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芙蓉歌句集

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わたくしが詠みました短歌・俳句をこちらでご紹介させて頂きます。
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鉄道草や赤錆秘むる夢うつつ(他雑詠)

鉄道草や赤錆秘むる夢うつつ(他雑詠)

鉄道草や赤錆秘むる夢うつつ

秋染むや裸電球尽きにし

秋の灯や帝都大川揺れぬまま

秋麗を肺の奥まで満たしけり

稲妻の穂先を嗅ぐや迷ひ猫

草霞み市電鳴り行く常世かな

草霞み市電鳴り行く常世かな

ごきげんよう。今日は穏やかな気候の一日でしたけれども、若干空が靄がかっていると申しますか、遠くを見ると白くぼやけておりましたわね。

春の季語に「霞」というものがありますけれども、まさに初春らしいお天気でしたわ。

「鐘霞む」という季語もありますけれども、長閑な雰囲気が良いですわね。

学友の着慣れぬ服や紀元節

学友の着慣れぬ服や紀元節

今日は2月11日の「紀元節」ということで祝日でしたけれども皆さまいかがお過ごしでしたかしら。

――ということで、改めまして皆様ごきげんよう。
本日無事に帰ってまいりました。

「紀元節」という縁起の良い日に間に合うことが出来て良かったですわ。

本日よりまた日々の様々なことを綴ってまいりたく存じますので、変わらぬ御厚情を賜われましたら嬉しゅうございますわ。

芙蓉セツ子

無花果の丸く馬匹の音すなり

無花果の丸く馬匹の音すなり

今日往来を歩いておりましたら、無花果の実が庭先に生っているお家があったことをふと思い出しました。

しづしづと石畳縫ふ秋の雨

しづしづと石畳縫ふ秋の雨

皆さまごきげんよう。本日は旧暦の9月9日ということで「御九日(おくんち)」と申すそうでしてよ。「9」が重なるということで、簡単に申しますと重陽の節句なのですけれども、例えば「長崎くんち」はちょうど今日からではないかしら。
この「長崎くんち」一説では「くんち」の由来が「御九日」だとされておりますわ。

わたくし、長崎くんち自体は拝見したこと無いのですけれども、何やら異国の趣がある祭りだそうですわね。

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街灯の無き往還や曼珠沙華

街灯の無き往還や曼珠沙華

ごきげんよう。今日は小径を歩いておりましたら植え込みに彼岸花の4、5本生えているのを見つけまして、ふと足を止めてしまいました。
確かに、気がついてみれば丁度秋の彼岸なのですけれども、この花を見るまですっかり何かが抜け落ちていたような気が致しますわ。

彼岸花はわたくし好きな花ですから、この秋に入りましてまだ一句も詠んでいないというのが意外な気も致しますわ。ただ、あまりに好きな題材ですと感情が近すぎ

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吐く息の細く相撲の始まりぬ (NHK俳句10月号佳作)

吐く息の細く相撲の始まりぬ (NHK俳句10月号佳作)

皆さま、ごきげんよう。
このたびNHK俳句10月号の兼題『相撲』 にて、わたくしの俳句の一つを佳作に選んでいただきました。

選者の長嶋有先生、そして毎月樂しい誌面と投句の場を用意してくださっております編集部の皆さま、まことにありがとう存じます。

また、わたくしの俳句活動を見守って下さっております皆さま、いつもありがとう存じます。これからも一歩づつ、研究を怠らず俳句の世界というものに向き合って参

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芙蓉観月會 【結果】及び【選評】

芙蓉観月會 【結果】及び【選評】

皆さまごきげんよう。
残暑も漸く落ち着きまして、爽やかな秋の風を肌に感じることも多くなってまいりましたけれども、皆さま如何お過ごしかしら。

さて「中秋の名月」の夜に催させて頂きましたお月見の句会【芙蓉観月會】につきまして、一連の行事が無事終了いたしましたので、こちらでご報告させていただきたく存じます。

まず、総合結果並びに皆さまの選句一覧は下記の通りとなりますわ。

皆さま沢山の御参加並びに御

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観月句會のお知らせ〔9月13日23時~〕

観月句會のお知らせ〔9月13日23時~〕

【芙蓉観月會】
放送予定:9月13日(金)23時~25時
お題:季語『月見』、漢字「透」、題材〔好きな漢字を活かした句〕
投句用紙:https://forms.gle/ZaZ8GVD1cqn4hVLH9

皆さまごきげんよう。颱風に雷雨と不安定なお天気の続く日々ですけれどもいかがお過ごしでしょうか。

さて、ここのところ少し曇りがちな空模様ではあるのですけれども今週末は「中秋の名月」ということで、

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とんぼ玉眺むるをとめ露の秋

とんぼ玉眺むるをとめ露の秋

ごきげんよう。今朝は颱風で混乱があったようですけれども、皆さま大丈夫でしたでしょうか。
わたくしは部屋にいたのですけれども、風の連れてきた蒸し暑さにぐったりとしておりましたわ。

それにしましても、過ぎてしまえば秋も「白露」の季節。虫の音が爽やかですわね――。

ここのところ、夜の一時は虫の声を聞きながら漢字の練習をしているのですけれども、今まで手癖で書いてしまっていた書き順を一つひとつ見直す作業

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秋されや万葉集を解く女

秋されや万葉集を解く女

みなさま、ごきげんよう。
ここのところ、ひっそりと色々な作句方法を試したりしているのですけれども、今日は俳句と短歌における切れの考え方や動詞の捉え方の違いについて考えておりました。

やはり将棋と囲碁くらい違うものですわね。

今日、短歌の本を読んでおりまして目に留まった言葉に「寄物陳思(きぶつちんし)」と用語がございました。万葉集における表現様式の分類だそうで「物に寄せて思いを陳べる」という表現

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