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本物のソーシャルビジネスであるために、誠実にソーシャルインパクトと向き合うことの大切さ

僕がいま立ち上げているワオフル株式会社はボーダレス・ジャパンという会社のグループ会社です。

ボーダレス・ジャパンは、社会問題をビジネスで解決するシーシャルビジネスだけをする会社で、貧困や環境問題など様々な社会問題に取り組む計38社(2021年2月はじめ段階)のグループ会社が集まる社会起業家のプラットフォームのような会社になります。

今日は先日の月次経営会議(※1)でハッとさせられて反省したことがあったので、今日はそのことについて書いてみようと思います。

ソーシャルビジネスとして誠実にソーシャルインパクトと向き合うことの大切さについてのお話です。
ソーシャルビジネスという言葉が比較的メジャーになってきたからこそ、社会問題とビジネスで向き合ううえで大切なことって何だろう、と考える人のヒントになればいいなと思います。

ボーダレス・ジャパンではまだ連続黒字化していない立ち上げ期のグループ会社の社長は、ボスこと代表の田口とマンツーマンで会社の経営状況や次の打ち手について話しあう月に一度のミーティングがあり、それを月次経営会議と呼んでいます。


ボーダレスに集う理由

僕たち社会起業家がボーダレス・ジャパンに集うのは、解決したい社会問題があるからです。
人の何倍もお金を稼ぐためや、地名度を獲得したいためだったら、ボーダレスに所属するよりもふさわしいやり方は今やごまんとあることでしょう。

解決するためには一人で頑張るよりも、ともに社会問題を解決したい人たちで集まった方が様々なリソース・経験を共有できて、解決へのインパクトが大きくなると思っているからです。

「早く行きたいなら一人でいけ。遠くへ行きたいならみんなでいけ。」

この言葉がボーダレスでよく使われる所以です。

▼ボーダレスの仕組みついて詳しく知りたい方へ


ソーシャルインパクトとは

こういうわけで、ボーダレスでは取り組む社会問題がどれだけ解決されたか、というソーシャルインパクトを何よりも大切にします。

従来の企業だったらKPIの指標として売上や利益を第一に追うところを、ボーダレスではソーシャルインパクト指数を第一に追っていきます

途上国で雇用を生むことが貧困解決に繋がるというソリューションなら雇用数、自然エネルギーに変えた需要家が増えることで地球温暖化防止に影響を与えるソリューションなら需要家数、と言うように、ある問題が起こっている本質的原因に対応したソリューションのインパクトを数値化していくことがソーシャルインパクト指数であると言えるでしょう。

僕がやっている夢中教室の場合は、「自分の人生を歩めるようになった生徒数」になってきます。
これだけだと抽象的で何を基準に自分の人生を歩めるようになったと判断するの?と感じると思うのですが、ここについて説明すると長くなってしまうので今回は割愛します。
また別の機会にしっかり説明させてください!


まずはソーシャルインパクト、次に売上

さて、ここからが今回書きたかった本題です。

ざっくり言うと、「経営的な数字(=売上)と学校が合わない生徒のために必要なもの(=ソーシャルインパクト)を同じくらいの優先度で考えてしまっていた」というお話です。

黒字化するために、そろそろ新しい収益源を加えた授業モデルも考えないとかなーと思っていました。もちろん自分の中では、それを導入しても今いる生徒にとってマイナスにはならないという自信はありました。

ただ、導入のタイミングを含めてめちゃくちゃプラスになる(=学校が合わない子が自分の人生を歩めるようになる)かは分からない。
もし売上・黒字化という概念がなかったら、この判断の選択肢が出てきたかは正直怪しい

この考えを、冒頭に書いた月次経営会議でボスに話したところ、「それって本当に生徒のためになる?」って聞かれて、100%の確信をもって「YES」と言えない自分がいました。

そして、「まずは生徒のため、それから売上について考えよう」と言われたのでした。
自分の考えの浅さ、ソーシャルビジネスの経営者としての未熟さを痛感した時間でした。


本物のソーシャルビジネスを目指そう

ソーシャルビジネスが難しいと言われるのはここにあるのだと身をもって知りました。

ソーシャルインパクトを何よりも優先するという制約条件により、選べるビジネスモデルの選択肢の数が少なくなるのです。

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だから何よりも、ソーシャルインパクトと向き合い続ける誠実さが社会起業家には必要なんです。
経営者だからもちろん売上のことを考えないといけないのは当たり前、でもその優先順位を見失ってはいけない

そして普通のビジネスよりも難しくなるこのソーシャルビジネスを成功させるためにも、ノウハウを閉ざしてはいけないと実感できました。

正直、こんな記事を書くと、いやお前生徒のためと言っておきながら100%生徒のこと見れてないじゃん、って批判がくるかもしれません。
そこは自分の未熟さが招いたところだから、申し訳ないとしか言いようがないです…。

ただ、志をもった人がソーシャルビジネスをはじめて売上を考えないといけなくなった時に、どうすればいいんだって苦悩するかもしれないから、そんな人の役にたったらなあと思います
何より自分の失敗に対してもオープンで正直であろうと思いました。

最後に、この大切な心構えを思い出させてくれたボスの最近のツイートで心に残ったものを。

「大物よりも本物を目指せ」

きっとソーシャルビジネスに必要なのも、「社会問題に向き合い続ける」という誠実さなんだと思います。
その誠実さを積み重ねていくことで、本物のソーシャルビジネスになるのかもしれないですね。


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