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【山歩き記録 第77歩】鉄砲木ノ頭~三国山~立山(2023年4月10日)【富士山のお膝元でふわふわ時間♪】

富士山を見てるといつもハートDOKI☆DOKI、なみなさま、こんにちは。

今回は、富士山を見に、富士山の近くに行ってきました。

何度か取り上げているように、富士山の南~東の麓は雲が出やすいエリアで、特に午後3時前後がピーク。それで去年、今回に近いコースを歩いて危うく敗れ去るところだった回がありましたが、

この日の予報は各社軒並み晴れ、ただWindyだけ40%程度の下層雲を14時~16時に予想している、という状況で、去年の反省も踏まえて、なるべく早い時間に歩くよう計画しました。

結果は、めでたく一日中晴れ。午後も、雲は宝永山~箱根の南あたりで止まってくれました。視界いっぱいの富士山を拝んだり、ふわふわの火山灰の地面を踏みしめて歩いたりできる、楽しい山行となりました。

コース概要


地理院地図に書き込み

三国山ハイキングコース入口バス停で下車し、近くの山中湖交流プラザにあるトイレで準備を整え、スタートします。駐車場とトイレのあるパノラマ台を経由し、鉄砲木ノ頭に登ります。一度下って三国峠を通り、三国山に登ります。三国山から西に、緩やかなアップダウンを繰り返して、このコースの最高点である大洞山を通ります。立山展望台は、地図の通り、ピークから少し外れたところにあります。立山から少し引き返して北西の籠坂峠に下りることもできますが、食事と足湯のため、道の駅すばしりまで歩きました。道の駅すばしりバス停からバスで帰ります。

記録

富士山駅7時53分発予定のバスに乗車。この時点ですでに5分の遅れでしたが、やはりこの辺りのバスは遅れるのですね。交通量が多いのみならず、信号も多く、よく車が止まります。山のバスというより、観光地のバスという感じがしました。

結果、20分近く遅れて、9時ごろに三国山ハイキングコース入口バス停に到着。山中湖交流プラザ内のトイレを借りて準備を整えます。ちなみに、次のバス停が「山中湖交流プラザ」「山中湖交流プラザ前」と続きますが、写真の「ころろ」横のトイレを使う分には、三国山ハイキングコース入口バス停で降りてもほとんど距離は変わりません。

山中湖交流プラザの地図。「現在地」の川の対岸が三国山ハイキングコース入口バス停です
「ころろ」横のトイレ。自販機やベンチもあって、スタート地点として完璧です
グラウンドから見える富士山。この青空がいつまで続くかが焦点でした

三国山ハイキングコース入口バス停まで戻り、まずはパノラマ台を目指します。始まってすぐ土の道が始まるのが好印象です。

パノラマ台へ

10分ちょっとせっせと登って、パノラマ台に到着。ここには駐車場があり、車で登ってきた人も多く写真を撮っていました。

パノラマ台から
和式ですが、まずまずきれいなトイレあります

しかし、ここで満足せず、車で行けないところまで登ってささやかな優越感を得るのが山歩きの楽しみのひとつ。鉄砲木ノ頭までは標高差200mの登りになります。

あの山に登る

鉄砲木ノ頭は、理由は分かりませんが、木がほとんど生えておらず、良い意味では振り返ると常に富士山が見え、悪い意味では常に日差しを浴び続けることになります。夏に来たら暑くて死にそうですね…。地面は火山礫のコロコロした粒が多く、少し滑りやすいです。火山の麓を歩いていることを実感します。

鉄砲木ノ頭への道

ときどき振り返って標高の高まりを感じながら、9時57分、鉄砲木ノ頭に到着。天気がいいうちに歩き終えたいという思いから、少し早足を意識して歩いています。西側の180度以上の山々を一望できます。

鉄砲木ノ頭にある山中諏訪神社奥宮
鉄砲木ノ頭の本名(?)は明神山だそうです。本日のお供はツクヨミノシンシ
北側の展望
富士山、山中湖、南アルプスとか。スバルライン五合目のふくらみが分かりやすいです
少し南に向けると、森が広がっています
南には、これから行く三国山

羊羹でエネルギーを補給し、三国山へ。一度三国峠まで下ります。このときは、当分、富士山はおあずけと思っていましたが…。(続く)

