マガジンのカバー画像

芙蓉歌句集

207
わたくしが詠みました短歌・俳句をこちらでご紹介させて頂きます。
運営しているクリエイター

#絵

つと指を天気図這わし冴えかへり

つと指を天気図這わし冴えかへり

つとゆびを てんきずはわし さえかえり

ごきげんよう。
本日2月16日は本邦初の「天氣圖」が作製された日だそうでしてよ。

明治16年の今日、東京氣象臺が全国から氣象電報の受電を開始いたしましたの。そこで、当時指導に当たっていたプロシアの航海士クニッピングさまが天気図を作ってみようということになったそうで手書きでお書きになったそうですわ。

この日本で初めて作られた天氣圖はあくまでお試しのもので

もっとみる
おぼろげに豆腐を一つ針供養

おぼろげに豆腐を一つ針供養

ごきげんよう。
2月8日は針供養の日ということで、使えなくなりました針をお豆腐に刺しましてお裁縫の上達を願ってまいりました。
東京市街ですと、浅草の浅草寺にあります淡島堂さまが女人守護のお堂ですから、本日の法要は大変賑わっていたかと存じますわ。

針供養の有名なお寺さんですと、このお豆腐に隙間も無いほどの折れた針が祭られるのですけれども、わたくしはお裁縫あまり得意では無くっていつも人にお願いしてし

もっとみる
春の雨扇を返し晴れ間かな

春の雨扇を返し晴れ間かな

 ごきげんよう。
 本日は朝から愚図ついたお天気で傘を手放せない一日でしたわね。久々にまとまった雨が振りましたから、出かけに傘の存在を忘れそうになってしまいましたわ。
 けれども今度は夕方になりましたらすっかり雲も晴れまして西日が差し込むものですから、なんだか時間の感覚が不思議に感ぜられる一日でしたわ。

 雨傘と申しますと明治に洋傘が普及しましてから久しいですけれども、元々西洋では雨傘ではなくっ

もっとみる
東風吹くや御髪くすぐり百合鴎

東風吹くや御髪くすぐり百合鴎

ごきげんよう。

本日は雲の垂れ込めるすっきりとしないお天気でどこか風景も寒々しかったのですけれども、そんな世界も薄氷を一枚通してみますと樂しく感ぜられますから不思議ですわね。

さて、季節は立春を迎えまして七十二候も「東風解凍(はるかぜこおりをとく)」に入りましたわ。
暖かな風が薄い氷を溶かしていく季節。
俳句の季語ですと「東風(こち)」が三春、「薄氷(うすらい)」が初春になっておりますから、い

もっとみる
風声や立春大吉木戸の音

風声や立春大吉木戸の音

本日は立春ということで、その名に違わず暖かな一日でしたわね。けれども、風が強く吹くものですから髪が乱れて困ってしまいましたわ。
地域によっては早速「春一番」が吹いたそうですから仕方ないのかしら。

さて立春と申しますと「立春大吉」というお札を貼る風習があるそうで、これは元々曹洞宗に伝わる魔除けのおまじないになるそうですわ。なんでも御札を玄関に貼りますと、鬼が振り返った時に内と外を勘違いして出ていく

もっとみる
鬼は外ひそりと響く夜更け哉

鬼は外ひそりと響く夜更け哉

本日は節分ということで、わたくしも昨日頂きましたお豆を手にしまして、「鬼は外、福は内」をしてまいりましたわ。

大きく張った声を出すのがあまり得意ではないので「福は内」は兎角として、お外に向かって「鬼は外」と言うのがどうも恥ずかしくって小声になってしまうのですけれども、今年は折角お稲荷さまから福豆を授かりましたので、頑張って声を出してきましたわ。

今日が節分で明日が立春。旧暦ですと明後日が旧正月

もっとみる
初午の豆くゆり満つ稲荷かな

初午の豆くゆり満つ稲荷かな

 本日は「初午」ということでお稲荷さまの縁日でしたから、福参りをしてまいりましたのよ。ちょうど明日が節分ですから、偶然にも縁起物の福豆を授かることも出来まして、まことに良い初午参りの一日でしたわ。

 初午の日は稲荷寿司を頂くという縁起担ぎのお話もあったりするのですけれども、わたくしは今日のお昼は、お稲荷さまの近くできつね蕎麦を頂くことにいたしました。温かいお出汁に油揚げが染みましてまことに美味し

もっとみる