マガジンのカバー画像

教え子からの学び

11
僕が出会ったちびっ子・生徒たちからの学びのまとめ
運営しているクリエイター

記事一覧

我が子の幸せを願ったら読んでほしい話

*今回はややセンシティブな内容含みます。 【増えていく教育相談に思うこと】最近、老若男女・個人法人問わず教育系の質問相談のお問い合わせを受けることが多くなりました。 背景は様々ですが、コロナによる世界変化に起因するものが多いなぁ…と感じます。世界がどんどん不確実性高く予測不能になっていく中で、学びの持つ意義や価値は益々高まっているようにも感じる変化です。 でも…というか、やはり…というか、特にお母様のご質問や相談は「受験で得をするのか否か?」に引っ張られすぎているように

「育む」という投資のリターンって何だろう?と改めて真夜中に思った話

つい先日、有志開催の「投資を語る会」というZoomイベントがありました。 こんなご時世ですから「緊急開催」と銘打って、ここ数日間で一気に開催が決まり思い思いにZoomで参加するスタイルで開催。これは技術革新の恩恵をモロに受けているなぁ…なんて軽く感慨に耽ってみたり。 この会が進行している同時刻に、裏側でちょっとした出来事がありました。フラッシュバックした思い出と、投資にちなんだ未来の価値について考えた話。 【真夜中の友達申請】様々に激変する世界をどうSurviveし、Th

手紙 〜成長=手放すことなのかもという話〜

温暖化が進んでいる…と言いつつも、風の色は鋭さを増し、容赦無く僕たちの頬や肌を襲ってくる季節。どこかピンと張りつめた空気に感じる、僕にとってそんな季節が冬という季節です。 この時期は受験シーズン。世の小学生も・中学生も・高校生も。そして僕にとってはいろんな思い出と「今」という時が複雑に交錯するシーズンでもあります。 今回はそんな思い出の中でも、神奈川時代に出会った男の子の、手紙の思い出から思うことを綴ります。 【突然やって来た手紙】僕が神奈川を離れて東京に赴いてから、も

大学入試改革は延期になったけど、学校の授業は変わることが気になって考えてみた結果、結局は好奇心と共にやってみることが大切だなぁ・・・を思い出した話 〜文科省と教育委員会と現場の先生と保護者に捧ぐ〜

今更ですが明けましておめでとうございます。 2020年になりました! 2020年といえば東京オリンピック!が全国的に・世界的にメジャーなトピックですが、教育的には「センター試験が無くなって新入試制度が始まる!」ということが大きな関心事になっていました。 僕は2000〜2002年あたりに始まった「教科書内容3割カット」の時の小学生や中学生の皆さんと一緒に勉強した記憶があるので、この手の話題には強い関心があります。(当時の体験から感じたことは後述します) まあ、非常に残念

教え子の話 〜成長に常識はないって話

僕は民間教育に関わる仕事をしています。小学生や中学生に、塾という空間で受験指導に関わる体験をたくさんしてきました。僕は受験など単なる手段だと思っています。でもその「手段としての受験」ではなく「自分と向き合う機会」としてこの体験ができると、これを機にちびっ子達が大きく成長する姿も沢山見てきています。一人一人が自分なりに将来・未来を楽しく自分らしく考えるきっかけになれば良い。そんな思いがあるので、「受験指導」ではなく「民間教育」と言う言葉に拘りがあります(民間という言葉を入れてい

教え子の苦悩 〜学ぶことは善か悪か?

2年前、偶然にも(?)教え子の相談に乗り、人生選択の苦悩を聞いた時のお話。学ぶこと・日本人らしさ・人の出会い等に思うこと。 【青年の悩み】まだまだ残暑も厳しいある秋の日、突然謎のfacebook友達申請が来ました。写真もないしプロフィール情報もゼロ。怪しいことこの上ない・・・。詐欺メール…という感じもしないし、なにしろ情報がなさすぎて「なんだこいつ?」くらいに思っていました。仕事中だったので特に気にも留めず放置。しばらくしてまたスマホが鳴ります。今度はメッセンジャー。うん?

難聴の天才児 〜成功って何だろう?の話

皆さんは何を手にしたら「成功した!」と胸を張って言えますか? 巷では相変わらず「人生の勝ち組・負け組」みたいな言葉が踊っていますが…。勝ち組・負け組って何で決まるのでしょう?もしこれを読んでいる方がお子様を持つ親御さんであるならば・・・「我が子の成功」って何でしょうか?ありがちなトピックですが、あえてこのテーマで書きたくなる夏の終わりの深夜。 今回は僕と教え子「のり君(仮名)」の、ある意味での失敗を綴ったお話です。 【難聴の小学生のり君がやって来た】まだ僕が社会人になっ

努力するのにもっともらしい理由は要らない話

たくさんのちびっ子・中高生と話していると、彼らの勉強する理由・受験で志望校を決める理由は様々です。でも世の中的に、受験とか就活の面接って「それらしい理由」がないと印象悪くなるのはあいも変わらずだと思います。なぜそれらしく聞こえる・もっともらしい志望理由を書いたり述べたりするのか?その理由は明確です。昭和マインド満載のおっさん・おばちゃん達が喜ぶからです。 今回は僕が出会った、一般的には「不思議な理由」から学校を決め、共に学んで受験に臨み合格を勝ち取ってきた数名の方々のエピソ

授業中に砂をぶちまけた話 〜体験は面白い

ここ数年注目されつつあるアクティブラーニング&ラーニングピラミッド。 みなさんご存知ですか? 実際にやってみるとわかりますが、確かに定着率というか、熱中度がピラミッドの下に行けば行くほど上がっていく感じは確かにあります。 僕は今でこそこうしたことを理論理屈で語れますが、教育の仕事に関わり始めた頃はよくわかっていませんでした。というよりも感覚的に「もっとちびっ子達に楽しんでもらうためには?」を探求していたと思います。結果、このラーニングピラミッドの下に位置するようなことを

鬱になった受験生の話 〜心時代の生き方

「令和ってこころと精神の時代だよなぁ…」と思ったら書きたくなったエピソード。今でこそ多くの方に認知されるようになったとされる、こころの話。 【突然の相談】今からもう13〜14年前くらいでしょうか。まだまだ世の中的には「うつ」というものが正しく病気として理解されていない頃だったと思います。 やっと日本の企業でも「心の病について学んだ方が良いのでは?」と囁かれ始めたかな?というくらいの時期でした。その年の10月くらいに、僕自身はほとんど関わりがなかった、中学3年生の娘さんがい

10年後の生徒面談 〜インタビューした話

令和元年が、初めて冬の気配を纏い始めたある日の週末。 僕は都内某所で教え子に会いました。この記事は本人の了承もいただいた上で書いています。10年ぶりに二人でゆっくりと「これまで」と「これから」を語りたいということで、僕から彼女にお願いをしました。幸いにも快諾(?)いただき、実現したのです。僕的には10年ぶりの生徒面談。とても貴重な機会をいただきました。 【彼女との出会いとこれまで】僕は彼女のことを「ハナ」と呼んでいたので、今回もその呼び名で書きます。ハナとの出会いは、彼女