三国峠の三国山登山口

三国山への登りの道は、左右にとても広くて、公園の中を歩いている感じ。どこを歩いても登れるので逆に明確な道が分かりにくいレベルですが、オレンジのテープが山頂まで続いているので、それを追っていけば問題ありませんでした。

三国山への登り

10時40分、三国山到着。下調べの通り、これといった眺望はありません。

三国山山頂

三国山からひたすら尾根沿いに森の中を西進していきますが、面白かったポイントを3つ紹介します。

一つ目は、異様に鮮やかな緑の若葉が群生していたこと。グーグルで画像検索したところ、バイケイソウまたはコバイケイソウという植物のようです。春に他の草に先駆けてこのように芽を出し、夏に花を咲かせるとのこと。とても目立ってきれいな見た目ですが、葉にも根にも花にも強毒を持つ超やばい植物で、絶対に口にしてはいけないそうです。

バイケイソウまたはコバイケイソウの群生

二つ目は、三国峠からはもう当分富士山は見られないと思っていましたが、広く落葉樹林となっているおかげで、けっこう頻繁に枝の間から富士山を見ることができました。

葉が落ちている時期は、枝の間から富士山が見えます

三つ目は、ときおり火山灰のふわふわな地面が現れることです。ずっとふわふわだと、それはそれで歩きにくいと思うのですが、「ときおり」出てきてくれるので、そのふわふわを踏むのがとても楽しいです。

と、面白ポイントを3つ紹介しましたが、大洞山付近では風が強く、ウィンドブレーカーを出しました。実際この日は南西風がやや強い予想で、富士山と愛鷹山の間を抜けてきた南西風がこの稜線を直撃するという地形になっているのだと思います。

この写真は少し先の立山付近のものですが、このように自然に折れたと思われる木が多く見られました
三角点ぐらいしかないけど、一応この日の最高点である大洞山
大洞山~アザミ平間には、開けた箇所があります
同じく開けたところから、おそらく右に愛鷹山、正面に駿河湾、左に箱根の山々
アザミ平の分岐。右折で籠坂峠に下れますが、今回は直進します

立山展望台は、主稜線から少し南に外れたところにあり、森の一部が開かれた隠れ家的な雰囲気のある空間でした。

左にそれて立山展望台へ
立山展望台から富士山。南(写真左)側に少し雲が出てきた…(12時20分)

立山展望台からは、須走紅富台(こうふだい。変換で出ない…)の方向へ歩きます。ところどころで桜の花が咲いていました。咲き方的にソメイヨシノっぽくなさそうだな、とは思いましたが、画像検索にかけてもいろいろな桜の名前が出てきてよく分かりませんでした。咲いている花もあれば、まだつぼみのような状態のものもありましたので、しばらく楽しめるのではないかと思います。

富士山をバックに謎の桜

途中分岐がありまして、西側のルートは『山と高原地図』(2019年)に掲載無し、YAMAPでも細線(=利用者少)だったのですが、現地の案内板では、特に注意もなく、どちらも同じプレゼンスを発揮していましたので、きっと最近整備されたのだろうと思い、西側のルートを使いました。

写真手前側がよく使われているであろうルート。左側がおそらく新しいルート

東側ルートは尾根から外れて下っていくのに対し、今回使った西側ルートは車道ギリギリまで尾根伝いで行くためか、長い時間、富士山が楽しめました。

車道に出る直前。富士山の南東側の裾(宝永山、二ツ塚など)が良く見えます

下り立った先は紅富台といい、どうやら別荘地のようです。ここからも富士山がよく見えます。というかもうずっと富士山が見えます。写真の通り、午後になって富士山南側に雲が湧いてきていますが、東側に流れてくることは、ついにありませんでした。とても良かった。

紅富台の地図
このあたりは別荘地のようです

ゴールである道の駅すばしりを目指します。地形図やグーグルマップで見ると、道の駅すばしり周辺の道がごちゃごちゃしていて、歩いて入れるのか不安に思っていましたが、現地に行ってみると、親切なことに歩行者向けの案内図が置かれていました。

道の駅すばしりの歩行者用地図
振り返ると今日歩いた山が見えます。歩道橋を渡って神社にも行けます
13時40分、道の駅すばしりに到着

コース全体的に傾斜がとても緩やかなので、スピードも出しやすかったです。結果的に、行きのバスが遅延したにもかかわらず、帰りのバスを予定から一本(1時間以上)早めることができました。

