【イベント後記vol.2】メンタルヘルス入門(後編)

こんにちは。初めましての方はじめまして。DAYDREAM 吉祥寺スタッフのフユコです。昨日のイベントのレポートを書こうと思ったら2本立てになってしまい、もうすっかり気圧下がり済みの夕方です。まだ明るい!

2本立てのうちの前編はこちらをご覧ください。

さて今回は昨日(4/14)の分。

↑イラストはわたしが描きました。

題して「五月病予防講座①」!

…そのタイトルからも、内容のざっくばらんさが伺えます。

話し手は前回と同じく手島将彦さん。
(手島さんのRolling Stone Japanでの連載はここから飛べます


自分のメンタルのアップダウンに困惑する当事者であるミュージシャン本人の参加が多かった前回に比べ、今回は教職関係の方が多かったです。男女比はやや男性が多いくらいかな。参加者は全部で10名ほどでした。

内容がざっくばらんなのは、まあ、参加者さんに合わせた内容にしたいと思っているので、今回はテーマも特に設けず、前回通り、私のお悩み(?)をきっかけに参加者さんから手島さんへ聞きたいことや、最近モヤモヤしていることをお聞きして、そこから広げていくスタイルでした。
今回は個人のお悩み相談というよりは、もう少し身体の性質や社会の構造的な面にも踏み込んだ内容になりました。

DAYDREAM吉祥寺


まあしかし、そもそもなぜ五月病になるのか?「というか大体なぜ入学式や会社の新年度は軒並み4月始まりなのでしょうか。この気圧の荒ぶる時期に。この時期はみんな体調もメンタルのバランスも壊しやすいですしね」そんな手島さんの言葉から、今回はスタートしました。
一説によると、明治より前は、日本も大体のことが秋始まりだったそうで明治時代、近代化に合わせて年貢の取り立てを米から現金にしたことから、米を現金に変えるまでの期間を考えて、3月納税、4月始まりにしたそうです。
つまり気候と気候に影響される人間の体調のことは無視な訳ですね。
自然と共に暮らすSDGs的なものも流行り出したことだし、そろそろ日本政府にもその辺も考えてほしいフェーズです。確かに9月はみんな調子いいから所得税も出し渋らず、ちょっと高く収められるかもしれません。人によるか。


身体と精神

そんな感じで、まずは体調と精神の関係について話しました。
心が元気ない時は大体体も弱っていがち。心というのは脳という身体の別名ですよね、と手島さん。

確かに私も、ボディケアセラピストをやっていた時期があるのですが、体が元気になると心も健やかになっていかれる方、とても多かったです。

身体の特徴によって性格が大体予想できるのも肌感でありました。子供の身体の特徴と性格を結びつけ、それを研究として行ったものに「シュタイナー教育」というものもあります。(会場で名前が出てこず、「モンテッソーリ教育」といってしまいましたが間違いです。)

それくらい、身体と心の関係は繋がっているのが前提、だから心の不調は体の不調のサインだし、それをまず整えることで解決することも多いのでは、
ということでした。

体を定期的に動かすことで精神が健やかになる(正確には血流や腸の調子が良いと精神の安定に良いとされている)と私は考えていたので、
スポーツやっている人ってメンタルが強い人多いよな、というイメージが話題に上がりました。

スポーツと教育
ところが、スポーツ界にはスポーツ界の構造的な問題がある、スポーツをして、病んでしまう子がとても多い、
と参加者のスポーツトレーナーの方。体を動かすことそのものはいいことなのですが、スポットライトをあびている人や、記録を更新し続ける人の背後に何万人もの選手が日陰にいる、そして一番問題なのは本人の「楽しい、楽しくない」という意思とは関係なく努力を続けてしまうということでした。それを長年続けると必ず病んでしまう。

この話をきっかけに、話題は子供に負荷をかけてしまう大人と、その大人たちの暮らす社会構造の問題に移ります。

スポーツに限らず、狭いコミュニティの中で、限られた価値観にとらわれてしまうと、その場をうまく生きることにフォーカスしてしまい、場所を変えるごとにその場しのぎを繰り返してしまう(病んでいるという問題を先送りしてしまいがち)ということでした。


コミュニティの中でのルールや掟は学校、業界、職場、どこにでも存在するものだと思います。ずっとその中にいると、視界が狭くなっていってしまいますが、そのためにもやはり社会そのものを良くしていこうという意志が大切だと手島さん。

「あらゆるコミュニティは閉ざされていきがち。さまざまな人が存在していられるよう、多様性を保ち、そして組織の風通しをよくしていくためにジェンダー論やマイノリティへの理解などが問題提起される」



新しいことは「不満」から

前回、手島さんはなぜライブハウスでメンタルヘルスについて話すのか、その理由を
「文化(Culture)とは耕すということ。文化の始まりはトリクルダウン的には起こらない。草の根の運動が大切。ライブハウスは音楽をはじめさまざまな文化の始まりの場所ですよね、まさに草の根です。」
と話してくれました。

私は私自身、あらゆることにおいて、0から1にすることに生きがいを感じているので、その言葉を聞いて本当に同感でした。

あらゆるサービス、商品、作品、見たことないものはないくらい、現代にはほとんどのものやことが飽和状態だと思います。
しかし、誰かにとっての「不満」「不便」「不都合」は必ず他の誰かにとっても同じように不満である可能性が高いので、それを解決しようとするその行程に、新しいものが生まれる可能性はたくさんあり、むしろその行程でしか新しいものは生まれないと、私は考えています。

ゼロサムゲームにならず、誰もが各々にハッピーな社会を、ユートピアとして一人ひとりが思い描けるようになるといいなーと思っています。
そのための第一歩が「不満」や「不便」を感じている自分を受け入れることから始まり、そんな他者を受け入れる空間としてライブハウスが、シーンとしてのインディーズが、存在し続けていけることを願っています。


●シリーズイベント 次回●

吉祥寺 DAYDREAM PoT presents
ミュージシャンとアーティストのためのメンタルヘルス入門
「五月病予防講座②」
5月12日(木)
OPEN  18:00
START  20:00
(休憩あり、22時終了予定)
CLOSE  23:30

会場 DAYDREAM 吉祥寺
入場 ¥500(予約不要)

話し手 手島将彦(音楽学校講師・産業カウンセラー・ライター・保育士)
進行:フユコ(吉祥寺DAYDREAMスタッフ/ミュージシャン・イラストレーター)

自分のメンタルのアップダウンに振り回されがちな方、そんなバンドメンバー、近しい人との付き合い方を探っている方に向けた企画第3段。メンタルヘルスに関する見地をアップデートしませんか?アーティスト・ミュージシャンならではの悩みやそれにまつわるエピソードを中心に、会場で意見交換しながら、メンタルヘルスについてポップに学べる会を設けました。ぜひお気軽にご参加ください。


※吉祥寺DAYDREAMで毎週木曜に行われているイベント、
”POT”はDJブースを設置して、
フード出店や占い、フリーマーケットを伴った、社交場のようなイベントです。
DJさんや、ワークショップの主催、スタッフフユコとの対談相手など随時募集しております。
POTイベントへのお問い合わせはフユコへのメールへどうぞ!

POT Instagram https://www.instagram.com/pot_daydream_kj/

また、お店では随時持ち込みイベントや貸切もご案内しています。
イベントや貸切のお問い合わせはwebのお問い合わせページからどうぞ!

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