見出し画像

添加物の一括表示とは?|食品には表記以上に添加物が使用されている現実

日本の食品表示法では、添加物を「一括表示」することができます。
これは、香料乳化剤など同じ目的のために使われる場合には、一括して表示しても良いということです。
そのほうがわかりやすいという理由で行われていますが、企業側からしたらこんなにありがたい法律はありません。

よく目にするPH調整剤も…!

添加物の一つにPH調整剤というのがあります。
これは、一つの物質名ではありません。
「クエン酸ナトリウム」「酢酸ナトリウム」「フマル酸ナトリウム」などの添加物の集合体なのです。これらは、変色を防ぐために使われていて4〜5種類入れないと、効果が出ません。
カタカナのよくわからない成分が、書かれていたら悪い印象をもたれてしまいます。
しかし、一括表示でPH調整剤と一言書けばOKなのです。

他にも、
・調味料(アミノ酸等)
・イーストフード
・香料
・乳化剤
などの表示がある場合は、一括表示されている可能性が高いです。

表示免除は一括表示だけではない

このように消費者に見えない添加物は一括表示だけではありません。
表示免除がされているのは、
・キャリーオーバー
・加工助剤
・バラ売り及び店内で製造されるもの
・パッケージが小さいもの

があります。

1 キャリーオーバー

キャリーオーバーとは原材料から持ち越される時に、表示が免除されます。
例えば、焼肉のタレを作る際に原材料に醤油を使います。その際、醤油に使われている添加物は、表示しなくても良いという制度です。

これら添加物を、全部表示しろということになったら大変な量になってしまうぐらい、日本の食品には添加物が使用されています。

キャリーオーバー制度
キャリーオーバー制度

2 加工助剤

加工食品を作る際に、完成の前に除去されたり、中和されたりするものは表示しなくても良いということになっています。

例えば、カットサラダ。
サラダを作る際には、殺菌剤のプールの中で消毒します。しかし、これらは一度ではなく、何度も濃度を変えて数回プールに入れます。メーカーによっては、変色を防止するためPH調整剤を混ぜている会社もあります。

これらは、加工工程で使われただけで、出荷時には残っていない。そんな理由で表示が免除されています。

カットサラダの製造の様子
カットサラダの製造の様子

3 バラ売り及び店内で製造されるもの

バラ売りの製品(詰め放題の商品)や、店内で販売しているもの(レストランや弁当屋さんなど)も表示不要になっています。

「自分で売って自分で作るから表示の必要はない」ということになっています。

この問題点は、どんな添加物を使っているかわからないということです。
例えば、パンを作る際に添加物を使ったとします。これらは、包装せずにバラ売りすれば添加物は表示しなくても良くなります。

4 パッケージが小さいもの

一口サイズのお菓子などパッケージのサイズが30cm2以下の場合は、原材料を表示しなくても良くなります。

前の記事でも書いたコーヒーフレッシュなどは、かなり添加物が使用されています。これらも添加物の表示がされなくなってしまいます。

まとめ

日本は、世界一の添加物大国にも関わらず、添加物の表示義務が緩い国でもあります。
そのため、食べ物を選ぶ際には、
「なぜ、この商品はこんな味がするのだろう?」
「なぜ、この商品は色落ちしないのだろう?」
など疑問を持って少しでも調べていくことが大切です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?