コレが下々に回ってこずに、大企業はより肥えていくという矛盾

来年3月期の上場企業の純利益が過去最高益になるそう。
理由が円安と値上げで・・・と。
もう笑けてしまうのでした。

円安由来の燃料高、原料高を理由に値上げを繰り返して、さらに当初想定より安いドル円のために、(海外で勝負している)メーカーや商社、インバウンド需要をアテにしているサービス業などで過去最高益を更新し、東京市場では株価が33,000円台になっています。
(33,000円の実力が今の日本企業に本当にあるのか訝しんでますけど)

ただこれらで賃金を上げました!と言ったところでそれ以上に物価が上昇していて、事実上賃金が下がった状態のままですし、特に大企業などは利益の分配を下請けへの委託料や研究開発費などに反映している節がほとんど見えず、ひたすら内部留保へ差し向けて肥大化していくのです。
おそらくリーマンショックの時の苦い記憶が大企業のレジストリに刻み込まれていて、不安だから貯め込むんでしょ?と。

いくらGDPが四半期でマイナス成長だと言ったところで、それが株価に影響しなかったのは円安と値上げで来年3月期は最高益が出せるとマーケットの頭がよいヒト達が踏んでいたからでしょう。
企業も業績予想を暗に上方修正していないのも、下手に(上方修正を)発表すると諸々のリスクが出るのを恐れているからでしょうし。

一方で、下々の生活はより厳しくなっています。
中小企業は安い下請け料に、燃料や原材費の高騰の板挟みになっていますし、賃金はいくら企業が利益を出そうともすぐに反映させていませんし、年金生活者からすれば年金のマクロ経済スライドを発動させられていることで生活が厳しくなっていますし。
一方で丸ノ内や大手町、赤坂見附や溜池山王を歩いていれば上級国民風情のビジネスマソが羽振りもよろしくランチに1,000円は普通にかけていますし。
ほぼ一同に偉そうな顔して、オレ達は上級国民だ!みたいな感じで練り歩いてますよ。

賃金が上がろうとも物価はそれ以上に上がってしまい、下々の生活は苦しくなっているのに、大企業は肥えていくのですから、そういう不満が表に出てくるものですが、現時点で表立って出てこないのも不思議な気がします。
(皆思っているのかも知れませんけどね、私は不満に思ってますが)

平和をわめく市民団体も、国会議事堂や横田基地、辺野古の前でわめくより、一回矛先を大手町や丸ノ内に変えればいいんじゃね?と思うのです。
「賃金と下請けへの委託料を上げろ!」って東京のオフィス街を練り歩けば?と。
そうすれば世界が間違いなく注目するでしょうし、大企業とて(世界中からの)レピテーションリスクを恐れて渋々あげるでしょうし。
あ、市民団体は年金暮らしばっかだからそんな自分たちに関係ねえ事なんかしねえか。
むしろ年金上げろ!って国会議事堂の前でわめくんだろなと。
だったらそれを財務省の前でやってみろとは思うんですが。

連合もちょっと及び腰な姿勢に見えなくもないですし、経団連や経済同友会もそこは触れるな的なていに見えますし。

貧困を無くすというのもSDGsの項目に入っているでしょ。
日本国など中流階級は瓦解していて、貧困は普通に存在して、かつ貧富の差が拡大していることを認めろ!とはいいたいもので。
そういう所が弱いから言われるんでしょ、今の首相官邸の主はって。

#日経COMEMO #NIKKEI

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