【感想】『女神の継承』

YouTubeチャンネル「ふっくらすずめクラブ」の紹介動画で知った一本。
初心者に薦めるには尖りすぎだろ。

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あらすじ

タイ東北部の村で脈々と受け継がれてきた祈祷師一族
美しき後継者を襲う不可解な現象の数々…

小さな村で暮らす若く美しい女性ミンが、原因不明の体調不良に見舞われ、まるで人格が変わったように凶暴な言動を繰り返す。途方に暮れた母親は、祈祷師である妹のニムに助けを求める。もしやミンは一族の新たな後継者として選ばれて憑依され、その影響でもがき苦しんでいるのではないかー。やがてニムはミンを救うために祈祷を行うが、彼女に取り憑いている何者かの正体は、ニムの想像をはるかに超えるほど強大な存在だった……。

映画『女神の継承』公式サイト（https://synca.jp/megami/）より引用

新進気鋭のタイホラー。
一言で言うと、「嫌悪感を抱く映画」でした。

最初から最後まで最悪というか、居心地の悪さや生理的嫌悪を呼び起こすような演出が多かったイメージ。じめじめとした、鬱屈した緊張感がずっと続き、見ていて落ち着かなかった。異国情緒はありつつも、日本の田舎っぽい雰囲気も相まって非常に生々しい印象を受けた。

以下、具体的なシーンや演出に言及します。
ネタバレにご注意ください。

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ビデオカメラ越しの映像って、なんであんなに不気味なんでしょうかね。
全体を通してファウンドフッテージ方式で進むので、視界の外が常に気になる。「巫女の継承の瞬間を撮る」という撮影動機も、終始一貫性があって好印象。カメラを活かした演出だと感じた。今の流行りはやはりモキュメンタリーというか、「作り物感」のない作品がウケるのだろうか。

とはいえ、BGMや効果音が過剰な気もした。ホラー演出の一環なのかもしれないが、どうも余計な外連味を感じてしまい、やや興醒めした。監視カメラのジャンプスケアのシーン必要でした？ジャンプスケア嫌いなので、無駄な演出だと思ってしまった。あと、ミンが職場でめちゃめちゃセックスしてたのもよく分からん。その不条理さを楽しむべきなのだろうか。

取り憑かれた人の殺害方法が毎回物理だったのはちょっとだけ面白かった。まあリアルな怖さがあるし、変な霊障とかで呪い殺すよか全然いいんだけど。

ホラーゲーム「Dead by Daylight」の、貞子の攻撃。
「変な霊障」の例。

色狂いや食卓の上で放尿するシーンとか、あんまりホラーで見ない演出だったので新鮮だった。家族が夜な夜な家の中で暴れてるの、普通に嫌だな。

最後の儀式のシーンも、壮大でハチャメチャな感じがした。
『来る』を連想したが、さすがにあれよりもローテンションでシリアスだった。『来る』までいくともう呪術バトルなのよ。（それはそれで面白かったが）

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総じて、生々しい緊張感と嫌悪感に包まれる一本でした。
『呪詛』はまた観たくなる一本だけど、こちらは重苦しくてもういいかな……って感じの作品。ホラー苦手な人に薦める作品ではない。間違いなく。

「最後の儀式、銃あれば生き残れたんじゃね……？」と思ってしまったので終わりです。