで無理ゲー感強すぎです。成田先生の本を読んでも、いかに「思考実験」と言われても感覚的には「確かにそうよねー」と納得する部分が多い。
最近では学校でも多様性について向き合ってくれている様子は伺えなくもないのですが・・・。でも・・・
「みんな違ってみんな良い!」
この台詞を皆が一様に唱え出すと、何とも滑稽な気がするのは僕だけでしょうか?ちびっ子達が精神的に幸せを感じない要因は様々あるのでしょうが、僕自身が生徒と話してきた経験から感じるのは、
「意見しても変わらない・・・」
「でも、意見は聞いている雰囲気だけは出す茶番感」
「まあ大体は大人の論理ですからね」
こういう雰囲気が、何となく無意識の中で作られていくことが課題かな・・・と思ってしまうのです。オリンピックイヤーも、大人の議論は冷めた目で見ている中学生多かったなぁ・・・。大人って種目そのものについて感想言い合う人少ないよねぇ・・・と。
参加し意見することで得られる充実感や幸福感があって、それが民主主義の基本であるならば、成田先生の論調に乗っかるとだいぶ厳しいですね、と。いやいや、でも民主主義でない国でも幸福度が高い国もあるよね?となると、それはその通り。
なので、民主主義どーのこーのは一旦傍に置いたとして、対話し意見交換し、「ある種民主的プロセスで」物事を決めていける環境があるとだいぶ変わるのでしょうね。そしてこれを成立させるために大切な前提は「自分とは?」という問いを常に持つことなのでしょうね。大人も子供も。自分の意見と思いきや、無意識のうちに広告宣伝やインフルエンサーに侵されて、自分の意見ぽくなっちゃうこと、多い世の中ですからね。
ちゃんと向き合って意見交換し続けられたちびっ子達ってそんな不幸には見えなかったわけです。逆もまた然り、自分の意見ではない何かを背後に感じる場合もまた然り・・・でしたけどね😅
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