ということで、道の駅すばしりバス停から河口湖駅行き14時43分発予定のバスに乗ったのですが、そのときすでにほぼ満員で、「後ろから乗れないので前から乗ってください」と言われる状態。その後も行く先々で乗ろうとする人がいるも、ついに「次のバス。ネクストバス。ネクストバス」と言われている始末。僕は「平日なら空いているだろう」と思って、こうして平日に休みをもらってきているわけですが、この日はほとんどが外国人の集団客でした。きっと桜×富士山を見るツアーがたくさん組まれているのでしょう。それにしても予想をはるかに上回っていましたが…。

ちなみに、一番前で立っていたのでバスの無線がずっと聞こえていたのですが、客を乗せられなかったら乗せられなかったで、運転手は報告をして応援を頼んでいました。なので、万が一富士山周辺でバスに乗り切れなかったとしても、もしかしたら応援の増便が来るかもしれないので、少し待って富士急バスさんに問い合わせてみるといいかもしれません(※時刻表通りなら次のバスは1時間以上後になってしまいます)。…という学びを得たのでした。

ということで、帰りのバスも30分以上遅れて富士山駅に到着。タイミングが悪く、最速で東京に戻れるのは約1時間後の特急。しかしえきねっとを見るとなんと満席…でしたが、えきねっとを見張っていたところ、誰かがキャンセルしたのか、空席が出た一瞬のタイミングで予約に成功しました。

とはいえ時間があることに変わりないので、下調べのときに偶然知った(そしてこれまで何度か富士山駅を利用したときには知らなかった)、富士山駅の駅ビルの屋上(富士山駅展望デッキ)に行ってみました。さすが屋上で、さえぎるものなく富士山を拝むことができます。

富士山駅展望デッキ
西側もひらけているので、富士急ハイランドが見えます

気温もちょうど良かったので、この屋上で時間をつぶして特急へ。その特急も、座席を予約できず座席未指定券で乗ってきたであろう外国人観光客の方々がデッキのみならず通路までぎっしりでまぁ大変なこと…。正直迷惑なのは事実ですが、あちらもおそらく次の新幹線や飛行機の時間が決まっているのでしょうから、責めることはできません。

ということで、下山後もあまりない経験をしたので、ふだんより長くなった気がしますが、お読みいただきありがとうございました。

各種情報

コースタイム:5時間35分。これは『山と高原地図』(2019年)での数字ですが、特に立山周辺の数字が大きすぎるような気がします。以前は歩きにくい道だったのでしょうか。

標高:990m(三国山ハイキングコース入口)~1291m(鉄砲木ノ頭)~約1165m(三国峠)~1383m(大洞山)~約820m(道の駅すばしり)

眺望:パノラマ台から西、鉄砲木ノ頭から北・西・南。その他道中の富士山展望は記録をご覧ください。

トイレ:山中湖交流プラザ、パノラマ台、道の駅すばしり

危険個所:鉄砲木ノ頭に登る際は、日差しをさえぎる木が全くないため、日焼けと熱中症に注意。

アクセス:富士山駅から三国山ハイキングコース入口へは、富士急行バスF系統(ふじっこ号)。道の駅すばしりから富士山駅へは、富士急行バスAまたはC系統。ちなみに駅としては同じ系統で逆方向の御殿場駅に行く方が近いです。これらF、A、C系統がまとまった時刻表をこちらから見られます。

https://bus.fujikyu.co.jp/rosen/detail/id/21/#d_h01

ふじっこ号専用のウェブページも存在しますが、計画を立てる際には複数系統が載っている時刻表の方が便利でした。ただ、主要バス停の時刻しか書かれていないので、近くのバス停も認知する必要があります。それにも、時刻表PDFの下部に路線図が書かれているので助かります(印刷が想定されているのか、行きと帰りのPDFそれぞれに半分の路線図しかないのが不便ですが)

周辺情報:スタート地点の山中湖交流プラザのHPはこちら。公園兼運動施設という場所なので、ゴール地点として温泉や食事を求めるには不向きです。

道の駅すばしりのHPはこちら。レストランや足湯があり、もちろんトイレも使えて、とてもありがたいです。また、すぐ近くにある浅間神社が富士登山須走ルートの一合目に当たるため、富士登山の拠点にもなります。

ところで、地図には「須走温泉天恵」という温泉があるのですが、僕が調べた範囲では、残念ながら休業している状態です。


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