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【山歩き】膝痛対策の経験と現状の最適解【インソール】

登山・山歩き経験者の一番の悩みは、膝痛なのではないでしょうか。僕自身も、膝痛に対処するためにいろいろなことを試してきました。

直近の山歩きでは甲州アルプスに行ってきましたが、

実は裏テーマとしてあることを試していまして、それは、左右で違うインソールを使うこと。これがようやく自分のベストになる可能性が高いと感じたので、これまでどのような膝痛対策をしてきて、どうして左右別インソールに至ったのか、を投稿してみようと思いました。

記事の中で、痛みが出た、出なかったことの原因に言及することもありますが、あくまで僕個人の経験とそこからの推論ですので、ご理解ください。


これまでの膝痛対策

1:サポーター

僕が最初に手を出したのが、膝サポーターです。理由は、アニメ『ヤマノススメ』の三つ峠回で、ひなたが「(膝サポーター)つけてると楽だよー」と言っていたのと、まさにその三つ峠に行ったときに膝痛を感じたことでした。

ただ、まず言っておきたいのが、膝痛を感じたのは、1回目や2回目の山歩きではなく、11回目だったということ。ここから分かるのは、膝痛には負荷の蓄積が少なからず影響しているということです。そのため、本当の初心者や、年1回ぐらいしか山歩きしないという人には、膝痛は無縁かもしれません。

話は戻って、サポーターを使った実感ですが、結果としては微妙でした。

どう微妙かというと、確かに膝痛が軽減したと感じることもありましたが、一方で膝のそれまでと違うところが痛くなることもありました。これは、サポーターによって負荷のかかる場所が変わったせいかもしれません。また、サポーターはズボン(それも登山用の長ズボン!)の下に付けるため着脱が面倒ですし、だからといって家を出るときから付けると締め付けが苦しいです。

ということで、しばらくは他の対策と併用したり、念のためにカバンに入れて置いたりしていましたが、やがて付けることも少なくなり、今では持って行っていません。

2:YAMAPのインソール

サポーターを使って半年ほど経ったころ、右脚にかなり激しい膝痛を経験しました。折しもそのあとコロナによる自粛期間が訪れたのですが、その間に知ったのが、YAMAPのインソールです。

その特徴を簡単にまとめると、土踏まずではなく土踏まずの根本の骨を支える形状のインソールにより、土踏まずのアーチ機能を引き出して、膝痛などのトラブルを予防しますというもの(Cuboid理論)。この紹介がなかなか理にかなっていて面白いと思い、導入することにしました。(現在は、「山を歩くインソール」としてシリーズ化されています。僕がこのとき買ったのは、現在の「ベーシック」に当たるものです)

これがかなり効果があったようで、それまで苦労していた右ひざの痛みはかなり軽減され、歩きたくなくなるレベルの激痛は全く来なくなりました。

とはいえ、これで解決していれば、YAMAPインソールすごい!というレビュー記事をもっと早く投稿していたと思うのですが、そうならなかったのには理由がありまして、続きを読み進めていただければと思います。

3:トレッキングポール

トレッキングポールは、必ずしも膝痛対策というわけではなく、長距離を確実に歩ききるために導入しました。実際、脚への負荷が減るためか、少し膝痛も軽減しているのかもしれませんが、それほど大きな変化は感じませんでした。痛くなる時はポールを使っていても痛くなる、という感じ。

とはいえ、トレッキングポールはバランスを取るためなどにも便利なので、あって損はしないと思います。そのあたりは以前に投稿したこちらをご覧ください。

4:本やネットで調べたトレーニングとストレッチ

YAMAPのインソールを使って2年弱。痛みが出たとしても軽いもので済んでいましたが、ついにそれでは収まらないものが左脚に発症してしまいました。それは、膝というよりも、おそらく膝横の靭帯のひとつが痛くなるという症状です。タイミングとしては、ちょうど富士山登山のために山歩きの距離や頻度を増やそうとしていたときでした。これはまずいということで、対策として、例えばYAMAPのインソールが経年劣化で性能が落ちたかなと思い買い替えたりもしました。その中の一つとして、筋トレやストレッチもあります。

とはいえ、簡単なスクワットやストレッチなどは、それ以前から行っていました。ネットを調べたり、本を読んだりして、少し方法を変えてもみましたが、あまり効果はありませんでした。何より、特に筋トレの類は、膝痛がすでに出ている状況だと、その回復を遅らせているような気もしました。何か他の方法で膝痛が軽減されないと、トレーニングの真の効果が発揮されないような気がします。

