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Think difficult

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思考を刺激し、ヒントを与えてくれる色々。難しく考えた思考の断片や、気になった記事のスクラップをまとめています。
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2019年9月の記事一覧

時間は存在しない/カルロ・ロヴェッリ

なにこのシンクロ感。 カルロ・ロヴェッリ『時間は存在しない』。 一昨日の夜に読みはじめ昨夜読み終えた、量子重力理論を研究する理論物理学者の言うことが、1つ前に読んだ社会学者ブリュノ・ラトゥールの『社会的なものを組み直す』でのアクターネットワーク理論の主張とリンクしまくっていて、びっくりした。 この世界は、ただ1人の指揮官が刻むリズムに従って前進する小隊ではなく、互いに影響を及ぼし合う出来事のネットワークなのだ。 このロヴェッリによる「世界を出来事のネットワーク」として捉

「無意識」という名の子

「脳は外側からの刺激でしか動かない」 おもしろいことに、人は「二倍の速度で思考しよう」と決めてもなかなか思うようにはいきません。でも、「二倍の速度で言葉を聴いている」と思考の速度が上がるのがわかります。いわゆる速聴というものです。 体験したことがある方はわかると思います。例えば、とある動画配信サービスのアプリには「×2.0倍」という表記があり、その設定にすると動画が倍速で見ることができます。他にも朗読やラジオなども倍速で聴くことができます。 しばらく倍速の言葉に慣れてくると

つまらない話

つまらない人の話はつまらないつまらない人の話はなぜ誰も耳を傾けないのだろう。 つまらない人の話がつまらないのは、聞いている自分と、その人の話との接点を見出せないときだ。「なぜ私は今、この人の話を聞く必要があるんだろう?」と思った瞬間、その人の話はつまらなくなっていく。 たとえばここに安部公房がいて、彼が創作の過程や、世界をどのように見ているかについて話し出したとしても、安部公房を知らず、ユープケッチャも知らず、地図や航空写真に興味も見出せない場合、安部公房はつまらない話をす

知識を深める、とは

知識を深める。 簡単に言うが、いまひとつピンとこないワードではあった。 でも、今日そのことについてピンとくる説明にあった。 解像度を上げる1つには「解像度を上げる」ということ。 何らかのテーマについて、どれほど解像度高く理解できているかということ。 どういう状態が解像度が高いかと言えば、特定のテーマを提示されたとき、そのことについて、どれだけ長い時間、さまざまな角度から語り続けられるか?ということだろう。 確かに、それならピンとくる。 僕も1時間でも2時間でもずっと語

橋の上から見た夕陽。

数年前、「ホタル祭り」に行ったことがある。地方の夏祭りで、特別ホタルがたくさんいる場所でもない。まあ、そういうネーミングだというだけだ。 そこで数枚の写真を撮ってSNSに載せたところ、まったく知らない人からコメントがあって、「全然ホタルが写ってねえじゃん。笑」みたいなことを言われた。その時、ああ、これだなと思った。 自分は仕事でアートディレクション、撮影、編集をしているからそれが変だとは感じないんだけど、そうでない人は、「スイーツ祭り」という記事でスイーツが写っていないの

考えは浅いほうがわかりあう?

適切な質問を繰り返すと考えは深くなる「なぜ深く考えたほうが良いのか?」の問題はさておいて、「深く考える」とは、言い換えれば根拠を語れるということでもある。なぜを5回繰り返すというヤツ。これは実際にやってみるとだんだんトートロジー的になっていって難しい。 こんなことを書きながら、ぼくは常々、自分の考えの浅さに驚いている。「それはなぜ良いのですか?」と聞かれると、「良いから良い」という言葉が頭の中をぐるぐる回り、結局どう答えたらいいかわからなって沈黙してしまう。適当に答えるこ

「フィルムで写真撮ってるんです」って鼻息荒く言われることがあるんだけど、知らない人がマッチでタバコ吸おうが、ライターで吸おうが、俺にはどうでもいいです。