5:テーピング

腸脛靭帯炎予防のためのテーピングというのも試してみました。サポーターのような締め付け感が無いのは良い点ですが、効果はあまり大きくないと思いました。効果以上に、テープを貼る手間や、ちょっと貼り方をミスるとすぐはがれてきたり、貼った個所がかゆくなったりするといったデメリットが勝ってしまったため、長く続きませんでした。

6:靴を替える

モンベルの登山靴を愛用しているのですが、あまり歩行性能を売りにした紹介の仕方をされていません。そこで、歩きやすさをうたっている他社製品を試してみました(3万円越え…)。

結果は、確かに歩きやすいという感覚はありましたが、だからといって膝痛がなくなるということにはなりませんでした。靴自体は良いものなので、今でもモンベルの靴とローテーションしながら使っています。

7:シダスのインソール

YAMAPのインソールは右膝の痛みを劇的に改善してくれたので長らく変えずに来たのですが、この段階まで来てついに、さらに違うインソールも試そうと思うに至りました。そこで選んだのが、シダスの「アウトドア3D」というインソールです。

このインソールは、YAMAPのインソールと異なり、土踏まずを適度にサポートする形状をしています。また、シダスの他のインソールと異なり、細かい通気孔やグリップを強化した表面など、トレッキングを考えた機能が搭載されています。

これを使うことにより、左脚の痛みはほとんど出なくなりました…!一方で、右膝に関しては、YAMAPのインソールを使う前ほどではないにしろ、少し痛みを感じる場面が戻ってしまいました。…ということで、僕は次の結論に至ります。

今の最適解:左右別インソール

あらためて、YAMAPとシダスのインソールを使ったときの体感をまとめると、以下のようになります。

YAMAP 山を歩くインソール ベーシック の体感

  • 右膝はほとんど痛まない

  • 2年弱使って以降、左の腸脛靭帯の辺りが痛むようになった

  • 斜面をを登り続けるとアキレス腱の辺りが少し痛む

シダス アウトドア3D の体感

  • 左膝はほとんど痛まない

  • 右膝は時々痛む

YAMAPのアキレス腱の話は本題から少し外れるのですが、僕は次のように考えています。斜面を登るとき、土踏まずがふくらんでいるインソールだと、そのふくらみ足がかかる状態になり、荷重が分散される。一方、YAMAPのインソールは土踏まずのふくらみを廃しているので、よりかかとに荷重がかかりやすく、アキレス腱に痛みが現れるのでは。

とはいえ、右膝がYAMAPのインソールから多大な恩恵を得ているのも事実。となれば、右にYAMAPのインソール、左にシダスのインソールを使えば、ほとんど痛みなく歩けるのでは?!…ということで、話は最初に戻りまして、この左右別インソールを直近の山歩きで試して、無事痛みなく完歩できたというわけです。

よくよく考えてみれば、足の大きさも形も、歩き方も、完全に左右対称だったら、左右同じインソールでよいのでしょうが、人間、そんなに都合よくできているものでしょうか? 実際、僕の足は右足の方が数ミリ大きいですし、同じように歩いているつもりでもわずかに左右の足さばきが異なっていて、それが痛みの出方に違いをもたらしているのかもしれません。そのため、左右でベストなインソールが異なっていても不思議ではないように思います。

YAMAPのインソールで左脚に痛みが出たのは2年弱経ってからだったので、シダスのインソールも、もしかしたらあとあと痛みが出てきてしまうかもしれません。また、左右別インソールにすることで生まれるバランスの違いが、将来的に違う問題を生むかもしれません。が、当面はこの左右別インソールを続けてみようと思っています。

インソール交換のススメ

僕の経験から、以下のことはお伝えできると思います。

  • 膝痛対策として最も効果があったのはインソール交換だった

  • ただし、そのインソールを使い続けると新しい痛みが出るかもしれないし、左右に同じように効果があるとは限らない

サポーターやテーピングには別のデメリットがあり、トレッキングポールや靴そのものの買い替えはさらに高価であることも踏まえれば、膝痛対策として試すべき価値が最も高いのは、インソール交換ではなかろうか、というのが、現状の結論となります。何かの参考になれば幸いです。

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